第118話 なんか浮いてる・・・ その2.
おいおいおい、そんな馬鹿なことってあんのかよ‥‥ 何でこんなもんが上にあんだよ。 まだ皆は上にある物体に気付いてないみたいだな。 「お、おい、ジル・エリー・ナディー‥‥上、上みてみろよ」 「は?空なんか見て何があ・・・・・・・あったぁあああああああああああ!」 「う、うわぁ・・・これは驚きだねぇ」 「もしかして、もしかするとあの上にあるのってさ……」 俺たちの頭上には普通ならあっちゃいけないものがあったんだよ。 そして、それが何なのか理解した瞬間、俺達は一斉に声をそろえていた。 『え、ええええええええええええええええええええええええええええ!?』 「な、ななな、何よこれ!!」 「うちには、うちにはね?ここにあったはずの大地がそのまんまぽっかりと空に浮いてるように見えるんだけど・・これ、夢じゃないよね?」 「こんなことってあるんだね」 そう、俺たちの頭上には、ここにぽっかりと穴があいてるのと同じくらいの大きさの物体、というか大地が浮かんでたんだよ。 「ねぇ、もしかしてあそこの上にルシファーの城があるんじゃないの?」 「その可能性が高そうな気はするけど・・・」 この場所にあり、そしてこの大きさ。多分その可能性は高いとは思うが・・・高いとは思うが。 「てかさ、あれってどんな原理で浮かんでるのかしら」 「魔法的な何かでだと思うけど、あれだけの大きさを浮かせるには相当の魔力が必要になるのかな」 とりあえず確認しなきゃなんねぇことがある。 本当に今この俺達の頭上にあるモノがあのルシファーの城のあった部分なのか、今このぽっかりと穴の空いてる大地なのかどうかの確認だ。 「なぁ、ちょっと離れた場所からあそこの上に城があるかどうか確認しねぇか?」 頭上の大地(?)に城があるかどうか確認するため、俺達は自分達の乗ってきた船を停めた場所まで戻り、そこからその空に浮かぶ大地を見てみたらだな? 「あぁ、あぁ・・・あるな」 うん、その空に浮かぶ大地の中央部分に小さく城っぽいのが建ってるのが見えたんだ。 「ラ○ュタは本当にあったんだねぇ!」 何かジルが危険な単語を言ってるがスルーだな、スルー。 「やっぱりあそこにルシファーがいるのか‥‥」 「ということは、あそこにいけばいいのかな?」 「でもでも、あんな上空までどうやっていくつもりなのかな?」 「私なら空を飛んであそこまでいけるけど」 ナディーはそう言ってからバサバサと羽を羽ばたかせ、宙に浮き少し空を飛び回った。 その様子を見たエリーが、何か良い案を思いついた!とばかりにすっげぇ良い笑顔を浮かべたんだが、正直嫌な予感しかしない。 「そうよ、それよ!!ナディー、あんたあたし達を抱えてあそこまで飛びなさいよ」 「えっ?皆をあそこまで?」 ナディーはエリーの発言に凄く困惑した表情を浮かべたようだが・・・ やべぇ、エリーがそんなすっげぇ案を思いつくなんて思ってもなかったわ。 今だけはエリーがすげぇ輝いて見えるぞ! 「よし!それだ!!!」 早速そのエリーの案を試そうと俺達はナディーにしっかりとしがみついた。 んで、だ。その状態でナディーは羽を強く羽ばたかせ空を飛ぼうとしたんだが、全く浮かぶ様子が見えない。 「む、無理だよぉ!こんなに沢山いっぺんに運べないよ!そんなのやる前からわかることだよね?」 ちょっと怒り気味に俺達の方へ顔を向けてくるナディー。 うん、怒ってるナディーも可愛い、ってそんな事考えてる場合じゃねぇわ。 「良い案だと思ったんだがなぁ・・・」 「じゃあさ、じゃあさ!1人ずつ運んでくっていうのはどうかな?」 「それならいけるわよね?ナディー」 「いけないことはないんだけど、流石にあの高度だよ?3往復は疲れるよ。他に良い方法ってないのかな?」 「ん~・・・・」 他の方法なぁ? 皆で何かないか考えてたんだがな? 「やべぇ・・・俺超良い案思い浮かんだわ、聞いてくれっか?」 「何々?何を思いついたのかな?」 「何かベリル君の思いついた方法もろくでもない方法のような気がするよ」 「ほら、もったいぶらずにさっさと言いなさいよ」 何だかんだ言いながら期待してくれてる皆に俺はたっぷりともったいぶってからその方法を口にした。 第118話 なんか浮いてる・・・ その2.終わり 第119話 他の方法探すしかないか その1.へ続く