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俺達の目の前にいたのは、虹色のロングヘア。すげぇナイスバディなお姉さん・・・いや、妖艶な色気がムンムンでサキュバスだと言っても信じてしまいそうな雰囲気漂う魔族だった。
「なっ!?ア、アン!!何で、何でおめぇがここにいるんだよ!!」 「あら?どなたかと思えばベリルではありませんの。このような場所で会うとは思ってもおりませんでしたわ」 「ねぇねぇ、ベリル?このお姉さんとは知り合いなの?」 ジルがアンの方を見ながら問いかけてきたんだけどさ・・・うわぁ・・・正直言って、ジルにコイツのこと説明したくねぇw 「はぁ・・・まぁ、コイツがさっき言ってたあれだよ」 思いっきりため息をついてから、ジルに彼女が魔王サタンの四天王の1人で魔界最強(自称)の魔導師であること、そしてミカルの泉で会った時に、コイツがエリーの事を欲しいって言った張本人であることを教えた。 「へぇ?そうなんだ」 で、だ。ジルは全く意に介した様子もなく、のんきにそう口にしてるんだが? そして、俺達にアイテムの説明をしてくれたのがアンだとわかると、エリーは目を釣り上げて物凄い剣幕で詰め寄って声を荒げた。 「何で!?ねぇ、何で魔族のあんたがこんな街中でふっつぅに買い物してんの!?おかしいでしょ!?ちょ、え?マジおかしいでしょ!?」 「ここのお店は他の店では取り扱っていない希少なアイテムも多数取り扱いがありますのよ。それで、わたくしここのお店は贔屓にさせていただいておりますの」 そう言いながらアンが手にしたのは金色に光り輝く林檎。 「ちょっと店主!?店主!?あんたなんでこんな奴を店に入れてるのよ!コイツ魔族なのよ?知らなかったとは言わせないわよ?」 すげぇ剣幕で店主に詰め寄るエリーだが、そんなエリーに店主は困惑した表情を浮かべてたよ。 「スタインさんはいつも沢山買ってくれる、うちの店の上得意さんなんだよ。あんまりそう言わないでやってくれないか?」 「いやいやいや、あんたおかしいでしょ?沢山買ってくれるって言っても、コイツは魔族なのよ?そんな奴に売るなんておかしいわよ。てかよ?そんな買い物するお金どこに持ってるのよ」 エリーの言葉に困った様子を見せる店主と、プリプリと怒りながら俺たちの方へ体ごと見る向けるアン。 「わたくし、一応サタンに協力はしておりますけれど、それも今はなき古代魔法【メルトン】を復活させる為なんですのよ。ですので。別にやましい事なんてこれっぽっちもしておりませんわよ?それに、お金に関してはその研究費用としてサタンからたんまり頂いているのですわよ」 「そのメルトンって魔法を復活させてどうする気なのよ。どうせしょうもない事を考えてるのよ」 「別に何もありませんわよ?わたくしはただ、一魔導師として、かつて存在していた最強の攻撃魔法であるメルトンがどのようなモノか興味があるだけですもの。そして、可能であれば今のこの世に復活させたい。そう思ってるだけですわ。まぁ、わたくしが復活させたメルトンをサタンがどのように使うか、ということに関しては興味ありませんわ」 アンの言葉に訝しげな表情を浮かべるエリー。 アンの言う事もわからんでもない。過去にあったそういうモノをこの今の時代に復活させたい、そういう気持ちはわからんでもない。 だが、本当にそれだけなんだろうか?いや、まぁ。コイツは嘘をつくような奴ではなさそうに思えるが。 「本当かしら?魔族の言う事って信用できないのよねぇ・・・」 「あはは、エリー?そんな頭ごなしに信用できないとかいうのは失礼だよ?うちも沢山の魔族と対峙してきたけどさ、見た感じ彼女は信用できる魔族だと思うよ?」 「あら?貴女は確か銀狼のジルですわよね?噂はかねがね窺っておりますわ」 「どんな噂だろうね?まぁ、うちが影でどう言われてようと関係ないけどさ」 「わたくしの同胞であるネロが、銀狼のジルが!銀狼のジルが!と、いつもぼやいておりますのよ」 「へぇ、ネロ君からねぇ・・・?ぷぷぷ、なんだかんだ言ってネロ君ってさ、うちのこと実は気に入ってるというか、好きなんじゃないの?」 「おほほ、それもあるかもしれませんわね」 「ネロ君もねぇ・・・プライドはかなり高いけど、あれでいて剣士としてはかなり良い線いってるとは思うんだよねぇ・・・お互いの立場が違ってれば良いライバルになれたと思うんだよねぇ」 「それでエリー?ここで会ったのも何かの縁ですわ。さ、今日こそ貴女をわたくしのモノにしてみせますわよ」 熱っぽい視線をエリーの方へと向けるアン。 そして、その視線を受けたエリーは両腕で体を覆うようにして身震いさせながら引きつった笑みを浮かべた。 「な、ななななななななな、いきなり何を言ってるのよ!!前にも言ったけど、あたしはあんたのモノになる気なんてサラッサラないわよ!?」 「前回は遅れをとりましたけれど、今回はそうは行きませんわよ♪ふふ、今ここのお店で購入したばかり、買いたてホヤホヤのこれの性能を試すに丁度良い機会ですわぁ」 そう言ってアンはその場でおもむろに身につけていた服を脱ぎ捨て・・・・脱ぎ捨てたぁあああああああああああ! 第47話 何でお前がいんの? その2.終わり 第48話 これは悪夢よ・・・ その1.へ続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年03月26日 01時10分30秒
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