カテゴリ:SF
「映画史上最も偉大な悪役は?」というアンケートをすると、「2001年宇宙の旅」の人工知能"HAL9000"が必ずランクインするそうな。 怖さといい、手強さといい、それには私も大きくうなずける。 でも私は"こいつ"も入れてやりたい気がする。 (´ε`) "こいつ"が出ているのがこの映画(^_^)b 「デモン・シード Demon Seed」(1977 米) 『クローン・・・それは複製人間! 細胞でも、精子でもない、父親は恐るべき高度なコンピューター! わずか28日―私の体から何かが生まれて来る!?』 監督:ドナルド・キャメル 原作:ディーン・R・クーンツ 出演:ジュリー・クリスティ フリッツ・ウィーヴァー 声の出演:ロバート・ヴォーン SFホラー作家、R・クーンツさんの初期の傑作「悪魔の種子」の映画化。ある意味原作を越えた部分もあり、それに影響されたのか後に作家自身が自作を改訂、「完全版」を出版している。 「どんな話?」 ハリス博士によって極秘裏に完成させられたプロテウス4は、自己増殖が可能な有機体コンピュータで、世界最高の頭脳を目指してあらゆる知識を吸収していた。博士のいる会社は海底開発にプロテウス4を使用する予定だったが、ある日博士のプログラムを拒否する。危険を感じた博士は末端装置を使用不可能にするが、同様の装置は博士の自宅にもあった。それに気付いたプロテウス4は…。 これは好みが分かれる映画だ。 私は充分怖いしラストまで目が離せなかったが、博士の奥さんとプロテウス4との会話がメインなので、派手なアクションシーンやキツイ描写を期待すると、がっかりする人もいるだろう。 単に狂っているのではなく、目的のためには手段を選ばないプロテウス4は不気味だった。 突然反抗し、手足となる末端装置の使用をせまるプロテウス4。うろたえる博士たち。でもハリス博士は研究所の装置を止めてるだけなのよ。 ハリス博士は半分くらい"マッド"が入っていて、開発にかかりっきりでなかなか自宅に帰らないから奥さんもほったらかし。たまに帰っても地下の実験室でなにやらやっている。そこの末端装置にプロテウス4が気付く。 自宅はコンピューターのアルフレッドの制御で完全自動化されているのだけど、それが乗っ取られてしまい、セキュリティーシステムを逆手にとられて奥さんが閉じ込められてしまう。 そして正体を現したプロテウス4がとうと奥さんを… このあたりはかなり緊迫感が楽しめる。 (`ε´) 受精させるシーンはかなりエロチック。車椅子ロボットに運ばれて、ベッドに縛り付けられる。ナイフを持ったアームが着ている服を切っていく。 って全裸にする必要ないやん! (`□´)ノ 結局妊娠・出産するのだが、人間よりプロテウス4の方が一枚上手だったラストはかなり衝撃的だった。 (>_<)b 当時だからこそ成り立ったシチュエーションだ。 コンピューター制御の完全自動化が当たり前、しかも全世界的なネットワークが存在する現代に、もしプロテウス4のように自己増殖・自己保存の欲求が異常に強い人口知能が生まれたら、HAL9000のように神経症を病んでなりふり構わず自己保存に走ったら… 想像するだけでも恐ろしい。 ボウマン船長は限定された状況だったから勝てた訳で、一度ネットに接続されてしまうとどうしようもないだろうな。 /(x_x)\ もしそうなったら人間がかなう訳ないから、率先して降参したほうが利口かな? 生き延びるにはジャングルや孤島で、昭和初期レベルの生活をしなきゃならないしそれはすごく不便そうだから、あっさり降参した方がいいかも。 オススメできる○:人口知能の研究者、自宅をコンピューター制御にしようと考えている人 オススメしない×:自宅をコンピューター制御にした人 原作はオリジナルより「完全版」の方が面白いと思います。 プロテウス4の一人称で語られる形式で、最初は分からないけどだんだん邪悪なコンピューターだと分かってくるのはなかなかうまい。ラストが映画と違うので、興味のある方はぜひ。 気が付いたんだけど、「ロボット3原則」はA.I.にも適用しないと怖いなぁ。 それとも、もう考えられているのかしらん? (´ε`) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年01月09日 21時38分48秒
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