身で読む
HOME > 今日のことば 10/14 Wed 身で読む 親の恩はよく分かっているつもりでいても、自分で子どもを持ってその大変さに音を上げて、初めて親の恩に気づくというのが大方ではないでしょうか。目の前にいる親でさえそうなのですから、ましてや、仏さまが「みんな私の子どもなのですよ。私が守ってあげているのですよ」とおっしゃられても、その思いの深さを本当に知るのは大変なことなのです。 日蓮聖人は、その仏さまのお言葉を、しっかり自分の耳に聞き取られたのです。「今此の三界(さんがい)は 皆是れ我が有(う)なり 其の中の衆生(しゅじょう)は 悉く是れ吾が子なり……我一人(われいちにん)のみ 能(よ)く救護(くご)を為す」と、仏さまが自分に向かっておっしゃってくださるのを、はっきりと聞かれたのだと思うのです。 「法華経を人が読むとしても、口だけで読んだり、言葉だけで読んでいるだけで、心に読んでいない。心では読んでも体で読んでいない」と言われ、自分が受けた大難も風の前の塵のようなものだとして、すべての人を仏さまのみ手に導く柱となり、眼目となり、大船となろうと誓願を立てられたのでした。親の恩を本当に思い知ることが、仏さまの大恩を知ることにつながり、それが法華経実践の出発点になるのです。 庭野日敬著『開祖随感』より