カテゴリ:思想
7月1日(月) 「幸福論」(ヒルティ)(第二部)(367) ヒルティ著草間平作訳 発行所 岩波書店(1935年5月15日) (注)あくまでも、訳に忠実にしていますが、簡略化や意訳や 表現の変更(例えば、「…である」を「…です」に変えたり)し ています。それもすべて自分自身のためです(後藤瑞義)。 人生の階段(19) (前日)この時期は、ごく順調にいけば三十代の初め頃ですが、だいたいこの頃に、わたしたちは他人から受ける教育の最終段階を終えて、ダンテのいわゆる「われらの生涯の旅路のなかばに」(「神曲」時獄篇第一冒頭の句)、善悪いずれかに向って自己教育をはじめるのです。(よりつづく) 人生のこの瞬間に、ある人々は、青年時代の夢想だの、素姓や教育からくる偏見だのにしたがって、自分の将来の姿をさまざまに思い描いていました。そして、そのいずれにも自分が成ることが出来ないと悟って、心の痛手を受け、絶望的になって享楽や見せかけのものを追うようになるのです。しかし、一方、他の人たちは、そこから出発して自分の固有の世界を征服できるような立脚点を、決然として探し求めます。さらにすすんで、おそらくゆりかごで聞いた歌のような甘美なものではないですが、しかしはっきりその正しさがわかっている一つの使命を追求しつづけるのです。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.07.01 07:53:11
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