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薄桜鬼陰陽師パラレル二次創作小説:火喰鳥

September 15, 2021
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素材はコチラからお借りしました。


「薄桜鬼」の二次創作小説です。

制作会社様とは関係ありません。

二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。

―許しておくれ、歳三。
そう言って女は、押さない自分を抱き締めて涙を流した。
―奥方様、早く参りませんと・・
―必ず、迎えに来るからね。
(かあさま!)
歳三は必死に女を追い掛けようとしたが、女は闇の中へと消えていった。
「歳三様、どうされました?」
「あ・・」
「酷く、うなされておいででしたよ?」
歳三が目を覚ますと、そこは右大臣家の一の姫・美雪の局だった。
「どうして、俺はここに・・」
「宴の時、突然気を失って倒れられてしまったので、わたくしが介抱いたしました。」
「済まない、迷惑をかけたな。」
「いいえ。それよりも土方様、少し妹の事―千鶴の事でご相談がございます。」
「ご相談?」
「はい、あの子は訳あってこの家に引き取られました。正確に言えば、彼女は赤子の時の我が家の前に捨てられていたのです。」
「そうなのですか・・」
「千鶴の事を、どうか守って頂けないでしょうか?」
「美雪殿・・」
「最近巷で騒がれている鬼騒ぎですが、それは千鶴の実の父親が引き起こしたものなのです。」
美雪の話によると、鬼騒ぎを起こしているのは、千鶴の実父・忠道だという。
「あの方は、帝を殺し、鬼が治める国を作りたいと・・」
「彼は、今何処に?」
「それが、わからないのです。彼は、いずれ妹を攫いに来ます。」
「そうですか。では、“その日”まで千鶴殿をその鬼からお守りすればいいのですね?」
「はい。歳三様、どうか妹の事をお守りくださいませ。」
「わかりました。」
こうして、歳三は千鶴の警護の為、右大臣家に通う事になった。
「納得いかないわ!どうしてあんな子が、歳三様に目を掛けられるの?」
「姫様・・」
「早く鬼が来て、あの子を攫ってくれないかしら?」
「ひ、ひぃぃ~!」
「どうしたの、そんな大声を出して・・」
柚奈の背後には、巨大な蛇が迫っていた。
「誰か~!」
助けを呼ぶ間もなく、柚奈は大蛇に呑み込まれてしまった。
「姫様~!」
翌朝、大蛇はある場所に現れた。
そこは、中宮の寝所だった。
「中宮様、お逃げ下さい!」
「何をしておる、早く大蛇を倒さぬか!」
「ひ、ひぃぃ~!」
周囲に悲鳴と怒号が響き渡る中、大蛇はその牙を中宮の喉元に突き立てた。
「中宮様~!」
衛士達が慌てて中宮から大蛇を引き離そうとしたが、遅かった。
「あぁ、何という事だ・・」
衛士達がそう言いながら中宮を呑み込んだ大蛇の膨れた腹を見た後、突然大蛇が苦しみ出した。
「な、何だ?」
大蛇の腹は大きく裂け、その血と臓腑が周囲に飛び獲った。
「ひぃぃ~!」
「逃げろ!」
皆が恐怖と混沌で逃げ惑う中、蛇の裂けた腹から死んだ筈の中宮が出て来た。
「中宮・・様?」
中宮だった“モノ”は、ゆらりと逃げ遅れた女房へと近づくと、その喉を鋭い牙で食いちぎった。
