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黒執事 腐向け転生パラレル二次創作小説:あなたに出会わなければ

Jan 3, 2021
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「黒執事」の二次小説です。

作者様・出版者様とは一切関係ありません。

「坊ちゃん、目を閉じて。」
「あぁ・・」

そっと、碧い瞳と、悪魔の契約印が刻まれた紫の瞳を閉じた主の頬を、セバスチャンは優しく撫でた。
両親と双子の兄を殺害した犯人の復讐を果たした彼は、その生を終えた。

「坊ちゃん、あなたと共に生きた日々は、まるで宝石のように美しいものでした。もし、再び会える事が出来るのなら、その時は・・」
「そこまでです。害獣の癖に感傷に浸り過ぎです。」

セバスチャンとシエルの間を、一人の男が割って入ってきた。

漆黒の髪と、黄緑色の瞳をしたその男は、持っていた高枝切り鋏の刃先をセバスチャンに向けた。

「坊ちゃんとの別れの時間すら与えられないのですね・・死神という者は。」
「何とでもおっしゃい。さぁ、シエル=ファントムハイヴの魂を今から回収致します。」

黒髪の男―死神・ウィルはそう言うと、高枝切り鋏でセバスチャンの頸動脈を切り裂いた。

セバスチャンが最期に見た光景は、シエルの胸にウィルが高枝切り鋏の刃を突き立てる姿だった。

“坊ちゃん、お目覚めの時間ですよ。”

何処からか、懐かしい声が聞こえて来た。

(誰だ、僕を呼ぶのは?)

目蓋の裏に浮かぶ“彼”に向かって手を伸ばそうとしたシエルは、そこで奇妙な夢から目覚めた。

「おはよう、シエル。」
「おはようございます、お父様。」
「日曜だからって、夜更かししちゃ駄目よ。」

シエルが部屋から出て一階のリビングに降りると、ソファには朝刊を読んでいる父と、キッチンで洗い物をしている父の姿があった。

「兄様は?」
「あの子なら、図書館へ出かけたわ。勉強のし過ぎはよくないんじゃないかしら?」
「たまには息抜きをさせてやらないとな。」

両親の話を聞いたシエルは、自分と同じ顔をした双子の兄の事を考えると、溜息を吐いた。
双子の兄は、病弱な自分と違って成績優秀でスポーツ万能の優等生だ。
優秀な兄が居る所為で、シエルは幼少の頃から彼と比較されながら育った。
だが、その事でシエルが兄に対して屈折した感情を抱いた事はなかったし、兄弟仲は良好過ぎると言っても良かった。

「シエル、何処行くの?」
「図書館に行って来る。」
「そう。今日は暑いから気を付けるのよ。」
「わかりました。お父様、お母様、行って来ます。」

朝食を済ませた後、シエルは兄が居る筈の図書館へと向かった。

炎天下の中、蝉時雨が降り注ぐ公園を抜けて図書館へと辿り着いたシエルは、そこで兄が誰かと言い争っている声を聞いた。

「シエルには近づくな。」
「何の権利であなたがわたしに命令するのです?わたしに命令できるのは、“坊ちゃん”だけです。」

シエルは、木陰から兄と言い争っている“誰か”の姿を見ようとした。

だがその前に、彼は誰かに腕を掴まれた。

「ひっひっひ、やぁっと見つけたよ、伯爵。」

不気味な声と共に、シエルの顔を黄緑色の瞳をした男が見つめた。

「誰だ、貴様!?」
「おやおや、もしかして小生の事を覚えていないのかい?悲しいねぇ。」

 謎の男はそう言って溜息を吐くと、何処かへと去っていった。

(何だったんだ、あいつは?)

