第5回定例研究会 中○島袋純氏 住民が市町村に対して、地域の政府に対してどれだけの権限を与えてどれだけの組織を成して、どれだけのサービスをやるかとすべて決めることができるので、そういった発想に基づけば、どういった部分を政府が担い、どういった部分を民間が担うか、その住み分けに関しても住民主導で決めればいいということになるんじゃないかな。わざわざ指定管理者制度を念頭に、それを率先して展開できるような方向を枠組みをはめる必要はないんじゃないかな、こういったのは、基本的に。○島仲徳子氏 私も全くそう思います。この市町村の1、2、3を読んで、私も言葉の意味として、完全自治体とか包括的な自治権というのは理解できなかったんですけれども、ただ全体を通して、ここで言いたいのは、市町村というのは、道州の道とか、あるいは国に対して、庇護を求めたり補助を求めたりしない、自分たちで自治をやりますという、こういう趣旨で完全自治体とか、包括的な自治権というのを使っているのかなと理解したんですね。3番目にこれをもってきたのは、そのためにはそれだけの力を自分たちでつけますと、つける必要があるので、この1、2、3レベルでみると、規則のレベルでみると違うというのを皆さんやはりお気づきだと思うんですね。1、2、3でなぜこういうことをもってくるの、だけどその完全自治体で自分たちでやっていこうとする時に、今弱い市町村がどうしても力をつけるためには、こういう期間が必要なんですということで、より具体的なちょっと違う性格のものもあえて入れたのではないかなという気がします。ですから、指定管理者制度というのは、全然またこことは違うというふうな印象を持ちます。 ○藤中寛之氏 島仲さんにご指摘されて、ああそうだなと思います。曽根さんにご指摘されて、ここで道州の条例で定めるのもいかがなものかなと言われて思ったのですけれども、自分が指摘したかった意図というのは、はじめに冒頭で言いましたあえて政策的に、政策的な文脈で、仲地先生がこうやってちょっと性質の違うものを書かれたという文脈があるとするのでしたら、あえて財源が少なくなる中で、このようなすごく意義のある独立の行政機関を設置するということを書かれたとしましたら、実際に実現する上での提案としましては、あくまでも政策的なことになると思うのですけれども、踏み込んで既存のうまく役割を果たさなくなって既得権益を抱えている団体に対して、あんたたちいかがなものでしょうかと、ちょっと後ろで競争による公平な選定を行うというようなことでも背景に抱えながら、ちょっと脅してみると。何かそういうようなことをすることというのが実際に改革を進めていく上では必要なのではというような、そういう背景でちょっと指摘したというような感じです。 ○曽根淳氏 現状の市町村会、町村会に不満があるのかもしれないけど、それを組織するのは住民の代表である市町村の主体的意志なんだから、それを道州がやめなさいとかそんな話じゃないと思うんだよね。だから、仲地先生の思いも含めてこの条文は残すとしても、残してもいいとは思うんだけど、強制じゃないような文章に、支援するとか、そういう形に変えればいいんじゃないのかなと思います。 ○島袋純氏 自治研究機関という具体的な個別の名称が出てくるので、非常に問題が出てくるんじゃないかと。これ市町村間が相互に政策の開発とか、政策立案に関する協力関係、あるいは事務実施に関しても協力関係を結ばないといけないかもしれない。一部事務組合とか、あるいは広域介護の問題とか、広域連合だとかの問題で。ですから、市町村の相互協力関係の原則に絞って、その原則を表す条文にかえていったらまだいいんじゃないですか。ですから市町村は相互に協力し、何というかな、そういった市町村相互協力関係の原則みたいなそういった文言にかえて、それから引っ張って研究機関をつくると。 「市町村は自治の拡充のために相互に協力し、連携を行い、相互の自治力の向上に努めるものとする」とか、何かそんな感じですね。それから引っ張ってくればいいんじゃないですかね。それから研究機関を引っ張ってこれるし、広域連合、介護の問題とか、本当は介護なんかは県が吸い上げてほしいっていうか、道州がやってほしいというのはあるんですけど。一部事務組合とかの問題も解決できるんじゃないか。その時の原則は、基本的に相互協力、信頼、それから研究開発、何かそういったものですよみたいなイメージです。 ○照屋勉氏 その研究機関設置というような文言を入れないということでいいですかね。そういった自治の研究をするだとか、相互間の向上のための研究調査をやっていくというような、機関を必ず設置するというような文言は入れないということで。 ○島袋純氏 調整に関しては、基本的に相互に自分たちで調整できることは調整できるんですけど、最終的に調整というのは実を言うと権力的な作用なんですよ。あんたはやめてあんたのところやりましょうという部分がどうしても出てくるので、それで道州がどうしても担わなくならざるを得ないような調整機能というのは、あるんじゃないかなというイメージはします。市町村同士で相互で紛争が起こった時とか、もめた時とか、どうしても調整機能が最終的な手段として残されるとは思いますが、基本的にはそういった権力的な調整じゃなくて、それは最終的な問題であって、連絡調整とか、あるいは事務の相互の情報提供のしあいだとか、そういった意味での調整に関しては、本当に信頼の関係をもって、協力関係をもってやっていくというイメージですね。それがどうしても必要になっていくだろうという感じです。 ○玉城和宏氏 先ほどもちょっと言ったんですけど、やはり情報をチェック、開示、いろんな調整をする場合も談合じゃなくて一つ一つやったプロセスというものがほかの住民、あるいはほかの地方自治団体から提示してくださいと言われた場合には、それを正確に提示できるという、そういうプロセスを確認する、またプロセスといったら語弊がありますけど、そういうものをこういう文言の中にはぜひ入れていただきたい。つまり、権力と今島袋さんが言われたように、権力というのは何に基づいてその権力を行使するのか。その行使をする場合においては、情報がその説明責任を完全に付与された形で提出されないといけないという。それで住民環視のもとにそういうふうな機能が、なるほど誰が見てもこれは適正であると、手続きも適正であるし、すべてオーケーである。これに反したらまた罰則規定でいろいろ入れればいいんですけれども。少なくともそういう情報を、第三者が確認できるプロセスという部分は、こういう組織を構築する場合に最も重要な鍵になると思いますので、そのへん情報に関してチェックを入れる、あるいは公開の義務・責任、そしてそのファイルを常に持っていて、住民訴訟あるいはいろんな必要な人たちが、「見せてくれ」といったらそれは提示しないといけないという、そういった義務も全部付与させておくという、それが必要だと思います。だから情報という部分は、常に入れておいていただかないといけない。組織をメンテナンスする場合、保持する場合には。 ○島袋氏 4番に、市町村は説明責任と情報の作成提供、住民に対してもそうだし、他の市町村に対してもそうだし、道州に対してもそうだと。説明責任と情報の提供義務、情報の作成義務を明示したらいいんじゃないですかね。まず、情報はつくりやすく、必要な情報に関して、わかりやすく説明すること。そして市町村の情報が流通するような手続きを整備しないといけない。ネットワークという言葉を使うかどうか。 (発言する者あり) 市町村が情報に対する義務と責任、市町村にとっての。それを制度的に確立したものとするという形でやったほうがいいかもしれないですね。 ○照屋勉氏 今の4番の話は、これはすべて1、2、3にかかってくるようなものというとらえ方でいいですか。 ○玉城和宏氏 実は、世の中で起こっていることというのは、基本的には皆さんご存知のように、状況なんですよ。ものがここにあるとか何とかというのは、ほんとに状況なんですね。その状況を保持するのが、状況が情報の複雑な絡み合いによって保持されているということ。それをまず認識していただきたい。そうすると、その情報を、その状況を達成する場合には、どういうふうな部分からどういうふうな部分に向けて、その状況が変化していくかと。状況が変化した結果というのは、インフォメーション、情報がその部分で残ってくるわけです。だからプロセスというものは、情報が常に刻一刻、刻一刻ステップごとに変わっていく部分なんだと。それを認証という形で、こういう行政、あるいは国、そういう部分に残しておいていただきたい。そうするとどういうプロセスで、どういう情報がきて、状況は、最初の状況認識から結果の状況のところまで、どういうふうにいくかということが明確にわかってくるんです。だからその意味では情報というのを抑えるのは、ちょっと言葉が似てますけれども、状況、状況を把握するのに情報が必要なんです。状況が変化していくのにも、情報が結果として残っていくんだと。そのプロセスを認証するのが、あるいは住民に対して提示するのが、行政なんかの義務なんだと思います。 ○島仲氏 今おっしゃっているようなことですけれど、一番最初の沖縄における自治の基本原則の中で、6番目に記されてます。自治体はその行う事務事業に関する企画・立案・実施及び評価のそれぞれの過程において、住民と情報を共有しかつ住民に対してわかりやすく説明する責任を負う、というふうにありますけれども、基本原則をここで打ち出して、なおかつまた市町村のところにももってくる必要があるのかなと思いましたが。 ○島袋純氏 もしそうであるならば、3番の中に市町村の役割として、情報提供義務ということを入れてもいいんじゃないですか。 ○照屋勉氏 わかりました。では、もう11時にもなっていますので、次の曽根さんの沖縄自治州の統治機構に入らなければいけないと思います。では、今の意見、もう少し私のほうでまとめて後日MLのほうでもう一度お流しして皆さんのご意見をお伺いしていきたいというふうに思います。よろしいですか。 では、これで市町村のほうは終了したいと思います。ありがとうございました。 (休 憩) 【2.沖縄州の統治機構(ファシリテータ:曽根淳)】 ○曽根淳氏 昨日の段階では、メールでG2案に対する疑問の提起というところでとどまってしまって大変申しわけないです。その疑問を基に考えてみると、いろいろと書かなければいけないことがたくさんあるなということに愕然として、きのう寝ないでやりましたけど。 基本的には、統治機構に関して非常にあっさりとG2案が書いてあって、これだけで統治機構というのが規定できるかということですね。やはり足りないんだろうということで、G1の精神とG3で書かれていること、そのへんを生かさせていただいてつくりました。ちょっと長いので1個1個説明できないかもしれませんけど、ちょっと流して説明させていただきます。 1ページ目のいちばん上の前文の部分ですね。これは基本的には次回前文とか沖縄の自治基本条例の法的位置づけ、このへんで触れていただければここで挙げる必要ないんですけれども、ただこの統治機構で書かれていることを規定するためには必要であろうということで、仮置きで置かせていただきました。この前段で書いてあることは、住民が主体であるということと、やり方はあわせていいんですけれども、沖縄自治基本法を憲法95条には特別自治法として制定して、それに基づいて統治機構を規定したらどうかということですね。 