自他共栄のプロレス批評

2005/11/06(日)23:59

ノアが示した「リアリズム」

プロレスリング・ノアの11・5日本武道館大会が全体を通して見せたテーマは、「プロレスが提示しうるリアリズム」だったのかもしれない。 正義のヒーロー、ムシキング・テリーはUWF出身で今はヘビー級の佐野巧真と新日本プロレスの前座試合のようなレスリングを見せた挙句に敗れてしまい、鈴木みのる・丸藤正道、柴田勝頼・KENTAはともに“ヘビー級の壁”に最後まで悩まされ続けた。 スコーピオの白GHC(グローバル・ハードコア・クラウン)に挑んだ金丸義信も、終始攻勢だったがヘビー級の大技に沈んだ。付け加えるなら、第2試合の斎藤彰俊・井上雅央・杉浦貴-小川良成・志賀賢太郎・リッキー・マルビンもパワーの差が勝敗を分けた。 三沢光晴-天龍源一郎は体重差がテーマになることはなかったが、華麗な大技は出さず、両足をしっかり地に足をつけたエルボーの連打で天龍を圧倒した。見栄えするかどうかは別として、効果的な組み立てだったことは確かだろう。 唯一の例外はメインイベントのGHCヘビー級選手権試合、力皇猛-田上明だったわけだが……。

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