2009/02/08(日)15:44
【役員の傷病手当金の取扱い】
先日ある会社から次のような質問がありました。
「うちの役員でうつ病になった人がいます。休ませようと思うのですが、
その際傷病手当金はでますか?」
この質問に対して私は次のように回答しました。
「役員の方の場合も傷病手当金の受給要件を満たしていれば受給可能です。
但し、役員の場合は通常、私傷病の欠勤についても役員報酬が支払われます
ので、取締役会で「私傷病による欠勤に対しては報酬を支給しない」旨の決
議を行い、取締役会議事録に記録し、傷病手当金申請の際に、この取締役会
議事録の写しを添付することが必要です。」
参考
【傷病手当金の受給要件】
傷病手当金の支給を受けるには、次の4つの要件を満たすことが必要です。
1 療養のため労務に服することが出来ないこと。
※療養には、自費診療、自宅療養も含まれます。
※労務不能であるか否かは、その被保険者の従事する業務の種別を考え、
その本来の業務に従事できるかどうかを標準として社会通念に基づいて
判断します。
2 労務不能の日が継続して3日間あること。(これを待期期間と呼びます)
この3日間には、土曜日、日曜日、祝日を含みます。
従って、次のように傷病により継続して3日間労務不能の状態にあれば、
この受給要件を満たします。
1月9日(金)、10日(土)、11日(日)
また、1月12日(月)、13日(火)、14日(水)が全て有給休暇であ
っても傷病により労務不能の状態にあれば、この受給要件を満たします。
傷病手当金は、待期期間の3日間は支給されませんので、この3日間以外
に最低1日の傷病による労務不能の日が必要です。この日は、原則として
報酬が支払われていないことが必要です。なお、この傷病による労務不能
の日は医師による証明が必要です。従って、傷病手当金の受給のためには、
通院または入院が必要です。
3 労務不能により報酬の支払がないこと。
原則として、労務不能により報酬の支払いがないと傷病手当金は受給できません。
しかし、報酬が支払われた場合で、支払われた報酬の1日当たりの額が傷病手当
金の1日当たりの支給額より少なければ、その差額が支給されます
4 健康保険(協会けんぽ又は健康保険組合)の被保険者であること。
※健康保険の被扶養者には、傷病手当金は支給されません。
※国民健康保険の被保険者、任意継続被保険者(資格喪失後の継続給付受給中の
方は除きます)にも傷病手当金は支給されません。