空蝉 解読文 演習用
(オックスフォード大学・演習・テキスト用)Genji could not forget Utsusemi. With Kokimi as guide, he returned to the governor's mansion. It was a hot summer night. Genji made his way through the door and blinds. Utsusemi had been playing Go with another lady. One panel of a screen just inside had been folded back, and the curtains thrown over their frames, because of the heat. The view was unobstructed. Utsusemi was a small and rather ordinary woman. But the other was very handsome and tall. 源氏の君は、愛する空蝉(うつせみ)に何とか近づこうとします。 しかし、空蝉(うつせみ)は源氏の君にあこがれている一方で、 老齢の夫のいる身であることを考え、源氏の君の接近を阻(はば)んでいます。 しかし、源氏の君に味方をする者があらわれます。 空蝉(うつせみ)の弟の小君(こぎみ)です。 源氏の君が、空蝉(うつせみ)の部屋に入りやすいように、部屋に通じる障子を開けておく場面が「空蝉(うつせみ)」の巻に記されています。 「此(この)さうじ(障子)ぐち(口)に、まろは ね(寝)たらん。風ふきとを(通)せ、とて、 たたみ(たたみ)ひろ(広)げて・・・・」 原文の現代語解読文は次の通りです。 「この障子口に私は寝ているよ。 風が吹き通って気持ちがいいからね、と言って 上敷きを広げて・・・・(横になられた)」 空蝉(うつせみ)の弟の小君(こぎみ)は、 源氏の君が空蝉(うつせみ)の居る部屋に入りやすいように 障子を開けていたのです。障子を開けていることに不審を 抱かれないように、小君はわざと空蝉(うつせみ)や 部屋にいるほかの女たちに聞こえるように大きな声で言い、 障子口に横になっていました。しかし、空蝉(うつせみ)は、 衣(きぬ)ずれの音で源氏の君の接近を知り、 軒端荻(のきばのおぎ)と入れ替わってしまいます。