「THE THING(遊星からの物体X)」を観てみた。
【監督】ジョン・カーペンター 【出演】カート・ラッセル/ドナルド・モファット/ウィルフォード・ブリムリー/キース・デヴィッド/リチャード・ダイサート/デビッド・クレノン/チャールズ・ハラハン/T・K・カーター/トーマス・G・ウェイツ/ピーター・マロニー/ジョエル・ポリス/リチャード・メイサー 元々は「遊星よりの物体X」っていう50年代に製作されたかなりクラシックな作品のリメイクなんだけど、オリジナルよりも設定をより複雑にすることで、見事にホラー性、サスペンス性を増幅させていると思う。 人や動物の体に乗り移りながら生き延びていくというその“もの”(ザ・シング)の設定は、後に様々なSFホラー・サスペンス映画に影響を与えたと思うけど、やっぱり本作を越えた作品は未だに無いように思うな~。もはや本作はリメイク作品でありながらも、あらゆる側面でオリジナルを越えてしまってるし。 その“もの”は人間に乗り移り、いつの間にかその人間にすり替わってしまう。周囲の人間にとっては乗り移られた人間が果たして“本人”なのか、それともその“もの”がすり替わってしまった“偽物”なのかは決して分からない。そして皆互いの存在が信用できず疑心暗鬼になっていった時・・・。 本作では人間の心の弱さや葛藤といったものが巧く描写されていて、ホラー映画を題材にしながらも心に訴えかけるものがある。単なるホラー映画というジャンルには収まりきらない懐の深さがあるからこそ、本作を真似た作品が、後に数多く登場することになるのだと思う。何度観てもイイものイイ! まさにそんな感じの逸品。 【jinanbo2's thumbs up】☆☆☆☆☆☆☆☆★★