毎日大変生活

2006/01/26(木)16:40

亡き父の写真展

国際写真サロン入選 「泥天狗」 大きく引き伸ばしても、しぶきが生き生きと躍動し、生きる勢いを感じる。 亡き父の枕もとを整理している時に、クシャクシャの広告の切れ端があった。 捨てようと思って、ふと見ると、 裏に鉛筆で書かれてあった。 『私の写真です。見て下さい。写真からいろいろな話が出来ると思います。』 その紙を見たとき、 弟も、姪達も泣いた。 声をあげて泣いた。 「おじいちゃん、そんなこといっこも言わへんから、わからへんかった。」 「おじいちゃんが生きている間に、いっぱいいっぱい写真の話出来たのに。。。」 父は自分の空き店舗に写真を並べていた。 自分でそれらの写真を見ていた。 母に聞くと、いろんな人に見て欲しかったらしい。 息子は父の膨大なフィルムに目を通して、言った。 デジタルで残そうと思ったけど、 「どの写真を送って賞を取ったのかわからへん。 みんな同じ写真ばかりに見える。ちょっとした違いなんやろな。。 おじいちゃん本人にしかわからへんな・・・・・」 「な、どのフィルムなんや。。。」 お葬式の時に、父の写真の中の一部を並べた。 写真を知っている人が、 「これは素人の趣味の範囲を出てますわ。」 と言われた。 そうなんや・・・ そうしているある日、 「おじいちゃんの写真展をしよう!」 孫達が今連絡を取り合って、会場、日時を決めている。 親達は忙しいし、ややこしいから、孫達がすることにしたそうだ。 私は、 「お母さん、数年前写真展計画したのに、計画倒れに終わってしまって、、 すごく自分を責めてしまうわ。。」 と言った。 「いいんやで。あれからお母さんの人生180度変わったし、 お母さん一人ではできへん状態やったやん。 俺らは一人違うし、ポスターを作ったり、会場手配したり、手分けして出来る。 そういう風になってるんや。 だから、気にしなくていいで。」 そう言ってくれた。 おじいちゃんの写真が孫たちの手で、整理され、壁に飾られ、 見てもらえる。 おじいちゃん、良かったね。 しあわせ者やね。 一直線に頑固に生きた父。 孫達を分け隔てなく可愛がった父。 厳しかった父、 孫達は全員、父に説教された経験がある。 そんな孫達が恩返しの意味を込めて、おじいちゃんの写真展を開く。 よかったねぇ。。 孫達が、こんなに大きくなったよ。 写真展、天国から見に来てやってね。

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