2006/02/23(木)15:11
「むかしのはなし」三浦しをん・著
はじめに本の話から
先日図書館で運命的に出会えました。(っていうか予約しろ私!)
「むかしのはなし」三浦しをん・著
昔話がモチーフの、短編集なんだけど
微妙につながりがある作品達。
私の一番のお気に入りは
「懐かしき川べりの町の物語せよ」
この登場人物のモモちゃん(新保百助)のワイルドさが好き。
動物的で、甘い物好き、それでいて肝心なところは分かってるし
包容力ある。
完璧じゃん!!
「入り江は緑」は、
ひなびた津波さえも来ない場所に住んでる僕のはなし。
世界が明日終ろうと、永遠に続こうと
何も変わらない。
ただ波に揺られて、漁に出るだけ。
そういうスタンスで私も生きたい。
他にも「花」のサルの潔さ
「ディスタンス」の待ちわびる恋心
「たどりつくまで」の変身への渇望・・・・
どの作品を見ても、「しをんさんすごい」とため息が出ちゃう。
すばらしいです。
その一言しか表現できない自分がもどかしいです。
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今日は「モーリス・ユトリロ展」を見に難波へ行って来ました。
酒に溺れ、赤ワインのために絵を描き
アルコール中毒の為
病院を出たり入ったりの繰り返しだった人生。
「白の時代」はまさに心の中の空虚さが描かれているようで
迫ってくるものがありました。
私は色彩豊かな「薔薇の時代」が好きです。
奥行きのある風景、教会の空、新緑の季節の鮮やかさ・・・・
とても素敵でした。
結局彼の人生は、母親あっての人生だったようで
母が亡くなったあとの絵は、
生気を失っているように思えました。
展覧会の終わりはそんな絵達・・・
寂しくなりました。
ではまた。