ことばが運ぶのは、伝えようとする情報だけでない。
当人の意図とは関係なく、そのことばを選び、表現したその人自身の、立場や態度、評価や配慮、性別、年齢、また感じ方や考え方、価値観などなどを含めた人間性が相手に否応なしに伝わってしまう。
自分の伝えたい意味合いを正確に表すのにもっとも適切な表現は何か。
「医者」と「医師」、「勝手」と「台所」と「キッチン」、「尿」と「小便」と「おしっこ」と「小水」(失礼。笑)は、それぞれ似た「意味」を指すが、「語感」が違う。
「語感の辞典」は、本来の「国語辞典」では解決できない部分、すなわち語感を知る目的で引くための辞典である。
「読みもの」としても楽しめるだろう。楽しんでいるうちに無性に本が読みたくなるかも知れない。
日本語力がUPする、もう1冊の国語辞典。【BOOK】日本語 語感の辞典
試しに、「しあわせ」の項を引いてみる。
しあわせ【幸せ/仕合せ】
「幸福」とほぼ同義で、会話やさほど硬くない文章に使われる日常の基本的な和語。<ー者><ーを祈る><ーが舞い込む><ーな暮らし><ーをかみしめる><どうぞおーに> ▽太宰治の『斜陽』に「お母さまと過ごしたーの日の、あの事この事が、絵のように浮んで来て」とある。「ーの薄い生涯」のように、特に幸運の意で使うこともあり、状態自体をさす「幸福」と比べ、この語は運のよさを感謝する気持ちが底流にある。→幸福
当分、楽しめそうだ。読む幸せをかみしめよう。