シエルがそう思いながら、兄達が居た方を見たが、そこには誰も居なかった。

すぐ帰るのは両親に怪しまれるし、また炎天下の中を歩くのは嫌なので、シエルは図書館で少し涼んで行く事にした。
図書館には、夏休みだからか自習室で勉強する学生の姿が多かった。
丁度夏休みの宿題が少し残っているので、シエルは自習室の空いている腰に席を下ろすと、背負っているリュックから筆記用具と宿題のプリントが入ったファイルを取り出した。

気がつけば、夕方の四時近くになっていた。

(そろそろ、帰らないと・・)

図書館から出たシエルは、少し冷たくなった風を感じながら帰宅すると、リビングには心配そうな顔をした両親と兄の姿があった。

「シエル、遅かったわね。」
「ごめんなさい、図書館で宿題をしていたら、遅くなっちゃった・・」
「そう、宿題は終わったの?」
「はい、お母様。」
「シエル、話したい事があるから後で部屋へ。」
「わかりました、兄さん・・」

夕食後、シエルは兄の部屋へと向かった。

「今日、図書館の前で変な男に会ったんだ。」
「変な男?」
「背が高くて、モデルみたいな美男子だったよ。僕の事見て、そいつはじめは嬉しそうだったんだけれど、ちょっと残念な顔をした後、こう言ったんだ・・“あなたは、坊ちゃんじゃない”って。」

兄は少しイライラしたように、唇を少し噛んだ。

「ねぇ、シエルはそいつについて何か知っているの?」
「知らないよ・・」
「そう。」

シエルは自分の部屋に戻ってベッドに入って寝ようとしたが、目がさえて中々眠れなかった。

暫く眠れるまで、シエルは四月に買ったまま読んでいない小説を読んで暇を潰す事にした。

ページを捲った途端、シエルの脳裏に突然小説と同じ光景が浮かんだ。

“坊ちゃん、漸くお目覚めになりましたね?”

―お前は、誰だ?

“何をおっしゃる・・嗚呼、あなたはもう・・”

―おい、何処へ行く?

“さようなら、わたしの愛しい人。”

―待て、・・・・・!

変な夢から目覚めた時、シエルは何故か涙を流していた。

「シエル、おはよう。」
「おはよう、兄さん。」
「今日からまた学校だね。」
「はい・・」
「シエル、お弁当作ったからお昼に食べてね。」
「はい、お母様。」

シエルは兄と共に学校に向かった後、それぞれ別の教室へと向かった。

「シエル、おはよう!」

シエルが教室に入ると、アロイス=トランシーが彼の方へと駆け寄って来た。

「・・おはよう。」
「ねぇシエル、夏休みの宿題やった?俺は全部クロードにやらせたよ!」
「そうか。」
「今日、新しい先生が来るんだってさ。どんな人なんだろうねぇ。」
「さぁな・・」

朝のHR(ホームルーム)でシエルはそんな他愛のない事をアロイスと話していると、教室に一人の男性が入って来た。

長身に、黒髪と紅茶色の瞳をした、モデルのような美男子―この前、兄が話していた“謎の男”と瓜二つの顔をしていた。

「皆さん、はじめまして。わたしはセバスチャン=ミカエリスと申します。本日から、わたしがあなた方の担任を務めさせて頂きます。」

(セバスチャン・・)

懐かしさを覚える名前に、シエルは何故か胸が熱くなるのを感じた。

その時、セバスチャンとシエルの目が一瞬合った。

「新しい担任の先生、シエルの事ずっと朝のHRの間見ていたよね?」
「そうかな?」
「ねぇ、ミカエリス先生と昔から知り合いだったとか?」
「それはない。」

放課後、シエルとアロイスは体育館で柔軟体操をしながらそんな事を話していると、そこへシエルの幼馴染であり剣道部・フェンシング部主将のエリザベスがやって来た。

「エリザベス、どうしたんだ?」
「シエルの為に、リボンケースを作ってみたの!」
「ありがとう、エリザベス・・」

レースがふんだんに使われたリボンケースをシエルは若干笑顔を引きつらせながら受け取ると、エリザベスは嬉しそうな顔をして体育館から出て行った。

「ラブラブだね、シエル。」
「うるさい。」
「おいそこの一年、喋ってないで練習しろ!」
「は~い。」

シエル達が所属しているのは、新体操部ではあるが、そこでは男子部員も女子部員と同じリボンやロープ、ボール、クラブ(棍棒)、フープなどを使って演技をする。
この学校の中等部からシエルは新体操部に入学と同時に入部したが、彼以外の男子部員達は皆初心者だった。
小児喘息を患っていたシエルは、その治療の一環として六歳の頃から新体操を始めた。
新体操クラブには、今でも週末には顔を出して練習している。