それから市民も参加の一つの主体であるということを一応うたっておこうということです。 それで、議会ですね。議会、これすごく悩んだんですけど、特に悩んだところは、一院制にするか二院制にするか、これはあとでご意見いただきたいんですけど、個人的には現実を考えたら一院制じゃないと大変じゃないかと思ったんですが、ただ制度上最初に考えるということであれば、より双方の補完的意味合いを考えて、自治州という大きな範囲の議会として定義するのであれば、やはり二院制をまず定義しておこうと。 これは案と同じですけれども、上院は市町村長であると。それで構成すると。下院は、ここはちょっと案と違いますけど、案では全県を一つの選挙区とする選挙で公選による下院議員というふうになっているんですけど、自分は逆に完全小選挙区によって公選される議員。完全小選挙区というのは、小さいところでは町村レベルでいいんですけど、市はもっと細かく選挙区を分けるというイメージです。 これは西尾勝さんが力説されていたんですけど、今の結局この国の構図のおかしいのは、選挙制度にも一つの問題があると。それは結局、国会議員の選挙区とほぼだぶった形で県議会の中選挙区みたいなものがあって、その下に市会議員があって、これがすごい利権団体として上から下までずっとつながっている選挙構造があるものだから、今の日本の政治がおかしいんだ。これを切るためには、その国会議員の選挙区と県議会議員の選挙区を違う大きさにする必要がある。そのためには、大きくするのではなくて、もっと細かくして、完全小選挙区にして国会議員の選挙区とは関係のないようにして、この利害関係を断ち切って今の政治を変えるんだというお話をされていて、それは一つ魅力的かなということ。 最初の案にあった全県1選挙区で本当に有効な議員の選挙というのができるか。もっと人気投票とか、組織選挙みたいなものになってしまわないのだろうかという懸念が自分にはありますので、ここでは完全小選挙区により公選される議員。それで、案になかったものですから二院の場合は、最終議決権は対立するものではなくて選挙民によって選ばれて下院が有するということです。 それから、これはあとでも首長とか行政にも出てきますけれども、議員は任期を設ける。上院は市町村長の任期と同じと。選挙ですから。下院は、任期は4年で上限を3期と設けることと、ある程度お年寄りの意見も反映する必要あると思いますので、70歳を定年としたらどうかということです。ただ人を入れ替える必要があると思うので任期と定年を設けたということです。 それから、次が自治州の議会の役割ですけれども、基本的には日本の法を優先する。ただ、環境保護とか、経済振興とか、自治州内で独自運用が可能かつ効果が上がるものの法律に関しては、この自治州議会による条例による法律の上書き権を有する。自治州議会が法律をつくれるというのは、もともとの案かもしれないんですけど、自分の今の案では、自治州議会は、国の法律に対して条例によって上書き権を有する。これも西尾さんの考え方を基にしているんですけども。法律作成権ではなくて、条例をつくる権利があるということを定義しています。 それからこれは元案のとおりですけれども、自治州議会は、条例提出権と予算編成権を独占する。これは、G3から持ってきましたけど、そのために、条例準備、もともとは法律提出権だったんですけど、条例提出権と予算編成権。そのために、条例準備、予算査定、監査のための機構を議会内に設置するということです。 それから、議会は通年制。これは元なんですけれども、元案は土曜日だけということだったんですけど、ちょっと土曜日だけだと多分できないんだろうなということで、夜間土曜日、日曜日、これをうまく活用してやってくださいということですね。 それから、議員の兼業化というのは、できれば議員は報酬は低くして、何かちゃんと自分なりのいろんな社会的参加をしていて、そのために夜にもしていますので、その上で議員を社会参加としてやっていただけないだろうかと。それと住民が傍聴しに来てほしいということもあわせて、夜間と土・日曜の開催を基本とするとしました。 それから、知事です。これあまり詳しく書いてなかったんですけど、一応知事は、沖縄自治州の行政の執行者として、自治州内全域を選挙区として公選される知事を置く。これは、案どおりだと思います。ここでも、多選の問題というのはあると思うので、任期は4年、さらに2期まで、そして65歳まで。年令差別ではないんですけど、人は変わっていくことの意義を大きく見るということで任期と定年を設けております。 それからこれは元になかったですけども、行政の幹部職員、あとで行政の仕組みも出てきますけど、ちょっと名前を何としたらわからないので、理事とか、民間で言うと執行役員みたいなイメージですけど、それを政治任用することができる。これは必ずしなくてはいけないということではなくて、行政側が選べばそれはそれでもいいし、基本的には任用できるということです。 それから、ここも全くなかったんですけど、ただ現実を考えると、拒否権ですね、大統領じゃないですけど、拒否権の問題もすごくあると思うんですけど、ただ議会が、例えば知事の給料は0円にするとか、職員の給料を半額にするとか、そういう理不尽な、あんまりそういうこと想定してはいけないのかもしれないのですけど、長野県議会のようなことにならないために、拒否権は、やはり合理的な根拠のないものに関しては有するというふうに仮置きにしたほうがいいのかなと。