涼子からの手紙平成18年3月9日に亡くなった教え子・涼子(36才、二児の母)の遺作人、一人が生きるということ。 つらくて、くるしくて、かなしくて、はらだたしくて、 それでも 生きていたい と こころのそこから おもう とりたてて すごい ことを するわけではない 世の まれびと うまびと と おもわれたいわけでもない わたしの いのち を わがこ に つたえたい いのち の ほむすび が きえゆこうとする そのときも わたしの 愛する人のことだけを おもう ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 涼子は 自分の命がもう長くないことを知り 自分がこの世からいなくなって 自分に供えてもらうための お茶碗 と 湯飲み を 自分で 作った、、、 そのかたわらで ぼくは 線香立てを つくった ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 昨年の10月、20年ぶりに北アルプス穂高岳に登った。 3000mの稜線に立つと、携帯電話の電波も届く。 なにものをも圧倒する槍ヶ岳と手前につらなる大キレット。 雄大な景色を堪能しながら、 写メールを送ったり、メールチェックをしたり、、、 しなければよかったのに、、、 一通のメールが入っていた。涼子からだった。 ********************************************************************* 先生、私末期ガンだって。 昨夜資料読んでて知った。 医師からは、ステージ3b期とは聞いてたの。 でも次の4期でもう無いの。 後は、全身転移しか無いよ。 3だから4も5もあると思ってた。 何かものすごいショックです。 何でも食べられるのに。 ウーン、ショックだよ。 先生、山に行ってたんですね。 私は、麻薬の練習でゲェーゲェーやってます。 とにかく体がしんどいよ。 一回飲んで三日苦しんだの。 今日は、薬が抜けたのか少しましです。 丁度良い時に写真が見れました。 この写真を見て、何だかスカッーとしました。 先生、もう若く無いんですよ、体大丈夫ですか? あまり無理しないでくださいね! 気をつけて帰って来てくださいね。 写メール有り難う御座いました、 何だか元気出ましたよ! <平成17年10月18日> ******************************************************************** |