「ねぇ、あの子が今年の期待の新人?」
「凄いわね。あのリボン捌き、わたし達でも出来ないわ。」

シエルが大会に向けてリボンの演技を練習していると、そこへ他校の生徒が視察にやって来た。

皆女子ばかりで、男子は一人も居ない。

華やかな新体操で、男女比では女子の方が圧倒的に多く、男子はまだまだ少数派である。

「何だか、嫌な感じだね。」
「あぁ・・」
「ま、気にせず練習、練習!」

一通り練習を終えたシエルがシャワールームでシャワーを浴びていると、誰かが入ってくる気配がした。

「誰だ?」

シエルが個室から腰にバスタオル一枚巻いた姿で出て来ると、そこには誰も居なかった。

(何だったんだ・・)

シエルが帰ろうとした時、彼はロッカーの中にあった筈のリボンが、リボンケースごとなくなっている事に気づいた。

「はい、これ。」
「ありがとう。」
「それにしても、わざわざ俺達を使ってライバル選手を潰すなんて、やる事陰湿だよなぁ。」
「邪魔な奴は潰すに限るわ。」
「女って怖ぇな~!」
「絶対にあたしが頼んだって話さないでよ!」
「わかったよ。」

シエルのリボンを受け取ったのは、新体操部の練習を見に来ていた他校の女子生徒だった。
彼女はシエルのリボンをどうしようかと考えながら夜道を歩いていると、そこへ一台の車がやって来た。

「こんな時間に夜道での一人歩きは危ないですよ?家までわたしが送ってさし上げましょうか?」
「あ、ありがとうございます!」

彼女は、自分を家まで送ってくれる美青年に、瞬時に心を奪われた。

彼の目的など知らずに―

「そのリボンケース、可愛いですね。」
「あ、ありがとうございます!」
「でも、これあなたのリボンじゃないですよね?」
「え?」

彼女が運転席でハンドルを握っている青年の方を見ると、彼が冷たく自分を見つめている事に気づいた。

「シエル、ミカエリス先生がいらっしゃったわよ!」
「え、先生が!?」

シエルは自室で勉強していたが、母の声を聞いて思わず階段を踏み外しそうになりながらも玄関へと向かった。

「夜分遅くに済まないね、シエル君。」
「ミカエリス先生、何で・・」
「これ、学校に忘れていったでしょう?」

そう言ってセバスチャンがシエルに手渡したものは、学校で必死に探しても見つからなかったリボンだった。

「ありがとう・・ございます。」
「大会が近いと思いますが、練習無理しないで下さいね。お休みなさい、シエル君。」
「あ・・お休みなさい、先生。」

セバスチャンが玄関から去っていった後、何故かシエルは胸がズキンと痛んだ。

「シエル、どうしてお前の担任の先生がうちへ来たの?」
「僕のリボンを届けてくれたんだよ、兄さん。」
「そう・・ならいいけど。」

その日の夜、シエルはまた不思議な夢を見た。

“坊ちゃん・・”

自分の前に現れたのは、セバスチャンその人だった。

「ミカエリス先生、どうして・・」

“あぁ、その様子だと、あなたは全てを思い出してはいらっしゃらないようですね。”

そう言ったセバスチャンは、寂しそうな笑みを浮かべた。

“いつかきっと、あなたはわたしの事を思い出して下さると、信じています。”

「待ってくれ・・待って!」

夢から覚めた時、シエルは何故か涙を流していた。

(何で、涙なんか・・)

