カテゴリ:俳句
4月3日(水) 現代俳句(抜粋:後藤)(4) 著者:山本健吉(角川書店) 発行:昭和39年5月30日 正岡子規(4) 榎の実散る此頃うとし鄰の子 明治29年作。 日ごろしげしげと子規庵へ遊びに来る人懐っこい子で、子規も可愛く思い、病床のつれづれに、その来るのを心待ちにすることがあったであろう。それが、榎の実が散るこのごろ、姿を見せない。子規の病気をおそれ、隣の家に行くのを禁じられたか、寂しさを感じている子規であろう。榎の実が散るにつけて、隣の子を思う感情が、自然に流露しています。 しぐるゝや蒟蒻冷えて臍の上 明治29年作。 「小夜時雨上野を虚子の来つゝあらん」とともに、「病中」と前書きあり。 「蒟蒻冷えて臍の上」にユーモアがある。病気の苦痛を直接訴えず。臍の上に置かれた蒟蒻の冷えを言うことで間接に病状を詠むことが、俳諧化の方法なのである。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.04.03 07:19:54
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