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2014/03/28(金)02:29

小樽築港事業 ○質疑及び問答(抜粋)

広井勇&八田與一(2163)

  ○質疑及び問答(抜粋) (略)問(近藤君)先刻の船のトン数と坪数の勘定は一か月三十万トン、そうすると一日平均一万トンで、それが百十万坪ですか。答(広井君)一日の入港の平均が一万トンで、一時に港内に停泊している船舶の最大数が十万トンとみなしております。問(近藤君)そうすると一トン十坪として百万坪あればよいわけでありますな。答(広井君)その計算であります。一トン十坪はよほど余裕のある計算であります。 問(坂君)それは船の大きさの平均によりますか。答(広井君)小さい船ほど場所を余計取ります。大きな船はその長さの二倍半の方形に当たる坪数とみなして大差はない。問(某君)今の十坪一トンというのは平均どのくらいの船ですか。答(広井君)総ト五百ないし千トンくらいになっております。 問(佐藤君)塊に用ゆる砕石の大きさは皆たいてい同じくらいでありますか。答(広井君)砕石は機械で割りますけれども、たいてい一機に行きます。問(佐藤君)何寸くらい。答(広井君)径二寸くらい、それに砂利を加えます。 問(佐藤君)そうするとその方法はまず砕石と砂利と混ぜますか。答(広井君)それは機械外のものと同時に混ぜます。問(佐藤君)モルターに砂と水は皆別々に入れますか。答(広井君)別々に入れるようになっておりますが、砂は細くて混合が巧く行きませぬ故にセメントと砂は別に混ぜて置きます。 問(佐藤君)それは手で混ぜるのですな。答(広井君)そうです。それで更に機械で混ぜて水は機械の中で噴水するようになっております。コンクリートの全体の一割二分くらいになっております。問(松浦円四郎君)防波堤は一方は陸から出て、一方は途中から出ている。そのできるべき防波堤は途中から出て海岸から出して無い。あれはどういうお考えからおやりになったのですか。答(広井君)これはつまりここまでやる必要を認めておりませぬから工費をなるべく残ずるという積りでやった。一つはここの潮流の通いてよくする積りであります。これは将来これほどの港をすっかり塞いでしまうと汚くなる恐れがある。それには潮流の疎通をよくするよりほか、仕方がないのであります。 問(佐藤君)防波堤の間は何ぼ隔たっておりますか。答(広井君)九百尺であります。問(佐藤君)水面で九百尺ですか。答(広井君)そうです。問(佐藤君)そうするとこっちの先きと陸地はどのくらいあります。答(広井君)これは三千尺ばかりあります。 問(佐藤君)それは船舶は通らぬのですか。答(広井君)小さな船は通れますが、大船は通れませぬ。だいぶん浅いのであります。問(佐藤君)潮流はおもにどちらからどんなことになっております。答(広井君)潮流は一定しておりませぬ。今まで段々やって見ましたが、まずこういうように来て、ここから出て往きます。(図を指す)風がありますと変ります。それはなぜだというと干満がほとんど無いから潮流が極く微弱であります。風の強い時に、僅かに四五寸くらい動きます。 問(佐藤君)海底に砂の溜ることは十年来のご経験で無いということでありましたが、防波堤ができて後はどうでございます。答(広井君)後も極めて少ないものと認めております。なぜというに、こちらはほとんど断岸絶壁で誠に砂の移動が少ないのであります。問(松浦君)その港に注入する川が海岸に土砂等を流して浅くするような憂いは無いのでございますか。答(広井君)それは防砂工事がやってありますから、あっても極く僅かです。問(松浦君)防砂池は年々浚渫するのですか。答(広井君)年々とは限りませぬ。あるいは数年に一度と思います。 問(某君)陸から出ている防波堤は長さは何尺でありますか。答(広井君)四千二百五十尺です。問(某君)島堤は。答(広井君)五千尺。問(某君)それは今度の二百何十万円の中には入っておりませぬのですか。答(広井君)入っておりませぬ。 問(某君)現在のは何十万円です。答(広井君)二百十八万円です。問(某君)中で浚渫することも行かぬのですな。防波堤だけでありますな。答(広井君)そうでございます。

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