カテゴリ:「本」の紹介
◎◎◎『山里に描き暮らす』
・渡辺 隆次 ・みすず書房 ~"みすず"らしい『大人の本棚』シリーズの一冊。 1939年生の著者・画家を知りません でした、、、。99ねんまで武蔵野美術大学特別講師・『きのこの絵本』等の著作や甲府市 の武田神社に草木鳥獣などを描いた120枚の天井画等があり、本書にも独特な「ナラ タケモドキ胞子紋」などの図版も挿入されている。 (2013発行) 1.八ヶ岳の庭から~21篇 2.思い出されること~8篇のエッセイ集。 「(略)88年に政府が国民の余暇の拡大をうたい、『リゾート法』なるものをつくった。しか し、この法はイコール不動産業といわれたほど、開発促進に重点が置かれた。(中略) その十年ほど前の77年、まだ別荘ブームとは無縁だった山村の片隅に、私はアトリエを 設けた。山麓の美術館はもとより、県立のものさえなかった時代である。(中略)クラ フト作家に比べて少数派なのは、絵でたべていくことが、いかに困難であるかをものが たる。(中略)それでも絵筆を折らないためには、一匹の虫のように呼吸のできる営為 (それが私にとっての描くということだが)と、ほんの少しの才能に加え、貧乏上手とい う粘り腰的能力が必要だ。(以下略)」・・引用キリ無く「あとがき」~「長い山村生活であ る。(中略)そして、山麓はすでに都会化したなと思う。(中略)八ヶ岳山麓における獣 や植物群の不滅ともいえる安定状態、つまり極相を考えれば、私達ヒトはたまたまの 新参者だったのかも知れない。(中略)寄る年波からつい来し方行く末に思いがゆく。 (中略)前篇は2007年から2012年にかけて」の、画業変遷・戦後を山麓の自然環境を 語り、ロックからチェンバロをも語り尽くす多才・多彩さ! 後篇は、「書下ろし」で"美術団体" とは無縁の『無所属』を貫いてきた姿勢と独特の「描法」にも多くを語る!! オートマチック・エスキース・コンポジション・アンフォルメル・マチエール・オールオーバー・アラベスク・ディテール・・ 36年余に渡ってつぶさに見てきた山麓の変遷とともに、これからどう向かうのか・・・! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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こんにちは。
細密画のような 顕微鏡覗いて書いたの? みたいな絵 こういう人の集中力の持続力ってどうなっているのかしら。 後藤純男さんは大きな画面に小さな木々の枝まで丹念に描いてあって よくまあ嫌にならないものだわ・・と思いましたが 渡辺隆二さんはまた違った丹念な方で・・・。 (2020.02.08 14:56:04)
八ヶ岳と一緒に生きた半生充実していましたね
(2020.02.08 19:30:29)
昼顔desuさんへ
・・!! シロートと画家の違いは まさに「集中力」だと、激しく打ち据えられます!! ・関口さんの『サンデー・・』のCMの間に見る『日曜美術館』アートシーンで 菊池芳文の【桜花群鴉図】チラミながら 唸りました!! (2020.02.09 10:22:29)
個性的な方ですね、自然とともに 絵描きらしいと言えば自分だけの見事な世界を構築してます。
(2020.02.09 11:33:33)
lavien10さんへ
・・・そう、、「山里」も「不易」でなく、自然の「変形」とともに、ヒト・コトがからみの『流行』で結構 騒がしく 五月蠅いモンです・・・ま、今やどこに行っても・・ (2020.02.09 15:24:23) |