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福岡・博多 人力車出張サービスで思い出イベント       あなたの夢を運びます!博多人力屋

闘いの日々4



【博多観光営業の模索】
1999年2月28日付けを以って居酒屋の雇われ店長の職を辞して再び自由の身となった。思えば会社を退職してから既に丸三年が経過している。しかし、目先の確固たる安定収入の目途は全く立っていない。前年98年の結婚式送迎件数はわずか38組に過ぎず、とてもビジネスと呼べるようなレベルではない。自分に残された最後の賭けとでも呼ぶべきチャンスの場は、下川端地区再開発の締めくくりであり、6月に開業予定の博多座の存在であった。毎月月替わりで歌舞伎や芝居の公演が行われ、かつての芸どころ博多への集客の呼び水となる可能性のある公設民営劇場だ。おそらく県外を含めた年輩のご婦人方中心の来場が予想される為、人力車にご乗車していただくには格好のターゲット層となり得る。ただネックとなるのは劇場周辺はオフィス街であり、一般的な観光地感覚でご乗車していただくには無理がある。要は乗りたくても目立つのが恥ずかしくて乗りにくい環境なのだ。創業当時よりネックとなっているこの「乗ってみたいけど恥ずかしい」という究極のテーマに真剣に向き合って、解決方法を模索する日々が始まった。

【創意工夫の苦心作】
案その1)幌(屋根の部分)を閉めて、顔が見えないように暖簾やすだれを掛ける。→乗車されている方から景色が見え難いのでNG。
案その2)雨天時や冬場の防寒用の付属品である風防を装着して、人力車自体を個室風にし、外界から視線を遮断して見え難くする。
→前方に透明のビニール窓があって景色は見えるが、車内外双方の声が聞こえ難く、また夏場は密閉されるため室内は蒸し風呂状態となりNG。
次第に解決の方向に向かってはいるが、まだまだ決め手に欠ける。残された課題は
「車のスモークガラスのように外から中は見えないが、内側から外の景色は見えるような工夫」
「外界を遮断する風防越しに双方向で声が通って聞こえるような工夫」
の二点である。
ある日、街中のスーパー内を歩き、たまたま普段は縁のない生地売場に足を踏み入れて、当てもなく物色している時、ふとある生地に目が留まった。それは黒くてキメの細かい網目状になった生地で、見た瞬間ピンとひらめくものがあった。
「そうだ!夏場の網戸に使っているような生地を風防のビニール部分に替えてはどうか。双方向で声が通るし夏場でも涼しい。それにキメがより細かければ、外から中も見え難くなるのではないか!!」
但し、網戸の生地では耐久性に問題がありそうな為、より相応しいものはないかと、かつてバイトしたことのあるテント製造会社に相談してみる。専務夫人に事情を話し業務用のサンプル生地を見せてもらったところ、こちらの意図するモノにまさにうってつけの生地が見つかった!早速風防を持ち込んで試作品を製作してもらい、でき上がったものを装着して他のスタッフと共に試乗してみる。見事に外からの視線は気にならず、また内側から外の景色はよく見え、自分の理想通りの出来栄えであった。直ちに残る2台分の風防製作を依頼し、人力車のハード面は何とか問題を解決することができた。

【バイトスタッフの手配】
平日も含めて毎日何台かで営業するとなると、当然人の問題が発生する。当時たまにスポットで仕事を手伝ってもらっていたのは創業メンバーの小串氏並びにフリーターの本郷氏とN氏。これだけでは心もとない為、職安への依頼を始め、大学の学生寮にバイト募集の貼り紙をしたり、たまたま人力車夫体験特番を組んでくれたテレビ番組内でも求人の告知をしてもらった。結局、その甲斐あってバイトとして入ってくれるようになったのが西南大のY君(寮の貼り紙経由)と九産大のK君(TV番組経由)だ。体育会系のK君は大学卒業後、家業を手伝うようになったが、筑後市在住のため今でも年に数回人手が足りない時には助っ人をお願いしている。すべての準備が整い、晴れて「博多人力屋」開業の日を博多座オープンの6月3日(木)大安吉日に設定。緊張した面持で幕が下りるのを待つことにした。

to be continued・・・



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