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JEWEL

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薄桜鬼現代ファンタジーパラレル二次創作小説:黒豹としぞうと飼育員千鶴ちゃん

September 20, 2021
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「薄桜鬼」の二次創作小説です。

制作会社様とは関係ありません。

二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。


「としぞう君のダニ、良くなって来たね。」
「はい。」
「梅雨入りしてから、最近暑くなって来たからね。」
千鶴と井上がそんな事を話していると、池の向こうから子供達のはしゃぐ声が聞こえて来た。
「今日は、小学校の遠足が来ているんだった。」
遠足に来ていた小学生達は、いくつかのグループに分けて千鶴達飼育員にそれぞれ動物の生態について色々と質問してきた。
だが、その中でマナーが悪いグループが居た。
彼らは平気に“危険だから柵に登らないで!”という注意書きを無視して柵に登ってスマートフォンで記念撮影をしたり、ゴミを通路に捨てたりしていた。
千鶴達が注意しても、彼らは謝るどころか、“うるせぇババア”と暴言を吐いた。
付き添いの教師達に注意しようとしても、彼はスマートフォンで誰かと話しているようですぐに子供達から離れていってしまう。
「全く、何だいあの子達は?ここで飼育している猿の方があの子達より賢いよ。」
「井上さん、それは言い過ぎですよ。」
「山南さん、忙しい中来てくれて済まないねぇ。」
「いいえ。としぞう君の皮膚の具合を見に来たのですよ。この季節は、動物にとっても人間にとっても辛いですからねぇ。:
そう言ってスタッフルームに入って来た獣医師の山南敬助は、黒豹エリアへと向かう例の子供達の姿を見た。
「わ~、かっけぇ!」
「写真撮ろう、写真!」
「君達、周りのお客さんの迷惑になるから、騒ぐのはよしなさい。」
「はぁっ!?うるせぇよジジイ!」
「君達みたいな子は、ロクな大人にならないのですね。」
「何だとてめぇ!」
子供達の一人がそう言って山南に殴りかかろうとした時、黒豹のとしぞうが突然唸り声を上げて子供達を威嚇して来た。
「な、何だよ、そんな事してもビビらねぇし!」
「そうだ、そうだ!」
「バーカ!」
子供達がとしぞうをからかい始めると、彼は牙を剥いて強化ガラスに爪を立てた。
ピシリ、とかすかな亀裂が入ったそれを見た子供達は、先程の威勢の良さはどこへやら、半ベソをかきながら尿で汚れたズボンを穿いたまま黒豹エリアから出て行った。
「子供達が怪我をしたらどう責任を・・」
「お言葉ですが先生、子供達を監督し引率する立場であるあなたが、何故何度も子供達から離れていったのですか?」
「それは、保護者への対応に追われていて・・」
「だとしても、 万一事故が起きたら、一番責任を問われるのはあなたですよ、先生。」
「でも・・」
「あぁ、この動物園内には、動物達の様子を観察する目的と、お客様同士のトラブル回避の為に二十四時間三百六十五日、監視カメラと定点カメラを設置しているんです。SNSとブログの方に、今日の映像を載せてマナーについて注意喚起の記事を書こうと思っているのですが・・先生、どう思いますかねぇ?」
井上は底が知れぬ深い闇を湛えた笑みを浮かべながら、クソガキ達の保護者と引率の教師に自分が撮影した映像を見せた。
「雪村君、この世で一番恐ろしいのは、井上さんみたいな方ですよ。」
「今日は疲れたなぁ・・」
「お疲れ様です、雪村君。」
「山南さん、今日はありがとうございました。」
「いいえ、気を付けて帰るのですよ。」
「はい!」
千鶴が退勤した後、山南はとしぞうが居る獣舎へと向かった。
「お久しぶりですね、土方君・・いいえ、今は“としぞう”君とお呼びした方が良いでしょうか?」
「あんたがまさか、獣医として俺に会いに来るなんてな・・山南さん。」
“としぞう”こと歳三はそう言うと、山南を睨んだ。
「わたしは医師免許と獣医師免許を持っているのですよ。あなたがこのような姿になってしまったのは、あの組織が絡んでいるのですね?」
「あぁ。千鶴の事を頼まれてくれねぇか、山南さん。」
「わかりました。何かわかり次第、こちらへ来ますね。」
「あぁ。」
「それよりも土方君、昼間の事はやり過ぎだと思いますよ。」
「ガキには躾が必要だ。まぁ、源さんが一番怖いが。」
「そうですね。」
都内某所にあるホテルのバーで、アイリスはブラッディ・メアリーを飲んでいた。
「あら、頼んでいないわよ?」
「あちらのお客様からよ。」
「ふぅん・・」
アイリスはそう言うと、少し首をひねって奥の席の方を見ると、そこには丸眼鏡をかけた男が座っていた。
『見ない顔ね?』
『実は、先週から通い始めたばかりなので・・あなたのその美しい蒼い瞳に溺れたくなりましてね。』
『洒落た口説き文句を知っている方ね。』
アイリスはそう言って山南に自分のスマートフォンの番号を書いたカードを渡した。
『あなたに興味が湧いたわ。連絡して。』
『えぇ。』
数日後、アイリスは組織の男“R”と会う為、組織の会合場所である倉庫街へと来ていた。
「どうだった?」
「あの黒髪のボウヤの奥さんからは、何も聞き出せなかったわ。“誰か”が、彼女に口止めしているようね。」
「そうか。引き続き、監視を続けろ。」
「えぇ、わかったわ。それよりも、これからどうするつもりなの?」
「それはまだ、考えてねぇ。まぁ、あのボウヤに注射した液体の解毒薬が見つからねぇ限り、俺達は安全って事さ。」
「へぇ・・」
「・・成程、そういう事でしたか。」
山南はそう呟くと、コーヒーショップから出た。
千鶴達が働いている動物園には、カフェがあり、土日になるとそこは家族連れで賑わうが、平日は閑散としていた。
「ねぇあの人、イケメンじゃない?」
「何見てるんだろう?」
そのカフェのテラス席で、一人の青年がある動画を観て微笑んでいた。
「トシさん、ふふ・・」
青年の名は伊庭八郎、警察庁のキャリア組であり、歳三の“大ファン”である。
「会いたいな、トシさん・・」
この時、八郎は歳三がこの動物園に居る事など、まだ知る由もなかった。
「トシさぁ~ん!」
数分後、カフェを出た八郎は、黒豹となった歳三と再会し、暫く黒豹エリアから離れようとしなかった。

