毎年恒例行事になったこの平和記念式典で思うことは、秋葉忠利広島市長の平和宣言が世界に向けての宣言であり、心に訴える内容の多いことです。小泉首相の読み上げる式典に寄せての文言よりも、遙かに崇高であることと私達の心に訴えるものが多いことです。
平和記念式典は、広島市の爆心地に近い平和公園で午前8時から行われ、およそ4万5000人が参列しました。式典では、初めに、この1年間に亡くなった人など5350人の名前が書き加えられ、あわせて24万7787人となった原爆死没者の名簿が、慰霊碑に納められました。また、今も届け出がない原爆の死没者が多くいるとみられることから、ことし初めて「氏名不詳者多数」と記した名簿1冊もいっしょに納められました。そして、原爆が投下された時刻の午前8時15分に、参列者全員で黙とうをささげて、原爆で亡くなった人を追悼しました。式典の平和宣言で、広島市の秋葉忠利市長は「世界に核兵器からの自由をもたらす責任はわたしたち世界の市民と都市にあります」と述べ、被爆から61年となることしを核軍縮に向けた新たな出発点と位置づけて、世界の都市、市民とともに行動しようと訴えました。このあと、小泉総理大臣が「憲法の平和条項を順守し、非核三原則を堅持して、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向けて国際社会の先頭に立ち続けることをあらためて誓う」と述べました。式典にはこれまでで最も多い35の国から駐日大使などが参列しましたが、一方で核保有国からの参列はことしもロシア1国にとどまりました。被爆61年のことし、全国の被爆者の平均年齢は73.9歳になり、核の恐ろしさを次の世代にどのように伝えていくかが課題になっています。広島では、6日、平和への誓いを新たにする祈りが続きます。
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