カテゴリ:志錬(shi-ren)
![]() 私が柔道を始めた頃は、小学生の大会は少なく、私自身、出場したことはなかった。 大会を始めて経験したのは、中学1年生の時に出場した秋の新人戦であったが、あまり記憶にない。 鮮明に覚えている大会は、2年生の春の市中学総体。 当時は、中学柔道が盛んで、市大会と言えども30校を超える出場校があった。 体重の軽い方から順に並ぶ5人制団体戦で、 8ブロックに分かれて予選リーグ戦を行い、上位2チームが決勝トーナメントに進む。 私の中学の顧問の先生は、実績のある方であったが、赴任して間もないこともあり強化は間に合わなかった。 予選で優勝候補校と対戦した私達は、中堅の私の体重で50kgに満たない。大将でも60kgしかなかった。対する相手校は、先鋒で60kg。平均で20kgは重い。 もちろん、体重だけではなく、技術的にも劣っているのは確かであった。 誰もが、0-5で敗れると思っていたはずである。 事実、この優勝候補の中学校が優勝したのだが、決勝も5-0で決めていた。 私の試合結果。 優勝候補校の中堅に体落で一本勝ちした。 場内から割れんばかりの歓声。まるで、私の学校が勝ったかのように・・・。 しかし、団体戦としては、1-4で敗れ、結局、決勝トーナメントに進むことは出来なかった。 試合後、私は、先生に呼び出され厳しく叱られた。 勝った時に、ガッツポーズをしてしまったのである。 先生には、「柔道は相手が居てはじめて成り立つスポーツであって、相手を前にガッツポーズをするのは礼に反している。」と言われた。 ただ、先生が本当に怒っていたのは、私が自分が勝ったことで舞い上がって、団体戦の一員ではなく、自分のことだけを考え喜んでいた態度だった。 確かに舞い上がっていた。 副将、大将の試合は、自分の試合で興奮してしまい、それどころではなかった。 先輩達にとっては、中学最後の試合。 私がレギュラーになることで、試合に出ることが出来なかった先輩もいた。 とんでもないことをしてしまったと反省した。 しかし、その後で主将の先輩に呼び出され、 「お前が勝ってくれたことで、また、高校で頑張る気持ちになれた。ありがとう!」 と言ってもらえた。 嬉しかった。そして、自分のことだけで喜んだ自分をあらためて恥じた。 共に同じ畳に戦うからこそ、気持ちがひとつになる。 そこに個人戦では味わうことが出来ない素晴らしい出会いがある。 よろしければ、一日一回、クリック(投票)して下さい→ ![]() ![]() ![]() ※関連日記 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.07.27 16:41:48
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