「シエル、おはよう。」
「おはよう、兄さん。」
「どうしたの、目が真っ赤だよ?」
「うん、ちょっとね・」
「もしかして、誰かにいじめられたの?」
「ううん・・そんなんじゃ・・」
「そう。でも、もし誰かにいじめられたら、僕に相談してね。」
「わかった・・」

双子の兄は、物心ついた頃からシエルに対して過保護だった。

『シエルの兄貴って、いつもああなの?双子だからって、監視厳し過ぎじゃない?』
ある日、大会前の強化合宿に参加できない理由をアロイスに話したら、彼からそう言われた事をシエルは思い出した。

(兄さんが僕に対して過保護なのは、“昔から”だもの。)

“昔から”?

今、自分は一体何を思い出そうとしていた?
一体、何を・・

「・・エル、シエル!」

アロイスに名を呼ばれ、シエルが我に返った時、彼は突然崩れて来た本棚が自分の前に迫って来ている事に気づいた。

「坊ちゃん、危ない!」

大きな声がシエルの頭上で聞こえたかと思うと、誰かが自分の上に覆い被さった。

「誰か、救急車!」
「シエル、大丈夫!?」
「うん・・ねぇ、一体何が・・」

シエルがそう言って周囲を見渡すと、自分の前に頭から血を流しているセバスチャンの姿があった。

「嫌だ、先生!」
「シエル、落ち着いて!」

急に息苦しくなり、シエルは気を失った。

「シエル、シエルは大丈夫なの!?」

シエルが喘息の発作を起こして病院に運ばれた事を知った彼の双子の兄・ジェイドは、そう叫びながら彼の病室へと入ると、そこには両親とアロイス、そして婚約者のエリザベスの姿があった。

「ジェイド、シエルなら大丈夫よ。少しパニック発作を起こしただけ。」
「どうして、そんな・・」
「実は・・」

アロイスからシエルが病院に運ばれるまでの経緯を聞いたジェイドの端整な美しい顔は、たちまち怒りに歪んだ。

「あいつは今何処に?」
「ミカエリス先生は、集中治療室に居るわ。本棚が倒れた時、先生がシエルの盾になってくれて、その時頭を強く打って・・」
「そう。」

エリザベスの話を聞いたジェイドは、外の風に当たりに、病院の屋上へと向かった。

「おや、誰かと思ったらあなたでしたか、ジェイド=ファントムハイヴ。」
「死神が医者だなんて呆れるね。もしかして、医師の方が魂の回収がしやすいから?」
「あの害獣と一緒にしないで頂きたい。それに今のわたしは、唯の人間ですよ。」

そう言った元死神・ウィルことウィリアム=T=スピアーズは、メガネのテンプルを軽く指先で弄った。

「その害獣も、今は唯の人間だけれど、僕にとって・・いいや、“僕達”にとってあいつは“悪魔”だ。」
「あなたは、死しても尚その魂は弟君と共にあった。そしてその想いは、今世でも繋がっている。」
「当然だろ、シエルは僕の大切な弟なんだから。僕は、“今度こそ”弟を一人にさせたくないんだ。」

そう言ったジェイドの蒼い瞳は、少し憂いを帯びていた。

「もし、弟君が全ての記憶を思い出したらどうなさいますか?」
「・・その時は、弟をあいつから引き離す。絶対に、あの二人を幸せにはさせない。」

(やれやれ、前世でも結ばれなかった分、今世では幸せになって欲しいと願っているのに・・とんだ強敵が現れましたね。)

ウィルは屋上から去ってゆく双子の片割れの背中を見送りながら、溜息を吐いた後一階の売店で買ったサンドイッチを一口食べた。
一方、都内某所にあるブティックでは、一人のデザイナーがデザイン画を描いては丸めていた。

