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「これだけ人がいるとセラフィム達も安心してゆっくりと話が出来ないでしょう。皆さん散りなさい。私がここは話をつけましょう」
まさかアシュタロトから私達を倒せ!! じゃなくて、自分が話をつけるからこの場から去れ、何て言われるとは思ってもなかったんだろうね。 この場にいた魔物達、全員が全員目を丸くさせ、私達がこの大広間に入ってきた時以上のざわめきが巻き起こってる。 そして、誰一人としてこの場から外に出て行こうとはしない。 「私の言う事が聞けないというのですか?」 一向に外に出て行こうとしない魔物達に対して、凍てつく程鋭く冷たい声・瞳を向けたアシュタロト。 その眼光の鋭さ、威圧感、プレッシャーは流石に魔王とでも言うんだろうか。 流石にそんな態度をとられたら大人しくするしかないわけで。 その場にいた魔物達は静かになったんだけどね? そんな中、1人(匹?)の魔物がアシュタロトの方へと大きな足音を立て、怒り肩でズカズカと近付いていったよ。 「やいやいやい!てめぇアシュタロト!何腑抜けた事言ってやがんだ!!今俺達の目の前には俺達の怨敵である四大天使がわざわざ自らやられに来たんだぞ!?」 「・・・ふぅ。ですから貴方がたでは束になっても彼女達には勝てない。そう思ったからこそ、優しい私が貴方がたの代わりに話をつけてさしあげよう、そう言っているのですがね?」 言ってる内容は部下の事を思って、優しい事を言ってるはずなのに、言い方だったり、その物凄くドスの利いた低いトーンで凄みを効かせて言ってるもんだからそういう風にしか聞こえない。 いや、それはきっと分かっててわざとやってるんだろうけどさ。 「俺達が束になっても勝てない?そんなはずあるか!!こちとら今この場には5000もの同胞がいるのだぞ!?むしろ負ける要素が見当たらない」 「・・・ふぅ。闘いとは数ではない、そんな簡単なこともわからないとは愚かな」 アシュタロトの言葉に魔物は更に苛立ち、物凄い青筋を立ててるよw 「俺は前々から貴様の事が気に入らなかったんだ。この機会に四大天使の前にまずは貴様から始末s・・・」 ものすご~くヒートアップしてた魔物さんだったけど、彼が言葉を言い終えることはなかった。 ううん、正確にはそうすることをアシュタロトが許さなかった。 彼が言葉を言い終える前にアシュタロトは顔色ひとつ変えずに、レイピアを右手で握り、目にもとまらぬスピードでそのレイピアを振りぬいたんだよ。 その振りぬいたレイピアは目の前にいた魔物の首を胴体から一瞬にして切り離していた。 「!?」 そして、その切り離された魔物の首は無情にもコロコロとその場を転がりアシュタロトの足元までたどり着いた。 頭を切り離され、主を失った胴体はズシーン!大きな音を立ててその場に倒れこんだよ。 アシュタロトは自身の足元に転がった魔物の生首を見下ろすと表情ひとつ変えずに・・・ グシャ!! 「ひぃ!?」 自身の足元に転がった首をまるで虫を踏み潰すかのようにつぶしちゃったんだよ。 そんな光景にその場にいた魔物達が一瞬のうちに静まりかえったのは言うまでもないわけで。 「さぁ、今の馬鹿みたいな目に会いたくなかったらすぐにこの場から出て行きなさい。貴方達など束になってもこの場で簡単に消し去ることくらい可能ですよ」 静かだけど、その内に確かに見える怒りの感情。 一瞬間をあけたけど、今目の前で起こった事を認識するとこの大広間にいた魔物達は何も言わずにその場を去っていったよ。 そして、この大広間には私達5人+アシュタロトだけを残して他は誰もいなくなった。 第76話 歓迎?イブリース城 その2.終わり 第77話 こんなヤツに振り回されてたとか その1.へ続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年11月18日 00時12分09秒
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