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桐壺帝との間に源氏の君を生んだ桐壺更衣(こうい)は、周囲の激しい嫉妬(しっと)やいじめに遭って悩み苦しみ続けたことは、昨日(5月31日)の日記の中で公開しました原文から読み取ることができます。
帝の皇子(みこ・源氏の君)を生んだことに対する激しい嫉妬(しっと)やいじめによる苦しみが極限に達しました。この結果、更衣は体調を崩(くず)し病の床に臥(ふ)した後、帝の許しを得て里帰りをすることになります。 その時の桐壺更衣の心境が和歌で記されています。 下の原文の写真1行目に、 (桐壺更衣)「かぎりとて、わか(別)るるみち(道)のかな(悲)しきに、いかまほしきはいのち(命)なりけり」 現代訳は、次の通りです。 「今は、こうするよりほかにない別れの道を行くことになりますが、私の行きたいのは生きる道の方です」 桐壺帝は、更衣との別れを嘆き悲しみます。 原文の9行目から10行目に次のように記されています。 「御むね(胸)のみつとふたがりてつゆまどろまれず、あかしかねさせ給(たまふ)」 現代訳は、 「桐壺帝は、悲しみにうちひしがれて胸がいっぱいになり、まどろまれることもなく、短い夏の夜の明けるのを待っておいでになられる」 となります。 どれほど、桐壺帝が更衣のことを愛していたかを知ることができます。 原文の最後に、 「夜(よ)なか」 という3文字が見えます。 この言葉に続く原文は、 「うち過ぐるほどになん、た(絶)へはてたまひぬ」 とあります。 現代訳は、「夜中を過ぎるころに、桐壺更衣はお亡くなりになりました」という意味です。 桐壺帝に愛されたがゆえに、桐壺帝は悲しい結末を迎えます。なお、上の原文の写真冒頭の「かぎりとて、別るる道の悲しきに」に始まる原文の和歌をサイデンステッカー氏は次のように英訳しています。 I leave you, to go the road we all must go. The road I would choose, if only I could, is the other. アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア在住の方が訪問されているので参考のために示しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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