家族八景(筒井康隆)
筒井康隆の初期作品。この「家族八景」には「七瀬ふたたび」「エディプスの恋人」
と2つの続編があり、全作品を通して七瀬が主人公であることから、<七瀬シリーズ>とも呼ばれている。
主人公の七瀬は人の心が読める超能力者。古典的SF的な設定だが、
登場人物たちの心理描写が実に巧みだ。人間のいい所だけじゃなくて汚い部分もちゃんと描かれていて、人間の在り方についても深く考えさせられる。かといって、重くもない。
どの本から読んでも入りやすく、前作との関連性も少ないので、七瀬シリーズ全てをおススメしたい。個人的には「七瀬ふたたび」が一番良かったかな。もういっぺん読みなおそうか。七瀬ふたたび、ふたたび。