それから、この中では規定することではないんですけど、全体のフレーミングの関係で、この道州の意見をどうやって法律とか、国の政策に反映するかという仕組みが必要だと思うんですけれども、参議院の改革もいろいろ言われていますけども、仮に道州の上院と同じように、国の参議院は道州の代表で構成するとか、そういう形の、国会を変えていただいて、知事から地域のニーズに即した法律を提案できるということに、ぜひ目指してほしいというものがあって、この地域の二院も機能するのではないかということで、ちょっと備考で書いています。 それから、3番の行政ですね。これ行政のことを全然書いてなかったので、ちょっとラディカルに書いてみました。一応、知事を補佐する執行機関ということで、州政府を設けます。さっきの執行役員の話も関係してきますけど、今の三役とか部局長、この人たち経営責任がなくてただいるだけのようにならないために、一定の責任を有する幹部職員、これは基本的には政治任用ですよと。責任を持って運営して、だめなら代わってもらうというようなやり方をやってもらうと。それから、今の官僚機構の問題というのは、人の問題が大きいと思うんですけど、これをどう解決したらいいかいろいろずっと考えているんですが、やはり公務員制度というものにかなりいい部分と悪い部分とあるのかなと。仮に10のアイディアとしておいたのは、行政職員の兼業は今禁止されていますけども、兼業禁止の規定、あと国籍条項をやめる。別に利害関係があるというものは、排除する仕組みをつくればいいと思うんですけれども、いろんな雇用形態があって、企業や非政府組織、あるいは議員であったり市町村の議員であったりしてもいいだろう。あるいはそのほうがもっと多様な行政ができるだろうということで、そういうものの条項を廃止して、すべての住民に門戸を開いたらどうだろうか。 公務員と書いてないのは、そうすると公務員という形態が、規定、いろいろ守秘義務とか設ける必要があると思うんですけれども、いいのかなというのがありまして、行政職員は基本的には公募制を原則として、これも任期、定年を設けていますけど、任期は5年、最大2期まで、10年ですね。限度にして65歳を定年とする。今いる人をやめろという話じゃないんですけれども。いろんな人が行政に関わって、また社会に戻ってまたいろんな、さっきの兼業もありますけども、多様な雇用形態で行政と関わってまた社会に帰っていくと、また社会から入ってくる。そんな仕組みをつくれたらすごくいいんではないかということで書いています。 それから、簡素で効率的なというのは、必ず自分は行革をやっているので書いてしまうんですけど、必要性のない事務はやめる。それから、必要があっても行政が直接やる必要がなければ民営化、民間委託するということを一応うたっておこうということです。 それから4番、住民ですけど。これももとになかったんですけど、この前文で提起したように、今まで統治機構というと、議会と首長と行政、あと司法、警察とかということだと思うんですけど、住民をこの統治機構の中にどう組み込んでいくかということで、これは志木市の市民委員会をちょっと下敷きにしていて、州レベルでできるかどうかちょっと難しいかもしれませんけれども、議会とは別の形で直接住民の意見を、行政の運営のほうに反映させるために、原則公募の住民委員会を設置します。 これは、利害団体になってはいけないので、原則的には無報酬のボランティアです。任期も1年です。ただし何回までとか、あとお年寄りだからやめなさいとか、これは住民代表ですから、これは設けないということです。この役割は、ここもちょっと意見をいただきたいところですけど、条例とか予算、行政の基本計画、行政の事業執行、行政評価について、委員会の意見を表明したり提案したりすることができる。ただしこれは、法案の提案権とか、そういうものではなくて、議会・知事・行政は、この委員会の提言・意見については、可能な限り尊重し、かつ必ず回答しなければいけないという義務、住民の意見を直接尊重するという機会を提供するということを持つということです。 それから、あと住民セクターの力を、どう行政の統治機構の中に組み込んでいくかということで、一文入れたのは、NPOや市民団体・企業も含めてですけれども、多様な主体が参加・共同できる。行政は、行政そのものも仕組みが変わるわけですけれども、これらの主体が実施可能な業務については可能な限り、公正な競争のもとに委託をしていこうということです。 それから司法は、書いてあったんですけど、これは別の法律で定めるとされていて、そうなんだろうと。難しいですからね。ただ、国の最高裁判所の下に沖縄自治州裁判所を設置すると。このへん裁判の仕組みが全然わからないものですから、やはりいろんな人の権利を守るために、今の地裁・高裁・最高裁という仕組みはそれなりに機能していると。時間かかりますけどね。これが一審で全部終わってしまうとか、一審と最高裁だけで終わってしまうというのがほんとにいいのかなと。ただ、沖縄自治州高等裁判所、自治州裁判所というのも何か変な感じがしたので、一つの自治州裁判所の中にこんなことが可能かどうかわからないですけれども、高等法廷と地域法廷みたいなものを設けたらどうなんだろうかと。全然よくわからないので、そういうところは法律でよく定めましょうということです。それと裁判のことを考えて、ちょっと自分的に入れておきたかったということで、国の裁判官と検事は、これを育成するのはやはりそれなりのノウハウとか、あと公正性を保つためには人の入れ替わりも必要ですから、これは国の全体の機構の中に委ねていいのではないかと思っています。 ただ弁護士に関しては、外国の弁護士であっても、これはもうどこの国を認めるということではなくて、一人一人の人を申請があれば必要な要件があるかどうか審査して、弁護士資格を認めてもいいのではないかということが一つ。 それから、この沖縄自治州裁判所の役割ですね。