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カテゴリ:ネイチャー
ナノ粒子でがん細胞破壊 京大などのグループが新手法開発
10/1(火) 多くの微細な穴があるナノ粒子と特殊なエックス線とを使ってがん細胞を破壊する手法を開発したと、京都大などのグループが発表した。新たな放射線がん治療への応用につながる成果といい、英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に30日、掲載された。 通常の放射線治療で使われるエックス線は、がんの患部に届く前に一部が人体の細胞に吸収され、正常な細胞に悪影響を及ぼしたり、がん細胞を破壊するエネルギーが減ったりするなど課題がある。 京大物質|細胞統合システム拠点の玉野井冬彦教授や松本光太郎助教らは、がんの細胞核近くに蓄積する特徴のあるナノ粒子の小さな穴にレアアースのガドリニウムを付着させ、ヒトの卵巣がんの塊に取り込ませた。特殊なエックス線をガドリニウムに吸収されやすい大きさのエネルギーにして60分間照射したところ、ガドリニウムが放出した電子によってがん細胞がほぼ死滅したという。 ガドリニウム以外での効果も今後検証する。玉野井教授は「特別なエックス線を使うことで正常細胞への影響は小さくできると考えられる。他のがんの細胞でも高い効果が期待できるのではないか」としている。 がん免疫療法で新手法 京都大などのグループ開発 がんに対してうまく働かない免疫細胞を活性化させる手法を開発したと、京都大などのグループが発表した。ワクチンの考え方を応用し、がんに特徴的に存在するタンパク質を投与して、免疫を強化した。がん免疫療法の新たな戦略となるという。米科学誌に12日、掲載される。 2018年のノーベル医学生理学賞は、免疫チェックポイント阻害薬PD1抗体の開発に関わった京都大の本庶佑(ほんじょたすく)特別教授が受賞するなど、がん免疫療法への注目が高まっている。一方で、免疫療法の効かない患者の多さも課題となっている。 京大工学研究科の秋吉一成教授や長崎大の村岡大輔准教授らは、PD1抗体などを投与してもがんを治療できない種類のマウスを見つけた。このマウスを調べると、マクロファージという免疫細胞の一種の、がん細胞への反応が低下していた。 そこで、がんに特徴的なタンパク質を直径約40ナノメートル(ナノは10億分の1)の無数の粒子に包んで血中に投与すると、マクロファージの反応性が高まった。さらにがんだけを攻撃するキラーT細胞を投与したところ、マウスのがんの増殖を抑えられた。 村岡准教授は「新たながん免疫療法のアプローチとなり得る。免疫チェックポイント阻害薬などほかの治療法と組み合わせることもできるかもしれない」と話す。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年10月03日 05時41分08秒
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