カテゴリ:「本」の紹介
◎×5 『彼方の本』
・間村 俊一 ・筑摩書房 ~ワタシにとっては、好個絶賛の一冊!! 装幀家の間村氏は存じ上げていたが、氏が 俳句に於いても第一人者であることを恥ずかしながら知らなかった、、、、。 副題「間村俊一の仕事」 写真・川上朋子、当然自装本。 手掛けた多数の装幀本の カラー写真と著者並びに添えられた【句】とあいまって、それはそれは"美術書"の如し!! 前掲の『この道』同様その多才・多彩なデザイン力に圧倒され長文にならざるを得な い!! (スクロールご免!) ので、4/28『毎日・書評・(空)』に応援いただく~「書籍の装丁と いえば、いまはMacが必需品。(中略)だがこの稀代な装丁家は、徹底して反時代的 だ。製作の道具は鋏、糊、カッター、定規、鉛筆、それと自分の手。活字は神に刻印さ れ、ザラザラとした手触りが伴う。デザインとして引用したモノには作者への批評が潜ん でいる。(略)」というツワモノ! 加えて活字は活版正字体好みときている!! (空)~「視覚と聴覚を総動員させ、読者をわしづかみにする作風だ。」 表紙は、景品用のフィギュア・ペンギン(堀江敏幸の『本の音』)、書籍装幀にはそうした 骨董やアフリカを旅した時の「携帯用椅子」だったり「歯型」だったり「転んでもただでは 起きない」"錬金術師"!! 装幀も俳句も京都でであった『定本加藤郁乎句集』であり、 この造本は「わが足もとを照らす一条の光である。」と!! 加えて特装本造りの名人渡 辺一考氏であり氏の「造本はどこかなつかしい。そのなつかしさは永田耕衣の句にも 通じる存在の根源的寂しさがあり郷愁である。」とまで!! さてさて、やっと「本書」に(空)~「そうした書籍装幀装丁のカラー写真に挨拶代わりの 句を添え、エッセイと自選句集をはさむ。まさに 間村ワールド。 既に長いがその一端~ (ココでもupした本・作者に限定、、) ・佐々木幹郎『悲歌が生まれるまで』【御納戸の軍 楽隊ゆく春の暮】 ・金子兜太『わが俳句人生』【かうかうと尿瓶の海に夏の月』 ・角 川春樹『角川家の戦後』【緑陰の父や角川家の戦後】 ・辺見じゅん『夕鶴の家』【まつ 勘にその席はありとろゝ汁】(偲び手) 等々等々。『装幀交遊録』からは、平松洋子さ ん~「(略)装幀と俳句を一手に束ねたぐらりと揺る。油断禁物、虚実のあわいに潜り こんでひたすら玩味玩読。ほどなく雲間から耳に響いてきたのは呵呵大笑である。」 本も作者もキリがなく、(空)~「酒房、骨董品、澁澤、乱歩の想いでが乱舞(中略)」 その舞台たるや、当方も馴染の街~神田神保町はとうぜんとして、根岸の『鍵屋』、 入谷、神田「まつや」、市川の「手児奈」等も出て来る交遊譚と句に溺れてしまう・・・ 最後にします、氏の1.2句~【門前仲町魚三すゑひろしぐれかな】【天上に瀧見しことや 鶴の鬱】 (空)~「書籍に宇宙を封印するというね装丁家の野望がこめられている。」と! ・・・・まったく、個人的趣味へのおつきあいありがとうございました。ワタシ的◎×10!!!!!!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[「本」の紹介] カテゴリの最新記事
感動しましたね
私も72歳の手習いしたいです (2020.02.03 20:10:15)
アポ哲さんへ
哲さんも 仏教哲学・漢方等々と 広く深く!! !! 間村氏 まだまだの 66歳! の更なる期待!!! ・・・装幀も俳句も"手作業"に 共感、趣味嗜好も似ていて! (2020.02.04 08:19:38)
おはようございます。
いろいろと共通点があって共感することも多い方ですね。 装幀は本を選ぶときに大きな役割をしますが 特に目をひく装幀以外は それほど興味深く眺めたことはありませんでした。 こちらのブログに接するまでは。 門前仲町魚三すゑひろしぐれかな 知ってる場所が出てくる俳句はグッときますね。 (2020.02.04 10:48:09)
昼顔desuさんへ
・・装幀も「イラストレーター」の多くがてがけるようになって! たしかにたくさんの「美学校」出身者が多方面で活躍するようになって!! ・今も 南伸坊さんの『ねこはい』・文庫本とねじめ正一・五味太郎の『みどりとなずな』の俳句絵本読了したところ!(後日up)!~写真撮りました! そうそう カメラ 息子がネットで! 、、pcとつなげられてません・・・ また、やってもらわねば、、、 宮代はゴッドハンドと動物園 ハハハ 場所句! (2020.02.04 15:11:51)
Jiqさん、感激。読書ベタですから、いつもながら、うらやましいやら 為になります。
(2020.02.05 16:05:45)
|