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「源氏物語」「葵(あおい)」の巻に、夕霧の「出産祝い」のことが 記されています。「葵」の巻の原文(下の写真右から7行目ー10行目)に、 「ゐん(院)をはじめ奉(たてまつ)りて、みこ(親王)たち、 かんだちめ(上達部)のこるなきうぶやしなひ(産養)どもの めづからにいかめ(厳)しきを夜ごとに見のの志(し)る」 と記されています。現代訳は次の通りです。 「源氏の君と葵の上との間の御子(のちの右大将夕霧)のご出産を祝い、 桐壺院(前・桐壺帝)を始めとして、親王方・上達部(かんだちめ)が 残らずお越しになられ、多くの珍しくご立派な出産のお祝いを 夜ごとに見て大騒ぎをしている」 原文の「夜ごとに」は、複数の夜を表しています。 これは、生まれた子を祝い出産後三日、五日、七日、九日目の 祝宴が開かれていたことによるものです。 また、この原文の中には、一条御息所(みやすどころ)の ねたみが記されています。10行目以下の原文には、次の通り記されています。 「かの宮すどころ(御息所)は、かかる御おりさまをき(聞)き 給(たま)ひても、ただならず」 自分の愛する源氏の君の子を、他の女性が選んだことを ねたましく思っている様子が短く描かれています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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