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最終更新日  September 20, 2021 04:19:02 PM
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August 10, 2021

※BGMと共にお楽しみください。

「薄桜鬼」の二次創作小説です。

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「ん・・」

歳三が目を覚ますと、そこは冷たい檻の中だった。
自分以外には全く人の気配はなく、周囲は不気味な程静まり返っていた。
あの女に謎の液体が入った注射を打たれてから、もう三年も経っている。
一体、ここは何処なのだろう?
闇に慣れた目で檻の中から様子を覗くと、丁度一人の飼育員が黒豹エリアを掃除していた。
その飼育員の名札には、“土方”と書かれていた。

(千鶴!?)

三年前、普通の専業主婦だった妻が、何故動物園の飼育員として働いているのだろう。
昔から動物好きだった事は知っていたが、自分が居ない三年間に、一体何があったのだろう。
「としぞう、ずっと雪村君を見ているね。」
「え、そうですか?」
「動物はね、人間を見る目がわかるんだよ。君、今まで動物を飼った事があるかい?」
「はい。三年前、夫と二人暮らしでした。夫は毎日仕事で帰りが遅くて、夫が寂しくないようにって、ゴールデンハムスターを飼ってくれて、二人でお世話をして・・小さくて可愛かったけれど、心臓病で三歳の誕生日を迎えた日の夜に亡くなりました。夫が同じ日に失踪して、独りになっちゃったんだと思ったら、辛くて・・」
「ご主人、早く見つかるといいね。」
「俺はここに居るぞ!」
歳三はそう叫んだが、彼の声は二人には届かなかった。
こんなに近くに居るのに、気づかれないなんて―歳三は檻の中で涙を流した。
檻から出ようとした彼は、爪で檻の鉄格子を引っ掻いてそれを外して檻から出ると、千鶴に抱き着いた。
「千鶴、俺はここに居る!方法はわからないが、元の姿に戻ったらお前の元に帰って来るから・・だから待っていてくれ・・」
「としぞう、どうしたんだ?」
「としぞう君、少しわたしを見て興奮したみたいです。」
「そうか。」
井上はとしぞうを落ち着かせる為、彼を千鶴から引き離した。
その時千鶴は、何かを呟いて黒豹エリアから出て行った。
口唇術を警察学校時代に習得していた歳三は、彼女が何を呟いていたのがわかった。

