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2012/09/04(火)18:31

『女性生徒が察知した暴力の匂い 男たちのマッチョな連帯を連想』

新聞など拾い読み・暮らし情報(125)

 9月3日付地元紙、暮らし欄に、中村うさぎが斬る!大津いじめ問題と見出しがつけられた『イドバタ』というコラムがありましたのでそのまま引用させていただきます。  『大津中でいじめを受けていた中学生が自殺した事件で、学校側の弁明が世間の猛攻撃を浴びた。  一部の女子生徒から「いじめではないか」という告発があったにもかかわらず、教師がいじめと認識せずに放置していたという話だ。この「いじめか悪ふざけか」という見極めこそ、この種の問題における一番の難題ではないかとふと思った。  今回、加害者とされる少年の母親がPTAで配ったビラにも、同様の「認識の齟齬」があらわれていたからである。  この母親はこのビラの中で、客観的にはじゃれ合いなのか、いじめなのかの区別はつけようがない。と主張しているそうだ。そう、少年も教師も、一連の行為を、いじめではないと思っていたかもしれないのだ。  いじめか否かという認識が、加害者側と被害者側で変わってくるのは当然だろうが、第三者の視線でみた場合も、立場や感受性の違いによって、かなり違いが出てきてしまうものだ。  今回の事件では、女子生徒が、彼らの「しゃれ合い」に不快な要素を感じ取り、いじめとして告発したというところが、私には興味深かった。  なるほどね、わかるよ。女子は、暴力の匂いに敏感だもんね。  現に私も、酔った男たちが道端で罵声をあげたり、暴れたりしているのを見ると本当に虫唾が走るもの。彼らにとっては単なる「おふざけ」なのだろうが、そこから立ちのぼる攻撃的な嗜好というか、なんか、「暴力で血がめいてい(漢字変換できず)している感じ」が、なんとも不快な獣の臭いを発散していて、女はそこに本能的に危険を察知するのだと思う。  母親がそう主張し、男性教師も見過ごした「じゃれ合い」に、女性とは、いち早く不穏なサディズムの臭いを嗅ぎ取っていたのである。早晩、それが単なる悪ふざけの域を超えて殺意を含んだ攻撃に代わることを、女子は彼らのめいていぶりから直観的に察したのではなかろうか。  一方、男声教師は体育の教諭、少年たちも体育系の部活に所属していたと聞くが、偶然だろうか。  「体育系」という言葉から、私は限りなくいじめに近い暴力を「しごき」と呼んで容認する、マッチョでホモソーシャル(男同士で結ばれた連帯)な世界を連想する。  そう、ここで2007年の大相撲時津風部屋の「かわいがり」と称した集団リンチを想起した人は正しい。それが、加害者のメンタリティー。もしそうなら、彼らに罪悪感がないのは当然さ。(作家)』  ひ弱だとか、草食系男子とかいう言葉とは無縁の世界もあるわけですねぇ。でも、逝ってしまった人は一人だけではありません。どうしてこんなことが起きてしまうのか、弱い者いじめはどうして止められないのか。。。改めて、犠牲となってしまった多くの被害者のご冥福をお祈りします。

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