「化け物・・」
中宮は―否、中宮に化けた“何か”は、高らかに笑った後、闇の中へと消えていった。
「歳三様、起きて下さいませ!」
「どうした?」
「後宮に、大蛇が現れました!中宮様が鬼になってしまいました!」
「それは本当か!?」
歳三が自分の局で休んでいると、そこへ何処か慌てた表情を浮かべた土方家の使用人が入って来た。
歳三は欠伸を噛み殺しながら、大蛇騒ぎが起きた後宮へと向かった。
「おお、土方殿!」
「一体、何があったのですか?」
「右大臣家の二の姫様が大蛇に喰われた後、それは中宮様を呑み込み、大蛇の腹から鬼となった中宮様が・・」
公達の話を歳三が聞いていると、そこへ一人の少年がやって来た。
「土方様、どうか中宮様をお助け下さいませ!」
「お前は?」
「中宮様の側仕えを務めている、蛍と申します。」
「中宮様は今どちらに?」
「中宮様は・・」
蛍がそう言った時、後宮から悲鳴が聞こえて来た。
「何だ、今のは!?」
「失礼!」
歳三が、悲鳴が聞こえた方へと向かうと、そこには中宮が一人の女房の喉に牙を立てていた。
「破っ!」
歳三が祭文を唱えた後、中宮に護符を放つと、彼女は悲鳴を上げて苦しみ出した。
―お願い、殺して・・
歳三は、中宮の声が聞こえたような気がした。
彼は、腰に帯びていた太刀を抜くと、その刃で中宮の首を斬った。
―ありがとう・・
中宮は、その姿を灰に変えて消えていった。
「何と・・」
「中宮様、おいたわしや・・」
「一体、大蛇は誰が・・」
中宮と柚奈の事件が起き、歳三と有匡が所属する陰陽寮では、事件の捜査を行う事になった。
「右大臣家の二の姫様に続き、中宮様までこのように・・」
「これは鬼の仕業に違いない・・」
「皆、揃ったな。」
陰陽頭・安倍雅光は、歳三と有匡に後宮への潜入捜査を命じた。
「何故、わたくし達なのですか?」
「他の者は、女装に向かぬからな。そこでお前達には白羽の矢が立ったという訳だ。」
「そうですか・・」
「後宮は男子禁制故、くれぐれも正体を露見せぬよう頑張ってくれよ。」
「はい・・」
歳三は溜息を吐いた後、雅光の局から出た。
「土方殿、厄介な仕事を押し付けられたものですな。」
「ええ、しかし陰陽頭様がお決めになられた事なので、頑張るしかありませんね。」
「はは、そうですね・・」
こうして、歳三と有匡は後宮に潜入する事になった。
歳三は中宮が居た弘徽殿の内侍司に、有匡は藤壺の薬司にそれぞれ潜入する事になった。
「畜生、内袴を捌き方がわからねぇし、唐衣と裳が重くて敵わねぇや・・」
『まぁまぁ歳三様、そのような事をおっしゃってはなりませぬ。』
「でもなぁ・・」
歳三が小鳥の式神を肩に乗せながらそんな事を話していると、向こうから衣擦れの音が聞こえて来た。
見ると、渡殿の向こうから美しい衣を纏った少女がゆっくりと歳三達の元へとやって来た。
「あら、あなたが今日、弘徽殿にいらっしゃった方ね。」
「はい・・梅と申します。」
「そう・・」
少女は歳三を見ると、興味がなさそうな顔をして彼の脇を通り過ぎていった。
(これから、どうなるんだろうな、俺・・)
歳三がそんな事を思いながら自分に宛がわれた局の中で休んでいると、ずるずると何かが這っているかのような音が渡殿から聞こえて来た。
(何だ?)

