じじい50の日記

じじい50の日記

井上円了・三宅雪嶺

仏教哲学者の円了は、日本の幽霊・占いなどを研究し、仏教の認識論に立って日本人を迷信・迷妄から解放する活動をした。
政府・官僚は、やみくもともいえる欧化主義を性急に推進していたが、円了らは日本にもともとある普遍的な合理主義の伝統を復権・強化することを目指した。

円了が属した「政経社」というグループは、東洋の伝統を重視して欧化主義を批判したため、国粋主義と見られた。

この団体の三宅雪嶺は、「偽悪醜・日本人」を著し、商業主義的頽廃に陥る日本の学者たち、そのほか、各界の弱点を厳しく批判した。
鉱夫の過酷な待遇に光をあて、「足尾鉱毒事件」を取り上げて警世の筆を振るったのも雪嶺たちだった。

雪嶺の娘婿・中野正剛は、東条内閣を倒そうと画策したとして迫害を受け、自刃しているが、政経社とは底通するものを感じる。


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