心のぜい肉
私は時々、お金とは人生とは何ぞやと考えるときがあります。35歳くらいの時にも多分そんな事を悶々と思っていた時期がありますそんな時図書館で片岡鶴太郎さんの本に出合ったのです表現の仕方は違うかもしれませんがこんな風に記憶しています 芸人としてある程度の知名度が出てきた 毎日のようにテレビに出ていた これといった内容のあることをやっていないのにウケた 収入はドンドン増え周りには女の子。 高価な酒を浴びる様に飲んだ 楽しいのは束の間で芸人として空っぽの自分が嫌になった オレは何をやっているんだ本当にこれでいいのか? そんな時ボクシングに出合った 芸能界ではあんなにチヤホヤされるオレがボクシングジムでは 相手にもされなかった (お笑いがなにしにやって来たんだ)と冷たい視線にさらされた それでもオレはひたすらボクシングの練習をした 次第にテレビの仕事は減り芸人仲間からは (鶴ちゃん何やってんの?芸人が腹筋鍛えたって逆効果だよ!) 仲間たちがテレビに出てる姿を見てとめどなく涙が出た 汗だくになりながら練習して涙が出た 心の中で(決めたんだ これでいいんだ!これでいいんだ!) そうして数カ月がたった時、鏡に映る自分の姿に驚いた あんなにぶよぶよだったオレの身体のぜい肉が落ちていた 練習後の水が美味しかった 身体の細胞に水がしみわたる(うまい!) どんなに高価な酒よりもうまかった 感性が研ぎ澄まされた気がした 身体のぜい肉よりも心のぜい肉が落ちたんだ… ジム生の冷たい視線も次第になくなりそんな矢先ドラマの仕事が迷い込んできた衝撃的でした。色々な片岡鶴太郎さんの本を読みあさりましたボクシングを始めたからって仕事の幅が広がるなんて保証もないのですよ…逆に言えば芸人としての仕事も失うかもしれないわけですよそれでも何が彼をそんなに突き動かしボクシングの虜になっていったのでしょう高価なお酒よりもただの水が美味しいなんて感性ですよね… 人は大人になるに連れその感性を失っていくのですよね…損とか得とか きつい事よりも楽な方がいいし 私の心にも沢山のぜい肉がきっとついているのでしょう私も心のぜい肉を落としたい 何でもないただの物を心の底から(おいしい!)と感じたい強く強くそう思いました…それから2年後 37歳の時友人が(健康の為に運動を始めたいの!空手かボクシングなんてやってみたいんだ♪)とっさに(私ボクシングなら付き合うよ!!!)今日にでも明日にでもと勢いのある私に友人はボクシングジムを探し37歳の1月 もちろん男性ばかりのそれも20代が中心のボクシングジムの門を叩くことになったのです(笑)(笑)(笑)スキンヘッドのこわ~い会長のお出迎えに私は直立不動…逃げて帰りたい気分でした…だいたいボクシングなんて見たこともましてやルールも分からない私がちょっとした興味本位で来てしまったことに凄く後悔し後ずさってしまい(すみません。あ、あの…軽い気持ちで…)(きっかけは何でもいいですよ やってみたらいいですよ)心臓バクバクで… 練習生のお兄ちゃんはみんな怖い顔してるし…でもそんなこんなでほぼ毎日3年間 心のぜい肉をそぎ落とすという変な理由でテレビでさえ見たことのないボクシングを20代の男性に交じりやったのです(#^^#)ボクササイズでなく一応ボクシングです。知らない世界に身を投じることは新鮮で今までもっていた価値観も大きく変わりました。20年も前の事ですが少しずつ思い出してみたいです( ^)o(^ )セミリタイア 節約生活👈