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最終更新日  September 15, 2021 02:26:37 PM
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September 3, 2021



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「薄桜鬼」の二次創作小説です。

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「だって、トシさんをお嫁さんにするって約束したんだもん!」
「・・そんな約束をした覚えはねぇぞ?」
「え~!」
八郎はそう言うと、潤んだ瞳で歳三を見つめた。
「そんな顔をするな。」
「じゃぁ・・」
「八郎、腹減っただろ?丁度飯の時間だから一緒に食うか?」
「いいの!?」
八郎は尻尾を振りながら歳三に抱き着こうとした時、烏天狗の斎藤が彼の前に降りて来た。
「おう斎藤、久しぶりだな!」
「お久しぶりです、土方さん!」
「斎藤、斎藤じゃねぇか!今までどうしていたんだ?」
「トシさん、この子誰なの!?」
「あぁ、こいつは昔、怪我をしていた時、俺が世話して・・」
「ひどい、僕というものがありながら浮気なんて!」
「誤解するな。」
「言っとくけれど、トシさんは僕のだぞ!」
「久しぶりに会えたんだ、ゆっくりしていけ。」
「はい。」
その夜、歳三達は楽しく酒を酌み交わした。
「トシさん、結婚はしたくないの?」
「あぁ。義父上からは勝手に縁談を勧められているが、俺は一生独り身でいい。」
「それじゃぁ・・僕のお嫁さんになってくれるって事?」
「・・何でそうなる?」
「土方さん、少しよろしいでしょうか?」
「どうした、深刻そうな顔をして?」
「実は・・」
斎藤は、酒を飲みながらぽつりぽつりと彼が住む山が抱えている問題を歳三に話し始めた。
かつては、“神域”とされていた烏天狗の里は、ここ数年都の貴族達が山荘を建てては連日宴を開くので、うるさくて堪らないという。
「このままでは、我らの心が乱れてしまいます。実際、貴族の山荘を襲う事件が相次いで起きております。このままだと、争いが起きます・・どうすればよいのか・・」
「切実な問題だな。人と妖との境界線が徐々になくなってきやがる。」
「そうだね。うちの里でも斎藤君の里と同じ問題が起きているよ。」
「どうにしかしねぇとな・・」
歳三達は腕を組んで深い溜息を吐いた。
彼らが人間達とどう共存し合えるかどうかを話し合っている頃、右大臣家では一人の姫君が和琴を奏でていた。
彼女の名は、雪村千鶴といった。
彼女は、訳あって右大臣家へと引き取られた、鬼の血をひく姫だった。
「千鶴、入るわよ。」
「姉様・・」
「近々、ここで管弦の宴が開かれる事は知っているわよね?」
「はい。」
「その宴に、あなたも出てみない?」
「でも、わたしは・・」
「大丈夫、わたしの方からお父様を説得してみるわ。あなたも右大臣家の姫なのだから、公の場に出る資格はあるわ。」
「えぇ・・」
千鶴はそう言って、右大臣家の一の姫・美雪に向かって嬉しそうに笑った。
「ねぇ、ここ最近都で鬼騒ぎがあったのですって。」
「物騒ですね。」
「本当に。」
都では、貴族の姫君を狙った人攫いが多発していた。
「うちには、厄介な居候が居るから心配ね。」
「姫様、お言葉が過ぎますよ。」
「あら、いいじゃないの。本当の事なのだから。」
右大臣家の二の姫・柚奈はそう言うと、扇を顔の前にかざして意地の悪い笑みを浮かべた。
「ねぇ、管弦の宴にはあの土方家の歳三様がいらっしゃるのでしょう?」
「えぇ、何でも宴には土御門家の若様もいらっしゃるようですよ。」
「楽しみだわ!」
柚奈がそんな事を女房と話していると、右大臣が彼女の元へやって来た。
「まぁ父様、こんな所にいらっしゃるなんてお珍しい事。」
「管弦の宴の事だが、あの娘も宴に出す事に決めた。」
「嫌よ!」
「これはもう、決まった事なのだ。」
「そう。わかりました。」
柚奈はそう言いながら、千鶴を宴の席で恥をかかせてやろうと企んでいた。
「美雪様、今よろしいでしょうか?」
「その顔は、また西の対屋で何かあったのね?」
「はい・・」
柚奈の女房から、彼女のたくらみを知った美雪は、ある事を企んだ。
そして、管弦の宴の夜が来た。
「今宵の宴には、あの鬼姫が出るそうだ。」
「あぁ、あの・・」
「“鬼姫”ですと?それは興味深い話ですな。」
酒を酌み交わしながらそんな事を公達達が話していると、そこへ歳三が現れた。
「おや、お珍しい。あなた様がこちらにいらっしゃるなんて・・」
「義父に無理矢理連れて来られましてね。」
「まぁ、そうなのですか。」
「道理で、右大臣家の女房達が騒いでいる訳だ。」
「華やかな場所は苦手なので・・」
「またまた、ご冗談を。」
(早く帰りてぇな。)
「おや有匡殿、どうかなさったのですか?」
「いえ、あちらの方は初めて見るお顔ですね。」
「あぁ、彼は土方歳三殿ですよ。何でも、半分鬼の血をひいておられるとか・・」
「ほぉ・・」
「どうやら、土方殿は右大臣家の姫君様方と見合いをされるそうですよ。」
有匡が少し歳三に興味を持ち始めた頃、歳三は右大臣家の姫君達と見合いをしていた。
見合いといっても、御簾越しに大概の顔を見るだけであった。
「歳三様、半分鬼の血が流れているというのは本当ですの?」
「えぇ、本当ですよ。」
「まぁ、それならば“あの子”にお似合いなのかもしれませんわ。」
「“あの子”?」
「ほら、今池で和琴を弾いているのが、我が家の居候ですわ。」
柚奈がそう言って扇で指し示した先には、池に浮かぶ船の中で和琴を弾いている真紅の唐衣を纏った一人の姫君の姿があった。
頭に黄金色のかざしを挿し、目元に紅をさしたその姿は、まるで天から舞い降りて来た天女のように美しかった。
「あの子がこの家に来てから、不吉な事ばかり起こるんですの。」
「失礼。」
「待って!」
自分を慌てて引き留めようとする柚奈に背を向け、歳三は庭の方へと向かった。
「おや、歳三殿は鬼姫に興味がおありのようだ。」
「同族同士、惹かれ合うようなものがあるのだろう。」

