「赤ちゃんのころの薫の君」
冷泉帝の皇子(みこ)匂宮と源氏の君の子息・薫の君に愛された浮舟は、愛ゆえに苦しみ悲劇の姫君と言われました。 昨日(25日)、「薫の君の正室っていたんですね」という「九重キツネさん」の掲示板への書き込みがありました。 また、カナダから「薫の君の赤ちゃんの時代というのも書いてあるんでしょうか?」というメールをいただきました。 ちょうど、今ごろの季節、筍(たけのこ)のおいしい時期になると、乳歯が生えかけているお口に筍(たけのこ)をくわえている幼い薫の君のことを思いうかべます。 薫の君が口にくわえている筍(たけのこ)は、薫の君の祖父である朱雀(すざく)帝が、女三の宮(薫の君の母)に贈ったものです。「源氏物語「横笛」の巻に、「お(生)ひ出(いづ)るにくひあひんとて、たかうな(筍)をつとににぎりもちえ志(し)づくもよよとくひぬらし給(たま)へば」と記しています。 この場面の原文をわが家で所蔵しています。 現代語訳文とあわせて「赤ちゃんのころの薫の君」のページにその画像を公開いたしました。 源氏の君の正室・女三の宮が柏木の子である薫の君を産んだことに対する源氏の君の心情も、同じ原文の中に記されております。