テーマ:DVD映画鑑賞(13560)
カテゴリ:スリラー
たまにはモノクロもね。 ってわけで久々に観ました(^o^)/ それはこの映画(^-^)b 「黒い十人の女」(1961 大映) 監督:市川崑 脚本:和田夏十 撮影:小林節雄 音楽:芥川也寸志 出演:船越英二 山本富士子 岸恵子 宮城まり子 中村玉緒 岸田今日子 伊丹十三 公開当時はあまり話題にならなくて、後年隠れた名作として有名に。 「どんな話?」 TV局のプロデューサー風(かぜ)は既婚者なのに、職場の女性たちと関係を持っていた。誰にでも優しい八方美人的な性格の彼を独り占めできないことで、いつしか顔見知りになっていた彼女たち10人は「いなくなれば気が楽だから、誰か殺してくれないかしら?」とまで言い出す始末だった。そんな冗談か本気か分からない話を耳にした彼は、思い余って妻に相談したが… ユーモア・サスペンス。 かなりシュールな設定でブラック・ユーモアたっぷりのサスペンス・スリラー映画だ。 大胆で巧みな画面は始まって数分でにモノクロってことを忘れてしまうくらいで、面白い脚本とテンポの良い展開やきめ細かい演出と合わせてぐいぐい映画に引き込まれてしまう。 ただ、終盤以後特にラストは勧善懲悪単純明快な今風なまとめ方ではないので、流行のどんでん返しや一波乱を期待すると肩透かしをくらうかも。 全体的には良く言えばスタイリッシュ、悪く言えば軽い感じのかなりの異色作。 興味のある方はぜひ。 (^-^)b オープニングは街灯の灯りだけが目立つ暗い夜道を歩く女性の影。 それを追う人影。 なかなかサスペンスフル。 冒頭で9人+1人計10人の女性が勢ぞろいだ。 本妻の富士子さんを寄ってたかって糾弾。 ( ̄ー ̄?) まだ説明がされていないので、理由がさっぱり分からないし、なぜ宮城さんだけが+(プラス)1(=幽霊)なのかも分からない。 で、過去に遡ってお話が始まるって段取りだ。 TV局のプロデューサーの風(かぜ)はちょっと気になる女性に優しくして、すぐに関係を持ってしまう。 女優、台本の印刷屋、制作部員、CM女優、受付、etc. 本人に悪気はないんだけど、女性たちは振り回されっぱなし。 (´ε`) メインは5人なんだけど、これだけハッキリしたキャラを全体がバラバラにならずきちんと描き分けてるのはさすが。 それと画面が濃い。情報量が多いと言うべきかな。 対象物を映すだけでなく、構図や陰影でいろんなことを表現しているのが私でも分かる。 今の日本映画は見習って欲しいものだ。 (`へ´)b ストーリーはシュールだけどかなり軽いサスペンスなので、ドロドロやドキドキは少ないけれど早いテンポと意表をつく展開で最後まで飽きずに楽しめた。 (^_^) と真面目な感想はこのくらいにして、 船越さんの軽い演技がサイコー。流れに乗ってヒラヒラと泳いでいるいかにもTV局の社員らしい役を好演。 仕事なんかしてなさそうなのに、実は会社だけが自分の存在を実感できる唯一の場所なのは昔も今も変わらないかも。 (^_^;) 富士子さんは美しいし、言葉がもの凄く印象的だ。 岸さんに「あなたもどう?」ってウイスキーを勧められて 「わたくし、生(き)でいきますわ」 生(き)ですよ生(き)。 (o ̄▽ ̄o) 「ごめんあそばせ」「そうざんした」なんて言葉がサラッと、自然に出てくるのは、イカす~。 もう、そんな言葉が似合う女性は思いつかないもの。 小悪魔的な岸さんはカッコいいし、玉緒さんは可愛い。 岸田さんや宮城さんは意外なキャスティングだった。 レンタルするほどじゃないけど、興味のある人は Gyao で配信中ですから…あちゃ~、終わってる。 残念でした。 m(_ _)m オススメできる○:市川映画ファン、変わった邦画を観たい人 オススメしない×:古い映画が苦手な人、モノクロが苦手な人 余談 富士子さんのセリフが良かった。 「誰にでも、やさしいってことは、誰にもやさしくないってことよ。」 「生活を腐らすような愛ならない方がましだわ。」 余談2 2002年に市川監督でTVドラマ化(セルフリメイク) 出演:小林薫 浅野ゆう子 鈴木京香 小泉今日子 深田恭子 されたのでご存知の方もいらっしゃるのでは? オリジナルもぜひ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年01月07日 12時27分15秒
コメント(0) | コメントを書く
[スリラー] カテゴリの最新記事
|
|