2007/08/27(月)14:25
「楽園」宮部みゆき/著
読み終えた時の、この脱力感と言うか飽和感。
一体なんなんでしょうね?
ハンカチ片手に、泣きながら天井を見上げました。
「楽園」
(「BOOK」データベースより)
ストーリー
「模倣犯」事件から9年が経った。
事件のショックから立ち直れずにいるフリーライター・前畑滋子のもとに、
荻谷敏子という女性が現れる。
12歳で死んだ息子に関する、不思議な依頼だった。
少年は16年前に殺された少女の遺体が発見される前に、
それを絵に描いていたという―。
「模倣犯」のスピンオフ作品だと聞いてましたが
前畑さんが主人公でした。
面白かった。
両親に殺された茜が可哀想でもあり、
真実を知りたいと思う誠子の気持ちがイタく。
そして亡き子を思う敏子の、
子供をもう少し考えていたいと言う気持ち。
苦しかった。
我が子を殺し、苦しんだ十数年の苦しみを考えるとどうしようもなくなる。
でも、じゃあどうしたら良かったのか?
この「どうしたら良かったの」と言う言葉が
別の人物からも、出てきます。
結局自首させれば良かったんだよね。
それしか無いんですよ。
親としては(親戚としては)ね。
この向き合うと言うことが、今回の作品のテーマだと思いました。
昔の事件と向き合う前畑さん。
捕われていた「山荘」の事件から、
向き合うことによって
少しは少し距離を置くことが出来たんじゃないか?
そんなことも思います。
それに、今回は「模倣犯」よりも読みやすく、救いがあります。
最後は号泣(T^T
少なくても、茜が日高千秋と全く同じではなかった。
ホッとした~
他にも協力してくれる、周りの人がまたいい人たちで・・・
それが話を和ませてくれる効果があり、味のあるいい作品になってました。
敏子さんが素敵(^^
「名もなき毒」でも思いましたが
実直で、一生懸命に生きていても
なかなか物事は思うようにはならないですよね。
親戚に親子関係に人間関係に・・・
思わぬ所でつまずく。
「じゃあどうしたらいいの?よかったの?」
こういう疑問って、
生活の中に溢れてると思います。
だから、普通に生きれることに感謝したいな・・・なんてね。
「模倣犯」読まれた方。
これからの方…
とにかく、私は読んで良かったですよ(^^
ではでは。