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じゃんす的北京好日子 東京編

第15回:靖国参拝への中国メディアの反応

  
第15回:靖国参拝への中国メディアの反応


  8月15日7時45分頃(日本時間)、小泉首相が東京・九段北の靖国神社を参拝しました。小泉首相が8月15日の終戦記念日に参拝するのは初めてであり、現職首相の8月15日の参拝は中曽根元首相以来21年ぶりでした。8月15日という特別な日に行われた靖国神社参拝ですが、中国メディアの反応はどのようなものだったのでしょうか。今回は中国メディアの報道状況についてお知らせしたいと思います。

  小泉首相が靖国神社を参拝してまもなく、中国国営の新華社通信が中国外交部の声明を発表しました。CCTVは7時(中国時間)のニュースで参拝の模様を放映、人民日報は同紙のWeb版「人民網」にて外交部の声明を掲載するとともに、評論記事を掲載しました。Sina.comなどのオンラインメディアでは新華社、人民網の報道を転載しました。

  中国外交部声明は、冒頭で「中国政府は、侵略戦争の被害国民の感情を深く傷つけ、中日関係の政治的基礎を破壊する行動に対し、強く抗議する」と、小泉首相による靖国神社参拝に強く抗議しつつも、最終段落では「日本各界の有識者が政治的障害を取り除いて中日関係を早期に正常な発展の軌道に戻すよう努力すると信じる。」とし、両国の関係改善を強調しました。また、「A級戦犯」およびそれを奉る靖国神社に参拝する「小泉首相個人」を批判し、日本国民には罪は無いとしている点も特徴的です。

  人民日報の評論、新華社の評論記事はこの外交部声明に沿って作成されているため、基本的に論調に大差はありません。15日、「中国外交部の声明」、「人民日報評論記事」、「新華社評論記事」が主に報道され、16日以降、新京報、京華時報、信報、華夏時報、CHINA DAILYなど主なメディアはこれらの記事を転載、もしくはこれらの記事を基本にした記事が掲載されました。

  今回中国メディアの報道は、「悪いのはA級戦犯が奉られている靖国に参拝する小泉首相」「日本人の多くは靖国参拝に反対している」という記事が目立ちました。CCTVでは日本で行われた靖国参拝に反対するデモの映像や、日本人のコメントが放映されていました。

  2005年4月の反日デモの際、一部暴徒化したデモ隊が日本料理店を襲ったり、日本車を破壊したり、という暴力行為を行いました。それらの行為は両国の政治関係だけではなく、ビジネスにも影響を与えました。

  中国側としてはそのような事態が再発することはなんとしても防がなければなりません。15日の小泉首相による靖国神社参拝は中国側にとっては想定内の出来事であり、事前に発言内容、報道方法を準備していたものと考えられます。事実、今回中国メディアの報道対応は非常に迅速でした。事前に予定稿が準備されていたと考えられます。

  今回の中国側のメッセージは、理性ある行動を行うように、という国民向けに発せられたメッセージであるとも言えます。

  デモに関しては、15日午前に北京の日本大使館前で小規模なデモが行われましたが、被害はありませんでした。21日現在、大規模なデモは行われていません。


  最後に、私は北京で生活している日本人ですが、15日の靖国神社参拝以後特に嫌な思いをしたことはありませんでした。会社の同僚も、タクシーの運転手も、近所のお店のおばちゃんもいつも通りでした。しかし、今回日本に対する不満を大っぴらに発言できず、不満が溜まっている中国人もいるでしょうし、油断はできません。


<全15回>
第1回:広報担当者必読の中国広報事情
第2回:広報活動にともなうチャイナリスク
第3回:チャイナリスクの対応方法
第4回:社会貢献活動をPRすべし
第5回:欧米企業の社会貢献活動PRに学べ
第6回:中国でプレスリリースを発送する
第7回:中国メディア、記者対応の注意点は
第8回:大きい中国、市場はたくさん
第9回:中国でのPR戦略は多様化が必要
第10回:W杯報道に見る中国メディア事情
第11回:広告合戦勃発!外資vs中国
第12回:新聞雑誌、中国人はどこで買う?
第13回:中国のネット人口1億2300万人に
第14回:広報とホステスの深い関係
第15回:靖国参拝への中国メディアの反応


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