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2017/10/30(月)19:24

北村啄子 役・鈴木京香 インタビュー 啄子はてんを叱りつけることが多いので、怒り方にもいろいろなバリエーションを考えています

イマジン(3168)

北村啄子 役・鈴木京香 インタビュー 連続テレビ小説 わろてんか (略) Q.ご自身の役柄についての印象や、演じるうえで楽しみにしていること、役のここに注目してほしいという点などはありますか? 啄子は、例えるなら“洗いざらしの木綿”のような人です。なめらかな手触りの人ではありませんが、きちんとしているので、はたから見ると完璧な女性に見えるかもしれません。でも、決して高級な、気取った人というわけではなく、苦労を知っている人で、「質実剛健」という言葉が似合う人です。一生懸命働いて、女中(女子衆)さんの面倒も見て、子どもを育てながらここまで暮らしてきた女性です。厳しいように見えるけれども、誰に対しても分け隔てなく接し、飾ったり取り繕ったりすることもない人柄なんだろうと思います。 私は方言で演じるお仕事が大好きで、今回、啄子の役をいただいたとき、船場言葉を話すというのがうれしかったんです。市川 崑監督の『細雪ささめゆき』が大好きで、何度も繰り返し見てきたので、船場言葉の優しい抑揚のつけ方や、おっとりした語り口に憧れていました。いつか船場言葉を話す役をやりたいなと思っていたので、うれしい反面、私が抱いていたイメージとの違いに戸惑いました。啄子は、ご寮さんとして本当に苦労してきた人であり、自分が矢面に立って米問屋を采配しなければならなかったので、どうしてもぶっきらぼうな厳しい言い回しが多くなってしまいます。憧れの船場言葉のたおやかさを消したくないと思いつつ、啄子ならもう少し厳しい口調なのかなと、最初のころは心の中でせめぎ合いがありました。 啄子は、生っ粋のご寮さんではないので、おそらくこの時代の船場の女性としてはあり得ないような大ざっぱなところもあります。そのため表情や所作などを多少崩しても大丈夫かなと思っているので、そういう面では楽しんでいます。また、啄子はてんを叱りつけることが多いので、怒り方にもいろいろなバリエーションを考えています。この時代の女性を演じるうえでは、受動的なお芝居が基本になるのですが、啄子は能動的に動く人。考え方も進歩的ですし、演じていておもしろいところです。 Q.てん役・葵わかなさんの印象は? ヒロインの葵わかなさんは、本当にしっかり頑張っていて、私がヒロイン・真知子を演じた「君の名は」で、自分はここまでできていなかったかもと毎日思っています。葵さんに初めてお会いしたとき「なにかあったら、なんでも聞いてね」とお話しして、現場での頼れる先輩になりたい、励ましてあげられたらいいなと考えていました。でも、そんな必要はないぐらい、彼女は本当に聡明で、そのしっかりした立ち居振る舞いに、私のほうがハッと気づかされることが多々あります。役のうえでは厳しく接している分、「いやぁ、てんちゃんかわいいわぁ」と、ふだんは本音を伝えるようにしています(笑)。誰に対しても笑顔を向けられるということは、本当に大事なこと。てんちゃんの明るさと心の優しさは“朝ドラ”にぴったりですし、葵さん自身、ヒロインとして笑顔を絶やさずに現場にいるので、役柄とご本人のイメージが重なっています。

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