2008/09/13(土)15:29
★イントゥ・ザ・ワイルド(2007)★
INTO THE WILD
そして僕は歩いて行く
まだ見ぬ自分と出会うために
映時間 148分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(スタイルジャム)
初公開年月 2008/09/06
ジャンル ドラマ/青春
【解説】
若さゆえの生真面目さで自らの心と向き合い、過酷なアラスカの
大自然に立ち向かっていった一人の青年の姿を追った
ジョン・クラカワーのベストセラー・ノンフィクション『荒野へ』を、
オスカー俳優ショーン・ペンがメガフォンをとり映画化。
主演は「ロード・オブ・ドッグタウン」のエミール・ハーシュ。
【ストーリー】
1990年夏。ジョージア州アトランタのエモリー大学を
優勝な成績で卒業したクリス・マッカンドレスは、
ハーバードのロースクールへの進学も決まり、将来を
有望視された22歳の若者だった。
ところがある日、周囲の期待をよそに、クリスは惜しげもなく
車を捨て、貯金のすべてを慈善団体に寄付し、クレジットカードと
キャッシュカードを燃やして、あてのない旅に出る。
最終の目的地はアラスカ。
【感想】
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実はこの映画かなり前に試写会で観ました(^^ゞ
ショーンペンが監督と言うことで、また重い作品なんだろうなあと
思ったのですが、オープニング雄大な景色と流れる心地よい音楽に
おやっ!これは案外好みかも?と思って観始めました
ですが・・・大きなクライマックスと言うものはなくて、
ショーンペンが監督と言うだけあって?物語が淡々と進むような感じで・・・
仕事帰りの私は、またもや睡魔にちょっと襲われてしまいました(^^ゞ
時間もちょっと長かったような気がしました
↓以下ネタばれが多少あります
実はこの映画ショーンペンが監督でスピードレーサーの
エミールハッシュが主演と言うことしか知らなかったのですが、
鑑賞前に観たチラシに「裕福な家庭に育った優等生のクリス。
きみの青春はなぜアラスカの大地に消えたのか」
と書いてあり、さらに、鑑賞前に舞台挨拶?映画説明?で
「クリスは車の中でなぜ
遺体(死体?)が見つかったのか」と言うようなコメントもあったので、
主人公が最後はどうなるんだろうと観て行くのではなく
主人公はなぜ死んでしまったのだろうと考えながらの
鑑賞となりました。
そのこと(主人公の死がわかっていること)が、
私にとって良かったのかはわかりませんが(^^ゞ
個人的には、結末を知らないで観たかったかな・・・
彼の旅は始りました。。。
↓1990年 5月 アトランタ
大学を優秀な成績で卒業したクリスは2万4千ドルの貯金を
慈善団体に寄付して、両親や妹に何も告げずに
孤独な旅に出る・・・
<妹のクリスだけは兄の心が少しはわかって
いたのかもしれない・・・>
<父親役はウィアムハート・母親役はマーシャゲイハーデン>
↓1990年 8月 オリック
旅の途中、
気ままなヒッピーのカップル、レイニーとジャンのトレーラーに
乗せてもらう。3人で楽しいひとときを過ごすが・・・
砂浜に「ありがとう」と記して、彼らのもとを去る。。。
<気ままに生きているように見える彼らにも
悩みはあった・・・>
↓1990年 9月 カーシッジ
サウスダコタ州で大農場を営むウェインの元で働く・・・
<兄のように慕うウェインに、頭でかっちになるなと
諌められる>
↓1991年 12月 スラブス
社会のはみ出し者がそろうコミューンで
レイニーとジャンに再会する。
淡い恋も経験するが・・・
<16歳の少女トレーシーはクリスに惹かれるが・・・>
↓1992年 1月 ソルトンシティ
孤独な老人フランツとの出会い。
世代を超えた友情?が芽生えるが・・・
<アカデミー賞の助演男優賞に83歳で初ノミネート
されたハルホルブルック>
<この老人とのシーンが1番グッときました>
そしてこの2年の放浪の後に憧れのアラスカの
荒野の奥深くへ踏み込んで行方不明となります。。。
そして今ー
2年の放浪の後
最後で最大の冒険が待つ
偽りの自分を抹殺すべく
最後の戦いに勝利して
精神の革命をなしとげるのだ
これ以上文明に毒されないように
逃れてきた
たった一人で大地を歩く
荒野に姿を消すため
アレグサンダー・スーパートランプ
<↑クリス・マッカンドレスと言う名前さえも
捨ててしまいます・彼の日記より>
彼の2年に渡る旅と彼がアラスカで過ごした4ヶ月とが
交錯して、また、裕福だった彼がなぜそのような旅に出たのか
と言う理由のひとつでもあろう彼の複雑な家庭もその中に
描かれます。
彼の育った複雑な家庭環境が根底にあって
束縛を嫌い、自由を求めたのだとしても、
ここまで何もかもすべて捨てて旅に出るのは
彼が純粋で頭が良かっただけに、哲学的な考えから
文明とはかけはなれた生活がしたかったのかも
しれません。
心が通じあったと思えるいろいろな人たちに出逢っても、
彼のアラスカ行きを止めることはできなかった・・・
彼はアラスカ行きをやめようとはしなかった・・・
それほど彼をアラスカへかりたてたものはなんだったのか。。。
自然は雄大で美しい!でも、人間と言うちっぽけな
存在にとっては、自然は厳しくて恐ろしい・・・
この映画を観ていて、そんなことも思い知らされました。。。
この映画は良質で心に残る作品だと思いますし、この映画を
観て、若い人たちに、いろいろなことを考えて欲しいとも思いますが、
だからと言って、クリスのような行動は、母親である私としては
無鉄砲にも思えて、やはり共感はできないかな。。。
私にも二人の息子がいるので、どうしても母親目線に
なってしまうからかもしれません(^^ゞ
主演のエミールハッシュ、スピードレーサーでは全然いいとは
思えなかったのですが(ファンのかたすみません(^^ゞ)
この役柄の彼は、ワイルドで魅力的でした。
時折、ディカプリオにも見えました(笑)
ロケもきつかったと思いますし、18キロの減量も苦しかったと
思います。カヤックでの急流下りもすごかったです。
ラスト、エミールが演じるクリスの映像の後に、142番のバスの前で
写されたクリス・マッカンドレス本人のスナップ写真が出てきます・・・
これがフィクションでないと言うことを、思い知らされます・・・
彼の笑顔の写真を見たら、なぜか涙が出てきてしまいました
幸せが現実となるのは、それを誰かと分かち合った時
そう気づいたクリスが生きていたら、
彼のその後の人生はどうなっていったんだろうと
思わずにはいられませんでした。
「僕の一生は幸せだった。ありがとう。
さようなら。皆さんに神の御加護がありますように」
9月26日(土)から公開中
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