“待っています、歳三さん”と。

(千鶴・・)

今は黒豹の姿となっても、千鶴と会えて良かったと、歳三はそう思いながら檻の中で眠った。

「まだ、あいつは見つからないのか?」
「はい・・」
「おいアイリス、ちゃんとあいつを“始末”したんだろうな?」
「えぇ。」
「どうだか・・お前は、あの黒髪のボウヤに随分とご執心だったようじゃねぇか?」
「きつい冗談は止してよ。」

アイリスはそう言うと、ある動物園のホームページのブログにある記事を見て、マウスをスクロールする手を止めた。

その日は、としぞうの誕生日を祝うイベントが朝から行われていた。

「としぞう君、誕生日おめでとう!」

としぞうは好物で作られたケーキを全て平らげた。
千鶴の目には成人男性が生肉ケーキにかぶりついているシュールな姿に見えていたが、同僚達や客達には、黒豹が嬉しそうに生肉ケーキにかぶりついている姿にしか見えなかった。
「としぞう君、最近やたら背中を掻いていませんか?」
「そうだね。あ、これは酷いね。ダニが沢山ついているね。」
獣医が到着するまでの間、千鶴と井上は二人がかりでとしぞうの背中についているダニをピンセットで取った。
歳三の白い肌はダニの所為で赤くなってしまった。
「暫く様子を見ましょう。」
獣医から渡された駆虫薬を飲んだとしぞうは、暫く安静にするように言われた。
「あぁ、痒くて堪らねぇ。」
「そんなに掻いちゃ駄目ですよ。」
「でもなぁ・・」
「もう少しの辛抱ですから。」
全裸で痒がる夫にそう声を掛けると、千鶴は動物園を後にした。
「あなたが、としぞう君の担当の飼育員さん?」
「はい、そうですが・・あなたは?」
「自己紹介が遅れました、わたくしこういう者です。」
千鶴が動物園の従業員出入り口から外へと出て行くと、彼女の前に一人のパンツスーツ姿の女性が現れた。
彼女は千鶴に、一枚の名刺を手渡した。

“週刊リーヴス エリザベス=ハント”

「わたくし、“輝いている女性”をテーマに、様々な分野で活躍している女性達にインタビューしようと思っておりまして・・」
「わかりました・・」
エリザベスと共に千鶴が入ったのは、最近オープンしたホテルのビュッフェレストランだった。
「今まで、何をされていたのですか?」
「専業主婦をしていました。昔から動物が好きで獣医になりたいと思っていたのですが、大学受験に失敗して動物の飼育に携わりたいと思って専門学校へ進学しました。夫が三年前に失踪したので、手に職をつけたいと思って動物園に就職しました。」
「ご主人との出会いは?」
「夫とは高校時代の友人同士で、花火大会の時にプロポーズされました。」
「愛の華が咲いたのですね。」
「はい。夫とは早く子供が欲しいと話し合っていたのですが、そんな時に夫が失踪してしまって・・すいません。」
「いいえ、ご主人、早く見つかるといいですね。」
「ええ、本当に・・」
「本日はお忙しい中、ありがとうございました。では、これで失礼致します。」

ホテルの前で千鶴と別れたエリザベスもといアイリスは、鞄の中からスマートフォンを取り出すと、ある人物の番号に掛けた。

「ハァイ、わたしよ。あのボウヤの奥さんと接触したわ。」
『しくじるなよ。』
「わかっているわ。これから、面白くなりそうね。」

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最終更新日  August 12, 2021 08:18:04 PM
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(畜生、何でこんな目に・・)

