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今日の気持ちを短歌におよび短歌鑑賞

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2023.12.16
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カテゴリ:日記

 「文芸の力」下書き(同人誌へ寄稿用)  後藤瑞義

 今月(12月)の18日午前零時より23日午後12時まで6日間、河津町ではいまだに酒精進鳥精進(酒、卵、鳥肉等を断つこと)の風習が続いています。杉桙別命(すぎほこわけのみこと)という神話的時代まで遡る風習です。詳しい説明はここでは省きますが、わたし自身も子供の時より守っています。勿論、河津を離れてからも続けております。私のみならず、この風習を守っている河津生まれの人間は今日まで多く居ります。ある時、だいぶ昔ですが、法事の時だったと思うのですが、地元の長老に聞いたことがあるのです。「なぜこんなに河津の人はこの風習を守るのでしょうか」。その長老の話ですと、河津(特にわたしの生れた旧上河津村)は、山ばかりで米が取れず、貧しかった。それで正月を迎えるために、このような風習が大昔から伝わって来たといった説明でした。

 幼い時(まだ物心がつかない時)両親を失い、祖父母に育てられた川端康成、その祖父母も祖母が亡くなり、祖父が亡くなり、とうとう15歳の時完全に天涯孤独の境遇となったようです。その生い立ちも影響してか、悩み多い青年時代の康成であったようです。その彼が気分転換のために伊豆の旅を思い立ち、その折に見聞きし、体験したことをまとめた小説が「伊豆の踊子」です。この伊豆の旅は、あくまでも川端康成が自分自身の為、青年康成自身の傷心をいやそうとした旅であったようです。別に河津(私の生まれた湯ケ野)を宣伝しようとか、河津を良くしようとかそんな気持ちはなかったと思われますが、結果的に「伊豆の踊子」という小説によってどれほどわたしの故郷は恩恵を被ったか知れません。貧しいわたしの故郷のみならず、伊豆全体が恩恵を被ったといっても言い過ぎではないでしょう。

 「文芸の力」、文芸は自分のみならず、自分の周りに結果的に大きな力を及ぼすことができるんだということを、最近つくづく思うようになったのでした。

  






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最終更新日  2023.12.16 12:13:27
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