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2019年07月16日
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カテゴリ:イマジン
「忘れられない『母の味』」C.W.ニコル・アファン

「ビューティフル、ドリーマー・・・」
https://www.youtube.com/watch?v=8DR7rE3nIDg
 母は、とっても歌が好きでした。料理や洗濯をしながら美しい声で奏でていました。
 でも、どちらかというとロマンスの世界に飛んでいる人だったかな。
「おかあさん、煙!焦げてるよ!」
 何度も、そういうことがありました。ゆで卵は水分が蒸発して、煙を出しているしね。・・・

 母の父、ぼくのおじいちゃんは、12歳から炭鉱で働いていた人なんです。とっても気が強いおばあちゃんとの間に4人の女の子をつくった。ぼくの母は、その2番目。
 ウェールズは当時、みんな貧乏でしたけど、とっても温かい家族を作っていました。
 ところが可愛くて美人の母が、イングランドの貴族出身の男性からプロポーズをされたんです。身分が違う。しかもイングランドとウェールズは、何度も戦争してきた歴史がある。
 貴族の親や親戚は、結婚に大反対。うちのほうも怒って大反対。それで、ふたりは、駆け落ちをしたんです。
 結婚したときには、ぼくはお腹の中。それだけ愛し合っていたふたりだったのに、戦争が引き裂いたんですね。ぼくが赤ちゃんのときに、父はシンガボールにイギリス兵として行って、そのまま帰ってこなかった。
 
 母は、夫が日本との戦争中に死んだことから、ずっと日本を憎んでいました。
 ぼくが、柔道を習い始めたときには、とっても怒りました。
 日本に来て、日本女性と結婚するときも、大反対でした。

 そんな母が、日本びいきになったのは、ぼくの空手の先生にイギリスでであってから。その先生、強いだけでなく、背が高くて、ハンサムで、礼儀正しい。
「こんな素敵な男が、日本人にいるなんて!」って、そういう、人。

 母のことは愛していた、けど好きじゃなかった。でも、ぼくの中にも、母は生きています。歌が好きで、花が好きで、詩が好きで・・・。
 私財を投じて森の保護を始めて、アファンの森に、花がいっぱい咲いたときがありました。スミレでした。
(あ、母が好きだった花・・・・・)
 母が天国からほほえんでくれているようで、嬉しかったね。

イングランドの貴族出身の夫が日本軍と戦いでなくなった後、ニコルさんの母にいろんな男が寄ってきた。それほど美人だったという。
ニコルさんは、ことごとくそうした男達にイタズラをしては追い払ったという。

 特にポマードをべたべたつけて、プンプン臭いをさせてくる男が訪ねてきたときのエピソードは痛快である。
お母さんは「ちゃんとお行儀よくするのよ」とニコルに強く言いつけていた。高価なカップで紅茶を入れてもてなす。イングランド流に、先にミルクを入れてから紅茶を注ぐ。

 ぼくは、誰も見ていない間に、そっとミミズを入れたの。ミルクの色で、わからない。
 そのポマード紳士が、紅茶を飲むと、「うん!?」

「きゃあ~」母の絶叫が響き渡るころには、ぼくはうちを飛び出して逃げていたね。」

 ニコルさんが12歳のときに、海軍の男性が現れた。
ひと目見たときから、「この人と結婚して」と思ったほど、カッコいい男だった。
ニコルさんのお母さんは、思ったとおり結婚して幸せだったが、ニコルさんも幸せだったという。
父が航海から帰ってくるたびに、港に迎えに出て、子犬のようにつきまとった。
お母さんは「あっちに行っていなさい。」と追っ払おうとする。
父はパブが好きで、機嫌よく帰ってくると、踊り歌う陽気で、羽目をはずすこともある おやじ だった。
 でもニコルさんのお母さんは、身なりも態度もきちんとしている男性が好きで、すぐに口論になった。ニコルさんはいつもおやじさんの肩をもって弁護していたという。

*「夢路より(夢見る人)/Beautiful Dreamer」は、19世紀アメリカの音楽家フォスター晩年の作品。死後まもなく発表された彼の遺作。

Beautiful dreamer, wake unto me,
Starlight and dewdrops are waiting for thee;
Sounds of the rude world heard in the day,
Lull'd by the moonlight have all pass'd away!

Beautiful dreamer, queen of my song,
List while I woo thee with soft melody;

Gone are the cares of life's busy throng,
Beautiful dreamer, awake unto me!
Beautiful dreamer, awake unto me!

眠れる美しき人よ、目を覚まして私のもとへ来て
星の光と夜露があなたを待っている
昼間聞こえるせわしない巷の物音も
月の光に静められ消え去ってしまった

美しき人、私が歌を捧げる女王
この優しい調べで、私の愛の言葉を聞いて

人生の悩みごとも皆消え去るのだから
眠れる美しき人よ、目を覚まして私のもとへ
眠れる美しき人よ、目を覚まして私のもとへ





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最終更新日  2019年07月16日 03時58分24秒
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