「あぁもう、インスピレーションが湧かないわぁ。どっかにいいイケメン、居ないかしら?」
「先輩~、失礼しま~す!」
「イケメンかと思ったら、あんたか。」

そう言ったデザイナー、グレル=サトクリフは、死んだ魚のような目をしながら後輩デザイナーを見た。

「あんたはあたしより調子良さそうね。」
「先輩、もうすぐファッションショーだっていうのに、デザイン画描いていないんですか!?」
「仕方ないでしょ、インスピレーションが湧かないのよ!あ~あ、何処かに目の覚めるようなイケメンが近くを通らないかしら・・」

グレルがそう言いながら通りを窓越しに見ていると、そこへ丁度白銀の髪をなびかせながら有名コーヒーチェーン店のタンブラーを持ったいかにも外回り中の営業マン(イケメン)が通りかかった。

「あ~、いいわ!あたしが求めていた理想の男が遂にキターッ!」

グレルはそう叫ぶと、次々とデザイン画を仕上げていった。

「ホント、イケメンパワーマジパネェ。」
「ロナルド、突っ立ってないであんたも手伝いなさいよ!」
「は~い。」
「あぁ、もっとイケメンが通らないかしら~!」

グレルはそう叫びながら、ミシンで次々とステージ用の衣装を仕上げていった。

「おや、さっき視線が・・」
「もう、遅れますよ!」
「はいはい、わかったよ。」

グレルにインスピレーションを湧かせた件のイケメンは、颯爽と横断歩道を渡っていった。

―坊ちゃん。

まただ、またあの夢だ。

―坊ちゃん、何処にいらっしゃるのですか?

暗く、光すら届かない森の中で、わたしは“あの方”を探している。
泣き声は聞こえているのに、“あなた”の姿は見えなくて。
森の奥に行けば行く程、“あなた”とわたしを遮る霧が徐々に深くなって―もう、何も見えなくなった森の真ん中でわたしは一人、呆然と立ち尽くすのです。

―早く、探さなければ・・

“あなた”は、今何処にいらっしゃるのです?

まだ、あの霧の深い森の奥で泣いているのですか?

大丈夫です、必ず“わたし”が“あなた”を見つけ出しますから、だからもう、独りで泣かないで。

わたしの―愛しいシエル。

わたしの―世界で一番の宝物。

「先生、患者さんの意識が戻りました!」
「わかりますか?ここは病院ですよ。」
「坊ちゃんは・・シエルは無事なんですか!?」
「あなたが助けた子は無事ですよ。」
「あぁ、良かった・・」

セバスチャンはそう言うと、ゆっくりと瞳を閉じた。
瞼の裏に、一瞬愛しい人の面影が映った。

―坊ちゃん。

シエルが目を開けると、そこにはあの燕尾服姿のセバスチャンの姿があった。

―さぁ坊ちゃん、今日は忙しいのですから、早く支度致しませんと。

“あぁ、わかっている。”

シエルはそう言うと、白手袋に包まれたセバスチャンの手を取った。

そこで、夢から覚めた。

「シエル、目が覚めたのね!」
「良かった!」
「お父様、お母様、心配かけてしまってごめんなさい。」
「いいのよ。ミカエリス先生も意識を取り戻したんだから、良かったわ。」
「それは本当なの、お父様?」
「あぁ。彼は今朝早く、集中治療室から一般病棟へと移ったよ。」
「良かった・・」
「今はまだ会うのは無理だけれど、暫くしたら会えると思うよ。だからシエル、今はゆっくり休みなさい。」
「そうよ。余り無理しちゃ駄目。」
「わかりました。」

シエルが入院して数日経った頃、彼は漸くセバスチャンの見舞いに行く事が出来た。

「ミカエリス先生・・」
「ファントムハイヴ君、まさか君と同じ病院に運ばれるなんて、思ってもみませんでした。」
「僕もです。」

そう言ったシエルは、セバスチャンと抱き合った。

「あ、すいません・・嬉しくて・・つい・・」
「ふふ、わたしもです。」

(ミカエリス先生の笑顔、初めて見たな・・)

「どうしました?」
「・・いいえ、何でもないです。」

脳裏に、“誰か”の笑顔が浮かんだ。


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Last updated  Jan 3, 2021 11:35:13 PM
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