2022.01.16
『虫は人の鏡 擬態の解剖学』
・養老 孟司 写真・海野和男 ・毎日新聞出版
~「キモチワルイ」と言ってはいけない!! ソレハソレハ 美しい・虫の写真集でもある!!
「はじめに 情報とはなにか」~「ここに収められた文章を書いたのは、20年以上も前
である。当時私は擬態の具体的事例に魅かれていて、あまり全体像について考え
ていなかったなあ、と今では思う。その後に大きく社会が変化した。すなわちAI化や
IT化つまり情報化である。その結果、擬態の位置づけもおのずから変化することにな
った。擬態は典型的な情報内部の現象だからである。しかもヒトの眼を引き付ける。
(略)」・・・この カタイ文と蝟集する虫らから、本を伏せないでください!
養老先生のホントのキモチが、そこここに出てきますから!~「(略)脚が八本というのは、私
はじつに気にくわないので、なぜかというと、それはクモであることを意味するからであ
る。私は虫は好きだが、クモが嫌い(略) この嫌いはすこしずつ治ってきた。(略)」
「(略)面倒くさいから、今はあまり議論したくないのだが、カモフラージュや擬態の問題で
は、客観的な立場というのはなんらの『意志すらなく』、偶然に生じたものだという説明
に尽きる。(略)」「(略)なぜこんなに凝った、重たそうな頭を作る必要があったのか、私
は知らない。自然については、知らないことが多くて困る。(略)」
「楽しい時間は短調で短く、苦は複雑で長い。それは、われわれの意識、記憶がそう
なっているからである。(略)」「(略)結局私にものを教えてくれてきたのは、自然だとい
うことを知るる(略)」 などと! 寄藤文平+古屋郁美さんのブックデザインも 素晴らしく!!
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