晴 陶 句 読

2020/01/24(金)15:30

『生きるとか 死ぬとか 父親とか』

「本」の紹介(2475)

​​​​​『生きるとか 死ぬとか 父親とか』 ​ ジェーン・スー        ・新潮社 ~著者1973年生も東京生まれの"日本人"。作詞家、コラムニスト、らじおパーソナリティ。 タイトル通り、「生・死・父」を語る 「26篇エッセイ集237ページ。 「わが家の元日はね墓参りと決まっている。『我が家』と言っても、77歳の父と42歳の 娘だけの、限界集落ならぬ限界家族。元日の墓参りが決まりごとになったのは、母が 18年前に鬼籍に入ってからのことだ。(略)」と、始まる篇は「この男、肉親につき」 「父」の波瀾万丈というか破天荒というか楽天家というか、が家族を巻き込んで"いく。 戦中焼夷弾で「家が焼かれてなくなった。それは悲劇以外のなにものでもない。しかし 今日も明日も生きていかねばならない。だから焼夷弾に焼かれた茄子を家族食べる」 父に聞く「『戦争のあとひどい不景気だったと思うけど。回復したなって体感できたのは いつごろだった?」 『そうね、朝鮮戦争が始まってからだね』 なんとも後味の悪い話 だ。戦争の痛手から立ち直る起爆剤は、次の戦争だったか。(以下略)」「戦争から父 が学んだことは、戦争は絶対悪であるということ。そして、(中略)とにかく生き抜くのが 最優先だということ。(以下略)」 「なんてこった。あのドナルド・トランプが大統領に決まっ てしまった。」 父曰く『男はさ、弱みを見せたくないから、年をとると友達が減るんだよ な』・・・「2017年3月に無事79回目の誕生日を迎えた。」・・・「記憶のなかに母を見やる と、母と私の間に父が立っていた。」・・・ ​​​​

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る