先の条例上書き権に関する裁判が起こった時に、これを国の最高裁で裁いていると、そこを決めているものの統治機構からちょっと逸脱してしまうので、あとプラスする役割として、その条例上書き権でされた法律の裁判については、沖縄自治州裁判所内で結審する。これは、元案かな。G3案から持ってきましたけれども。その際は、国際的な人権保障の水準を念頭に独自の判断をしますよというのをうたったら、いろいろいいんじゃないかと入れました。 それから警察も、ちょっとこれもわからないところなんですけれども、触れないとこの統治機構に満たされないのかなということで一応入れているんですけど、沖縄の警察は、今の全国警察ではなくて地域警察としましょうと。ただし、犯罪はもうすごい広域化していますから、それだけだと沖縄が犯罪天国になってしまう可能性が高いと思いますので、これに関しては全国警察と、現状と同じような形で協力して行うとともに、沖縄での犯罪の犯人が県外にいる場合もありますから、地域警察ですけれどもその逮捕権は有する。こんな勝手が許されるかどうかわからないですが、そういう形にしたい。 それを、地域警察に成り立たせるためには、本部長、幹部職員ですね。これは今の沖縄県警というのは、ご存知かと思うんですけれども、本部長とか、幹部職員は、国のお巡りさんとしてくるわけですけど、ほかのお巡りさんは沖縄の公務員なんですね。そういうことで、実際沖縄県がお金を出しているにもかかわらず、沖縄県の統治の及ばないところに警察があるものですから、それは自治州職員として知事が任命するという形にしてはどうかと。 以上です。ちょっと書き出したら、勢いに乗って書いてしまって、収拾がつかなくなっていますけど、統治機構として定義する範囲というのはこれぐらいかなと。今、統治機構の欄がこの7で一括りにしているんだけれども、統治機構という言葉は消して各項目として議会とか、行政とか、住民とかというのを1項目ずつにしていったらいいのかなというふうに思っています。以上です。何かご意見お願いいたします。 ○佐藤学氏 順番に議論していくべき、検討するべきものだとは思うんですけれども、この中で、一番衝撃的な提案なのは、行政職員のところじゃないかと思います。これから検討するわけだけれども、私はこの考え方を何とか生かす方向でまとめられないかなと思いました。 特に、若い学生たちと付き合っていると、沖縄県内で、行政職員の立場というものが、非常にいびつになっている現実を見るわけです。だから、曽根さんの提案は、これは様々な意味で波及効果があっていいんじゃないかと。行政あるいは自治州の構想だけではなくて、行政の外の経済への効果ということも、大いにあるのではないかと思うのです。まあ、どういう形になるかわからないし、法律的な義務の問題等を考えなければいけないので難しいのだろうけれど、私はこれは生かしたいと思いました。 ○曽根淳氏 では、1項目ずつやりますか。佐藤さんありがとうございます。 では、返って、前文のところはいいですよね。こういうのが入ってくるんですか。 (発言する者あり) どこかに定義されるのだったら、これは取ってしまっていいと思っているんですけど。 (発言する者あり) では、これは次回ということでですね。では、議会のところからお願いします。 ○島袋純氏 G2の会合で、あと佐藤学さんと藤中氏がいたと思います。G2の会合に。いなかったですか、いましたよね。それでG2の仲地先生、高良鉄美先生、照屋寛之先生もいらしたかな、その中での合意ですね。それについてお話しておきます。 議会に関しては、いろいろかなり議論したんですが、一つは、議会は一院制にしないで二院制にするんだけれども、現行の沖縄県議会よりは安くつく。しかも人数が少ない。そういったイメージでつくらないと、今の世の中では合意できないだろうと。 一つは、二院制にして一方で明白に地域の代表。市町村ごとに長が、議員と首長は直接公選ということが憲法上の規定なので、間接的に選ぶことができないんですよ。ですから、長を持って第二院の議員にすると、選挙は1回で済む。それから給料払わない。長の役職の一つとしてやればいいんで、第二院は首長、しかも地域代表。月曜日から金曜日は地元で仕事して、土曜日だけ那覇に出てこいという形ですね。 それから、なぜ第二院は全県区にしたか。選挙の原理として、二院制にする時、まったく異なる原理で成立しないと意味がない。第二院が地域からの代表ということで明白に規定されるので、第一院は全体的な、沖縄全体から例えば職業だとか、職能的な利益だとか、そういった地域を代表する原理とは全く別の原理で選ぶ必要があるだろうということですよね。ですからわざと全県区。これも今の選挙区で選ぶというのは、いろんな国会議員等の選挙の弊害というのはある程度は念頭に、まずいなというのはあって、それでどちらかにいかないといけない。G2では全県区という答えを出していたわけです。 そして、確かに常時開設でも、52回しかないというのは確かにそのとおりですね。今の議会より開催数が少なくなるのかと言われてしまったら、なるほどそうだったなと思ったんですけど。毎週常時開催であれば、何か継続して議論は続くのではないかというようなイメージでした。日数に直したら、思ったより少ないなというのは確かに言えているんですが、常設とすればかなり話が進展できるんではないかというイメージでした。それぐらいしかおそらく議論しなかったと思います。 それから任期に関しては、当然ながら第二院、上院のほうですね。第二院のほうは、市町村長がクビになったら終わりですね。ですから全く一致していると。問題は、代理出席を認めるかどうか。これについて議論をしたんですよね。