カテゴリ:俳句
6月16日(日) 現代俳句(抜粋:後藤)(77) 著者:山本健吉(角川書店) 発行:昭和39年5月30日 室生犀星(3) 鯛の骨たたみにひろふ夜寒かな 上十二音と「夜寒かな」との間に取ってくっつけたような感じはない。畳にキラリと光った鯛の小骨をめざとく見付けて拾うというささやかな動作であり、その小動作におけるひ冷りとする感じが、夜寒なのである。 ゆきふるといひしばかりの人しづか 女人に違いない。同座していて、「雪が降り出しました」とばかり言って、後は口数が少ないのである。音もなく降る雪がいっそう辺りの静かさを増す。そうして雪降る中に、匂うように女人の姿がある。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.06.16 06:53:50
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