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2008.01.07
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カテゴリ:彩の国 石仏閑話
 所沢市荒幡に、自然地形を利用してつくられた大きな富士塚がある。その麓に建つのが写真の石碑だ。全体に麗雅な彫りで、建立者名は明瞭に彫られていても、その建立目的や年号などの文字はない。

 像が手に持つのは、輪を載せた蓮華の茎。その輪の中にはカラスが描かれている。これは日本では八咫烏(やたがらす)、中国では金烏(きんう)と呼ばれ、太陽を象徴する三本足のカラスだ。ただし、金烏は赤いカラス。

 このカラスによって、蓮台上の円は宝珠や月輪ではなく日輪を表したものと分かる。つまり、この像は十二天の一尊である日天子、略称・日天だろう。

 日輪は日精摩尼(にっしょうまこ)と呼ばれ、闇を照らし、人々に真理の眼を開かせることの象徴。日天子は、その太陽そのものを神格化した日神だ。数頭立ての馬車に乗るのが通例ながら、馬車を省略した図例もある。

 日光菩薩も日輪を持つ。しかし、常に月光菩薩と対で、薬師如来の脇侍として祀られる。日光菩薩が独尊で信仰される例を聞かない。

 写真の像は、日待ち信仰の主尊としての日天子と考えられる。とはいえ、太陽崇拝の一種である「狭義の日待ち信仰」なのか、月待ち信仰などを含む「広義の日待ち信仰」として祀られた姿なのかは判断できない。月待ち信仰の主尊にも、日天子という例があるからだ。



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最終更新日  2008.01.07 19:04:05
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