それで、認めるという方向でしたっけ、何かそんな感じだったと思いますよ。土・日に島で何かがあるといった時に出席しないといけないからとか、いろいろあって、それで代理出席というのを認めようという話だったと思います。 それから上書き権に関しましては、北海道の知事につついて、いろいろつついたら、もう北海道は上書き権という言葉使うのをやめたらしいですね。基本的に政令の大綱化を図ることによって、道州の条例が今の省令を上回る権限を持ってしまうがゆえに、もうそれでいいんだということで、北海道では上書き権という概念使わないということで言ってました。だから、こちらが上書き権と書いて北海道が使わなくなったので、ちょっと通じていくかなと心配があるんですけど。僕のほうはそれは西尾先生なんかに言われたから後退したんじゃないかなと、北海道は。明白に上書き権という概念をつくって、強行に押したほうがいいんじゃないかなという気がしてるんで、こっちは賛成ですね。ですから議会に関しては、一番問題になるのは、完全小選挙区制にするか、あるいは全県区にするか、このどちらか選択。 ○曽根淳氏 全県区にした場合、普通考えたらわかると思うんですけど、人数比が都市と地方では違うわけですよね。だからそのまま普通選挙をやったら、都市の人気投票になってしまうと思うんですけど。 ○島袋純氏 それも議論したんですが、そのために二院があって、多良間でも1人は代表を出せると。だから今よりまともになるんじゃないかという話です。今よりまだいいんじゃないかという話です。 ○新崎盛幸氏 いろんな角度から代表を選出すると、いろんな声が挙がるという意味でもいいと思うんですけども、物理的な話ですけども、市町村長が地域代表という形で、自動的に選出ということになると、市町村長は市町村でも議会をやらなければならないし、さらに、州議会でもやらないといけないということになります。市町村長はただでさえ忙しいですよね。結局、物理的に難しい面が出てこないかと思います。また、これに対して代理出席が可能となると、選出の意味合いが薄れてきて、議会がある意味で形骸化するような方向に進まないかという危惧もあるんですが。市町村長に限ってしまわずに、地域の代表という形でとりあえず押さえておくという形でどうですか。市町村長に限ってはどうしても物理的に出席が難しくなり、まともな議論がなされるかどうか、そのあたりが危惧されます。 ○曽根淳氏 確かに沖縄は地理的要因があって、南北大東村長に毎週来いとか、毎晩来いとかといっても無理あるし、これはよく考えないといけないですけど、じゃ、代表とした場合に何で選ぶのといったらやはり選挙になっちゃいますよね。 ○佐藤学氏 この時の議論を思い出すと、要するにどうやったら金の負担をかけずにできるかということが、中心的な話だったんですね。それで、さっき島袋さんがおっしゃったように、選挙も二度手間がかからないし、給料もないということだったのです。それが大きな理由でした。首長は、ただでさえ自分のところの議会との対応も忙しいということは、今のままなら確かにそのとおりなのだけど、こういう仕組みを前提にしてしまえば、あとのことは自治体のほうで構築する、市町村のあり方自体も変えることを期待する、ということがありました。 もう一つ、二院をつくるという点で、違う代表原理で議員を選、二院を構成するというところまでは議論したんだけど、じゃその二院の関係をどうするのかというところは、議論してないですよね。だから、どちらがどういう権限を持って、どちらが専決権をもつのかという話はしないまま時間切れになりました。それを本当は話し合わなければいけなかったんだなと思います。それがないと二院はどういう関係なのかがわからないですよね。 曽根さんの提案の中の議員の任期は3期までというのがあって、議員の任期制限を定めるのには議論が二つあって、行政職の行政の長の場合には、権限が集中するから、これは2期なり3期なりというのは合理性があるけれども、議員の場合はどうなのかと。アメリカの州議会議員の任期が例えば2期までという限度を決めた州が、カリフォルニア州だったかな、あるんだけども、そうすると議員が専門性を蓄積できないままに終わってしまうので、議会全体として専門性が衰えてしまうという議論があります。しかし、行政職員も任期制だということになれば、僕はこれは釣り合いが取れるのかなという気がします。 あと与太話をすると、大体沖縄の市町村、1年の週と同じぐらいの数があるけれども、そうすると上院は、各自治体で毎週持ち回りにする。みんな毎週違うところで上院をやるというのは、これは地域振興にもなるし、どうですか。旅興行みたいに毎週毎週違うところでやったら、あちこちにお金も落ちるしどうかなという案はどうでしょう。 ○新崎盛幸氏 経費の面から市町村長という位置づけということですけども、やはり、これから住民自治を発展させるという意味合いからしたら、余計に市町村長の職務の時間が増えていくと思うんですよ。別に市町村長に限らず、例えば議長とか、議会の代表でもいいんじゃないですか、同じ公選制であるというので、どうでしょうか。 ○玉城和宏氏 多分、集まって会議をもつという物理的な現象に今直面しているわけで、インターネットとか、テレビ会議とか、現実的にはそういうことの可能性もあるので、もし、そういう情報の認証という部分、実際、その人がそこに出ていますよという認証部分が確定するのであれば、インターネット会議みたいな形での参加はオーケーであると。ただし原則は、直接本人がここに来てやるべしという、そういう折衷案的な。 それから、もし持ち回るんであれば、そんなに頻繁に回ったら大変でしょうから、ある程度周期的に、期間を決めてやられたらいかがでしょうかね。 ○曽根淳氏 そのへんというのは、実は運営の方法で、例えば上院は毎週やらなくてもいいんじゃないかと いう考え方もあるわけですよね。さっきみたいに回り持ちするとか、あるいはインターネットを活用するとか、そこまで含めて全部制度設計して、それで二院にしますというのはなかなか難しいので、そういう弊害を考えても二院はやめて、地域代表の一院の公選にするか、あるいは仕組みの工夫は後で考えるとして、とにかく二院を持つんだというふうにやるかなと思ったんですけれどもね。 ○島袋純氏 思い出しました。議長の選出が住民による直接公選ではなくて、議会内の議員同士の互選という形になるので、それがひっかかったんじゃないですかね。議員は直接公選なんだけども、それは要するに市町村議会の議員を選んでいるだけであって、議長はどうやって選ぶかといったら、別に議長として住民が選ぶわけじゃなくて、そうすると間接になる。直接公選と書いてあるんですよ、直接。それで、議長はだめだという話だったと思います。だから、首長は直接公選なので、それで兼職して可能なんですよ、直接公選なんで。多分そういうことだったと覚えてます。 それから、上院と下院の関係のあり方で、日本型はすべて同じ法律を全部下院も上院も議論して、差し戻し権というのがあって、もし上院が否決すれば下院にもう1回戻して、可決すれば最終的な議決権ということで、下院の議決が優先するという形なんですけれども、もしかしたら役割の分担、例えばアメリカの議会というのは、条約の批准権は上院が持つという形で役割分担させている部分があるわけですよね。もちろん共通の予算の部分とか共通なんですけれども、ですから、もしかしたら、役割の分担ということで、上院に関しましては、この権限について議論すると、限定することによって、役割分担を図ることができるかもしれない。 そうなると、上院というのはもしかしたら役割の与え方によっては、形骸化するかもしれないし、地域の問題にと言って、そういう危険性はあるんですけれども、特に下院と上院と役割分担し、明示化することによって、関係はわかりやすくなるし、下院においては、より充実した条例提出権と予算編成権を、下院に集中させて持つことはできるかなというイメージです。ドイツの連邦参事院がそうなんですよ。参事院というのは、基本的に州の代表で州政府が選んでくるんですよね。州の執行部が選んでくる人たちなんですけれども、これは重要になるのは、州に関わる事柄についての決定権を持つわけですよ。一番重視されるのは、ここで言えば、もし道州が交付税・交付金の配分の権限を持つ、あるいは道州が市町村の税金に関して何かしらの権限を持つとするならば、この上院に関しては確実に置いておかないといけない。その税あるいは交付税・交付金についての議論を、こっちに率先的に与えないといけないというイメージですね。 僕の発想は、基本的に道州・自治州で交付税・交付金の再分配も行う。もう沖縄の市町村は遠くに行かさないという発想をしてるんで、だから上院は、その点に関しては非常に重視されるものだなというイメージです。ですけど、これについては、ほとんどあまり話をしなかったですね。上院が、要するに交付税・交付金の配分に関して、自治省の交付税課がやっているようなことについて、今上院が決めるという議論まではしてなかったと思います。 ○新崎盛幸氏 直接選出という位置づけがされているんであれば、これを裏返して読めばそれだけ直接民意を反映した代表を送るという意味ですよね。というのであれば、先ほどの代理出席制度というのは、絶対認められないんじゃないですかね。あってはならないことではないのでしょうか。 ○曽根淳氏 それは、もし役割分担をして、集まるのは年に数回ですよということであれば可能なのかな、直接代表でも。やっぱり、それでも難しいのかな。 ○玉城和宏氏 だから、基本的には、どのくらいの量の議題が上がってきて、どういうプロセスがそこに必要かという質の問題に言及せざるを得ないと思うんですけれども。だから、もし情報公開というか、何を審議しているかというその途中経過もみんなオープンになるのであれば、やはり行政のいろんな経験をお持ちの人たちの場合だったら、そういう情報を流しながら、今、曽根さんが言われたように、週何回とか、非常に少ない回数であっても事前にデータが渡されていて、各自審議をして、これは調整の機能が必要だなということがおわかりのはずなので、短くてもいいかもしれないし、少なくてもいいかもしれない。 ○曽根淳氏 これは、ほんとは言ってはいけないのかもしれないんですが、今の議会は180日もやっているんですけど、ほとんどは情報公開もされていて、誰でも知っていることを違う人が毎年何回も質問して、それに対してまた同じことを何度もしてというので、ほぼこの長い時間の9割ぐらいを使っていて、議決議論に関する時間というのは、もうほんとに何時間というものなんですよね。だから、なかなかその現状と、また皆さんがイメージしている多様なイメージと整合性がとれないんですけど、先ほど言われた情報公開とか、共有とか、そういうのが前提としてあって、本当の議論と議決だけをするというふうにすれば、ほんとは時間はかからないはずなんですよね。 ○佐藤学氏 曽根さんの疑問で、日数の比較を出してくださったところで、そのことを伺いたいのですが、今の議会、県議会にしろ市町村の議会にしろ、それだけ時間をかけるだけの実質的なことをやってないんじゃないかと思うのです。そこまでひっくるめて全部変えてしまうための枠組みづくりということで、この二院制の提案ではあったんですね。あともう一つは、どなたが言ったのか忘れたんですけど、もっと話が大きくなって参議院無用論があります。