GAIA

2017/11/14(火)06:59

地球史に「チバニアン」誕生へ 日本の地質学において大きな一歩

ネイチャー(4210)

地球史に「千葉時代」誕生へ 日本初の地質年代名、審査でイタリア破る はじめての方も安心のマンツーマン英会話。産経オンライン英会話 [PR] 文字の大きさ 小中大印刷 2017.11.13 14:01 【チバニアン】 地球史に「千葉時代」誕生へ 日本初の地質年代名、国際審査でイタリア破る 地球の歴史で約77万~12万6千年前の年代が「チバニアン」(千葉時代)と命名される見通しになったことが13日、関係者への取材で分かった。この年代の基準地として千葉県の地層を国際学会に申請し、命名を目指す日本の研究チームが、競合するイタリアを一次審査で破った。週内にも発表する。正式決定すれば地質年代に初めて日本の名前が付く快挙となる。  日本チームとイタリアの2チームは6月、この年代の国際標準となる基準地の地層を国際地質科学連合にそれぞれ申請。各国の専門家で構成する作業部会が審査し、今月10日を期限に投票を行った結果、日本が全体の6割以上の支持を得て候補地に選ばれた。  来年にも見込まれる正式承認までさらに3段階の審査があるが、過去に作業部会の結論が覆ったのは例外的なケースだけで、事実上の決着となった。  日本は国立極地研究所や茨城大などのチームが千葉県市原市の地層を基準地として申請。ラテン語で千葉時代を意味するチバニアンの年代名を提唱した。イタリアは「イオニアン」の年代名を目指して南部2カ所の地層を申請していた。  地球の歴史を区切る地質年代は、中生代や白亜紀といった大きな区分の名称が既に決まっているが、小さな区分は未定のものがある。今回の年代はネアンデルタール人が生きていた「第四紀更新世」の中期に当たり、命名の行方が国際的に注目されていた 候補に「チバニアン」、決め手は地磁気逆転の痕跡と年代 中山由美2017年11月14日 地球の地質時代の境界を代表する「国際標準模式地」候補になった千葉県市原市の地層「千葉セクション」。決め手は、そこで確認できる地磁気逆転の痕跡と年代だった。  地球は大きな磁石だ。過去に何百回もN極とS極が入れ替わっており、最後の逆転が起きた時期の特定が課題だった。  磁力をもつ鉱物が含まれる岩石を調べれば、その時代のN極とS極の向きがわかる。千葉セクションは240万年前から50万年前までの地層が観察できる希少な場所で、磁場逆転の痕跡も確認できることで、海外の地質研究者からも注目されてきた。国立極地研究所の菅沼悠介准教授らはこの地層の堆積(たいせき)物を分析し、最後の逆転が77万年前だった証拠をみつけ、2年前に発表した。  成果を踏まえて今年6月、極地研や茨城大など22機関の研究者グループは千葉セクションが模式地にふさわしいと国際地質科学連合の専門部会に提案。この境界で区分される新たな地質時代を「チバニアン」とするよう申請した。イタリア南部の2カ所についても申請されたが、9カ国16人の専門家による作業部会は、今月上旬までの投票で千葉を選出した。上位組織での審査がまだ3回残っており、正式決定までは1~2年かかる見込みだ。  菅沼准教授は「最終候補に選ばれて大変うれしい。日本の地質学において大きな一歩。正式決定までがんばりたい」と語った。(中山由美)

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る