ぱん職人 シンヤ
東京時代 運命的なぱん屋の立ち上げプロジェクトに参加。その時 同僚であり後輩であり弟のような存在だったシンヤが来店した。当時 パンの専門学校を出たばかりの18歳の 茶髪の少年。ぱん職人の道を志す 夢見る少年だった。見るもの全てが ファッション感覚 すげェ~ かっきィ~(かっこいいの意味)とか無謀なことばを連発して この世界の洗礼を浴びるには もってこいのキャラクターであきれるというよりも、あまりの無邪気さに父性本能が働いて何かと世話をしてしまったそんな思い出の青年だった。 たった3ヶ月の付き合いだった。別れの時は おそらく長くは続かないと思った。案の定その後 2ヶ月後には 店を辞める。風の噂に 新しい店でやっていると聞いた。やってきた年賀状の返信に 3年はがんばれ と書いた。それから4年の月日が流れ 姿を現した シンヤ銀座の超有名店に飛び込んで求職をし 面接を受けて採用された。約束どおり 3年半はじっくりと修行をし 彼は動いたのです。ひとまわり大きくなたカラダ あの時とかわらない無邪気な笑顔は残っているもののきびきびとした言葉遣いに身のこなし。ひと目見れば彼がこの道を自分なりにしっかりと歩いてきたことがすぐにわかった。若干23歳。大きくなった。そんな彼を 笑顔で迎えられたことは うれしいことでした。でも それより嬉しかったこと。 彼がまだぱん職人の道をあきらめることなくあのときの純粋な心のまま ひとまわり大きくなった姿を見せてくれたこと。それが無性にうれしかった。彼から もらった 勇気のエネルギーは計り知れません。若い力はまだ生きている。そういう力を認めてあげて ほめてあげて 伸ばしてあげて 育ててあげる。仕事の中で わたしができる 命のつなぎ方 そういうものはきっとあると思う。ありがとう シンヤ感謝しかありません。