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うたぐわ

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カテゴリ:こぼれ話
「ブレイクスルー」には描きませんでしたが、フォン君とつきあいはじめた頃のペロちゃんののろけは、すさまじかった。「シヤワセなんですけど、ね、ね、ワタクシ、シヤワセなんですけどォォォォッ」と、噛みつかんばかりにまくしたててくるぐらいのオトメ吠えっぷりだったのでございました。

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「これからはいつも、ふたりで同じものを見てぇ~…」

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「移りゆく季節をふたりで感じるのぉ~♪ ね、ね、わかった? ふたりで感じるのぉ~~~~ッ☆ これって、すごくしあわせなのぉ~ッ」

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ほどよく距離のある間柄であれば、ノロケも微笑ましく聞けるのでございますが、身近な人のノロケはカユい…。

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「そなたは甘い!」
ついにワタクシは、ペロちゃんに告げましたのでございます。「同じものを見て同じように感じる場面ばかりではないのです、そんなふうに夢ばかり膨らませておりますと、常夏の国で育ったフォン君の季節感覚が自分と違うということだけでイライラしかねません。期待が大きいのはけっこうだけど、そのぶんガッカリもでかくなるのです」

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「ワタクシなんぞ、ツレちゃんと季節感をわかちあうなんぞ、とっくの昔にあきらめておりますのです」

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近所の川沿いの公園にいるホームレスのおじさんが、夏の間いつも団扇をパタパタさせているのでございますが…

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おじさんがパタパタをしなくなると

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「秋」を感じるのだそうでございます。

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他のことで感じろよ…

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「ウタちゃんが言ってることも、ある意味ノロケなんじゃないの」とペロちゃんは言いますが、ゼッタイ違う。

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Last updated  2010.09.21 09:34:31
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