土方歳三は、倉庫の柱に縛られながら数分前の事を思い出していた。
彼は警察官として、ある犯罪組織に潜入捜査をして、漸く彼らの中枢に入り込む事に成功した矢先に、自分の正体が敵に露見してしまったのだった。
「残念ね。あなたの事、気に入っていたのに。」
コツコツと、ハイヒールの音を響かせながらやって来たのは、組織の幹部であるアイリスだった。
「殺すのは惜しいから、わたし達に協力してくれない?」
「それは、二重スパイになれってか?言っとくが、俺はクソの仲間になるつもりはねぇ。」
「そぅ・・じゃぁ・・」
アイリスはそう言って部下に目配せすると、彼はアイリスに一本の注射器を手渡した。
「俺を殺すつもりか?」
「言ったでしょう、殺しはしないって。ただ、“死にたいと思う位の苦痛”をあなたに与えるだけよ。」
アイリスは口元に冷笑を浮かべると、注射器の針を歳三の左腕に刺した。
「う・・」
 歳三は、苦しみの余り呻いた。
「さようなら。また、会えると良いわね。」
「クソ、待ちやがれ・・」
全身を焼けた鉄の棒で殴られたかのような激痛に襲われながら、歳三は意識を失った。

(今日は、結婚記念日だっていうのに・・)

意識が朦朧とする中、歳三は自分の帰りを待っている妻の事を想った。

「本日から、ここで皆さんと一緒に働く事になった土方千鶴さんです。」
「土方千鶴です、よろしくお願い致します!」
パチパチという拍手の後に頭を下げた千鶴は、早速先輩飼育員と共に自分の担当である猛獣エリアに来ていた。
「ここが、黒豹のとしぞう君のエリアだよ。としぞう君は、ここでは一番の人気者なんだ。」
そう言いながら先輩飼育員の井上源三郎が千鶴を案内したのは、東南アジアのジャングルを模した黒豹エリアだった。
そのエリアで、一人の全裸の成人男性が池で水浴びをしていた。
「あの、黒豹は?」
「ほら、今水浴びをしているのがとしぞうだよ。」

井上が指した先には、その男性しか居なかった。
自分は夫が失踪してしまった事で、頭がおかしくなってしまったのだろうか―そんな事を思いながら再びその黒豹の方を見ると、やはりそこには男性の姿しかなかった。

(歳三、さん・・)

雪のような白い肌、艶やかな黒髪、そして宝石のような美しい紫の瞳―男はまさしく、失踪した夫・歳三だった。

どうして、彼がここに。

「あの、としぞう君はどうしてここへ?」
「三年前、秩父の山奥で彷徨っている所を保護したんだ。その時は痩せ細っていてね。まぁ、ここへ来たという訳さ。」
「そうなのですか・・」
「少し気難しい性格でね。」
井上がそう言った瞬間、強化ガラスに人の手もとい、黒豹のピンクの肉球がはりついた。
驚いて井上が振り向くと、そこには今まで池で水浴びをしていた男―もといとしぞうがガラスにはりついていた。
肝心の部分は、モザイク処理加工されて見えなかったが、隠されている部分が何故かいやらしく見えてしまうのが、人間の心理というものである。
「どうかしたのかい、顔が赤いよ?」
「少し、暑さにやられて・・」
「そうか。屋内でも熱中症には気を付けないとね。」
本当はその部分を見て夫との濃厚な情事を思い出して赤面したなんて、千鶴は口が裂けても言えなかった。
こうして、千鶴の飼育員初日の仕事は終わった。
「ただいま。」
自宅マンションの部屋に入った千鶴は、帰宅途中に寄ったスーパーで買った半額シールつきの弁当をダイニングテーブルの上に袋ごと置いた。
リビングの壁には、三年前に失踪した夫と結婚式を挙げた時に撮った写真が飾られていた。
純白のウェディングドレス姿の自分と、タキシード姿の新郎の夫の歳三が写っていた。

あの頃はまだ、幸せだった。

電子レンジで弁当を温めながら、三年前歳三が失踪した日を千鶴は思い出していた。
その日は、結婚記念日だった。

「今夜は早めに帰れそうだ。」
「わかりました、待っています・・」
「そんなに寂しそうな顔をするな。」

歳三はそう言った後、千鶴の唇を塞ぎそれを激しく貪ると、床に座り込んでいる千鶴の耳元で、彼はこう囁いた。

“続きは、夜にな。”

だが、いくら待っても、歳三は帰って来なかった。

捜索願を出したが、三年経ってもその消息は未だに掴めていない。

(お願い歳三さん、帰って来て・・)

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最終更新日  August 12, 2021 08:17:14 PM
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