国会が二院制なんだけども、代表原理が同じようなもので、役割分担もない、二つ意味がないんじゃないかというのに対して、沖縄自治州がこうやって明確に異なる二つの院をつくることによって、国会のあり方にまで影響を与えようみたいな議論もあったのです。だから、今までの議会のやり方を続けていくとすれば、これは不可能であるかもしれないけども、これを作ってしまうことによって、それで市町村の議会のあり方も変えていくねらいがあった。今おっしゃったような、本当に必要なことを話し合う場の議会、セレモニーとしての同じ質問をする場ではなくて、真の議会を作ろうという目的があったのですね、この提案には。 ○曽根淳氏 それは議会の役割で規定されると思うんですけど、今の議会が質問になるのはしょうがないです。それは議会には予算編成権もないし、条例提出権もないから、行政のチェック機能としての議会の役割を果たすために質問を皆さんされていて、それが無駄だというわけではないんですよね。内容を精査してほしいだけで。ここでは、明らかに自治州議会の役割というのは、条例を提出するということと、予算編成するということにしていますから、そのためには実質的な議論が必要な場になるであろうということは言えると思います。 ちょっとこれ、話がおもしろいので、いつまでやってもきりがないんですけれども、一院でやるか二院でやるかはまず決めたほうがいいのかなとは思うんですけど。まだ、さっき佐藤さんが言った国会の問題というのは自分も思ったので、一院にしたほうがいいんじゃないかと思ったんですけど、さっき島袋さんが言った役割分担をするということをうたって、下のような機能があると。役割分担の中身まではちょっと決められないと思うんだけど、上院は道州全般に関わることを担うというようなところで役割分担するということで… (テープ1本目終了) …なんです。 ○佐藤学氏 逆に言うと、小選挙区制にするとどうしても二大政党制あるいは単一政党制に収斂する事になってしまう。政党政治ではない形の議会を想定すると、小選挙区制はまずいかもしれない。また、政党政治であると、はたして沖縄県内の意見あるいは利益を集約するのに二大政党制で大丈夫なのか、明確に二つに分かれるか、あるいはそういう形での編成が望ましいのかというところが疑問なんですね。全県一区で大丈夫かって話、どうなんでしょうかね。人口135万人でしょう。有権者100万人、定数をいくつにするかなんだけど。とにかく、多良間でも1議席という上院があるので、下院は人口要件のみで決めてしまっていいのではないかという話ではあったのです。そこが選挙制度の一長一短で、あっち立てればこっち立たずみたいな話なので、何か考えなければいけないところですけれども、私としては上院がそういう形であるから、下院は人口要件で全県一区で構わないんじゃないかという気はします。 ○曽根淳氏 固執するわけではなくて、全県一区でもちゃんと上手に選挙をやる仕組みが工夫できるのであれば、要するに1票として地域の人の投票も反映されるような、ちゃんとした選挙のやり方ができるのであれば、別に地域代表ということでなくても、さっきの対比という面ではいいのかなとは思いますね。そうしておきますか、今回は。 ○玉城和宏氏 ローカリティというか地域性を表現してほしいという住民の希望を入れる。そして、地域住民の希望が入らない限り、よその地域の人は、その地域の特殊性というのを認知できないわけですよ。認識できない。だからそれを代弁するような吸い上げのシステムがない限り、こういう小さい局所的な部分のところを、全体の人たちが認識し得ない部分がでる。だから例えば二大政党制という話がありましたけれども、それはたまたま多数決という現在の数の論理だけのシステムが横行している解釈の中での話なので、やはり将来、何党、何党は何をやるという主張をまとめた全体主義的な、それに近いような部分のではなくて、各地域をよく理解し、将来性のある特色あるビジョンを出してくれるような人たち、パーティー、あるいは党でもいいんだけど、そういうことを実施できるシステムとしては、地域局所的な小選挙区制みたいな部分が必要なのではないかなと思いますけどね。個人的な意見として。 ○島袋純氏 これはやり方としては、基本法の中には二院制とする、それから上院に関しては州内の市町村により公選させるという部分と、下院に関しては住民により直接公選される議員というのを入れておいて、後は自治州の条例によって定めればいいのではないですかね。議論によって。実をいうと、憲法にも選挙のあり方について規定はないし、それは公職選挙法とか国会法によって決められていることなので。そして、任期制に関しても、今の中央での国会でも議員任期制が問題になっているんですけど、これも国会法なり、公職選挙法なり、あるいは自民党の党内で自分たちの協定みたいでやるかもしれませんが、その事項なので、そっちにそれも落として、こっちには上げない。必要な部分は、州議会の権限と相互の関係が後は規定する必要があるので、上書き権は残して、それから条例提出権と予算編成権、独占するのではなくて編成権を有するぐらいでいいと思うんですが、その文言ですね。それを入れればいいのではないですか。通年制だとか、実を言うと土曜開催とかこういうのも、本当は道州の条例レベルで落としていいこと、運営上の問題などは、もうなるべく落として、それでいいのではないですか。 ○曽根淳氏 ただ、あえて書いたのは、議論のためでもあるんですよね。こういうイメージを持って、統治機構を想定してほしいと。この今回のモデル案の役割を考えた時に、どこまで残してどこまで落とすかというのが大事なのかな。ただ、別に今ご指摘のあった選挙制度と任期、土日開催もですけど、取ってもいいことはいいと思いますけどね。 |