ヒソヒソと悪意に満ちた囁きを無視して、歳三は和琴を弾いている娘を見た。

その時、雲に隠れていた月が、歳三とその姫君の姿を照らした。

(やっぱり、こいつ、あの時の・・)

姫君の姿と、あの時池で会った少女の姿が、歳三の中で重なって見えた。
それは、彼女も同じだったようで、彼女も歳三をじっと見つめていた。

『歳三・・』

歳三の脳裏に、自分の名を呼ぶ“誰か”の姿が浮かんだ。

それは、自分と瓜二つの顔をした女だった。

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最終更新日  September 3, 2021 07:58:53 PM
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August 29, 2021



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「薄桜鬼」の二次創作小説です。

制作会社様とは関係ありません。

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漆黒の闇の中、一人の男が息を切らしながら走っていた。

彼は、一夜の宿を借りる為、貴族が住んでいた屋敷で寝ていたら、“ただならぬ気配”を感じ、屋敷から出た。

すると、奥から恐ろしい声が聞こえて来た。

“何故わかった”

堪らず男は屋敷から出て闇の中へと駆けてゆくと、背後に禍々しい気配が迫って来るのを感じた。

橋の下で隠れて暫くそこで息を殺していると、橋の上から鎧がガチャガチャと鳴る音がした。

“あの者はいずこへ?”

「ここに、おりますよ。」

男のすぐ傍で、若い男の声が聞こえて来た。

その声が聞こえた途端、男の意識は途絶えた。

「おい、どうした?」
「申し訳ありませぬ、牛が・・」
牛車が突然止まり、歳三はそっとそこから降りて牛の元へと向かった。
「いけません、若様!」
「大丈夫。」
彼はそう言うと、牛に纏わりついている雑鬼を祓った。
「歳三、勝手に何処かに行っては駄目だろう!」
「申し訳ありません、“父上”・・」
歳三がそう言って詫びると、義父は舌打ちして彼を睨んだ。
“薄気味悪い・・鬼の子など、引き取りたくなかった。”
(鬼の子、か・・)
歳三は、鬼と人との間に生まれた、半妖だ。
幼少の頃から父母はすでに亡く、歳三は父方の実家である土方家の養子となった。
土方家は、陰陽道の大家として安倍家や土御門家にひけをとらぬほどの名門であった。
義父―父方の叔父には四人の息子達が居たが、彼らは皆、“見鬼の才”がなかった。
陰陽師の家の者として生まれた彼らにとってそれは、致命的なものであった。
だが、養子として迎え入れた歳三にだけ、“見鬼の才”があった。
漆黒の髪に雪のような白い肌、そして宝石のような美しい紫の瞳を持った歳三は、たちまち嫉妬と羨望の的となった。

―気味が悪い・・
―いくら学が出来てもねぇ・・

使用人達は歳三を恐がり、誰一人彼に近づこうとしなかった。
歳三は孤独な日々を、ネズミ達や雑鬼達と過ごした。
時折横笛や箏を奏でながら、歳三は長い夜が明けるのを静かに待っていた。
水干姿に髪をひと纏めにして高い位置に結んでいた歳三は、ある日夏の茹だるような暑さを凌ぐ為、近くの泉で水浴びをしていた。
するとそこへ、一人の少女がやって来た。
薄紅の衣を纏ったその少女は、円らな瞳で歳三を見た。
その瞳の色は、美しい黄金色をしていた。
「てめぇ、誰だ?」
「あ・・」
「姫様、どちらにいらっしゃいますか~」
「姫様~!」

遠くで女房達の自分を呼ぶ声が聞こえ、少女はまるで弾かれたかのように泉の前から離れていった。

(何だったんだ、あいつ?)

それが、小さな鬼姫との出逢いだった。

「は、見合いですか?」
「そうだ。お相手は右大臣家の姫君様方でな、近々そこで管弦の宴が開かれる。」
「義父上、俺は・・」
「お前にはそろそろ身を固めなければな。次期当主となるのだから。」
「それは・・」
「そなたは、この家の希望。そなたには、陰陽師としてこの家を支えて欲しいのだ。」
元服を迎えた日の夜、歳三は義父に呼ばれ、彼が自分に家督を譲る気である事を知った。
「随分と長い間、父上と話されていたな?」
「兄上・・」
「馴れ馴れしくわたしを呼ぶな、鬼の子風情が。」
歳三の義兄・義成は、そう言った後冷たく歳三を睨んだ。
「先程、義父上からこの家の次期当主はお前しか居ないと言われましてね。」
「何だと!?」
「あなた方が、陰陽師として力不足だと申し上げているのです。血など、所詮役に立たないものですね。」
「おのれ・・」
「良い気になるな、貴様はこの家の恥晒しだ!」
「何とでもおっしゃるがいい・・負け犬の遠吠えなど、聞いても虚しいだけだ。」
「兄者、あんな奴放っておきましょう。」
義兄達が去った後、歳三はふと庭の方へと目をやると、藤の木の近くに幼い狐が倒れている事に気づいた。
(何だ・・)
歳三が狐に近づいてみると、その狐は、まだ幼い妖狐だった。
癖のある栗色の毛は血に汚れ、狐は苦しそうに息をしていた。
歳三は祭文を唱えながら、己の“気”を狐に当てた。
すると、狐はゆっくりと翡翠の瞳を開いて歳三を見た。
「良かった・・」
「トシさん・・」
「もう喋るな。」
歳三はそう言って狐を抱えると、暫く彼を自室で匿った。
「ありがとう、トシさん。この恩は、いつか必ず返すからね!」
「気を付けて帰れよ。」
「わかった、じゃぁね!」
狐は栗色の九本の尻尾を振ると、その姿を煙のように掻き消した。
「八郎、どうしたのです?大事な話とは・・」
「母上、僕トシさんをお嫁さんにしたいです!」
「あなたの好きなようになさい。」
時が経ち、陰陽師として働いている歳三の元に、成人した狐もとい、伊庭八郎がやって来た。
「トシさ~ん、迎えに来たよ!」
「本当に来たのか・・」

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最終更新日  August 29, 2021 09:11:01 PM
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