再稼動 大反対!
大飯原発の再稼動問題が連日報道されているが、福島原発被災者として間違いなく断言できることは、再稼動はすべきではない、ということだ。 関電は東電同様に、原発を稼動させないと電力が供給できない、電気料金を上げざるを得ない、と主張しているようだが、今現在、放射能汚染に苦しむ県民として言わせてもらえれば、計画停電の不便さや、1,2割程度の値上げの方が、汚染に晒され、怯え、苦しみ、避難による二次災害で精神疾患になるよりは、はるかにましなのである。 スクール・カウンセラーとして、昨年、一年間、緊急支援カウンセリングで被災地の3校を担当したが、子ども達のトラウマは個人差はあるものの、1年過ぎても不適応が改善しないケースは多々ある。 今日も、中3のときに10キロ圏内から避難、転校して、不適応を起こし、避難所や借り上げ住宅をたびたび引越す、というストレスにより、鬱病を発症し不登校になっている生徒のカウンセリングをした。希死念慮があるので精神科を受診させ、服薬安静させるように家族に話をしたが、母親は「どうして、こんなふうになってしまったんでしょう」と言って泣いていた。 このようなことは、まだ、マスコミにはあがっていないが、現場でのみ知り得る原発被害者の実態の一面なのである。 仮設住宅では、アルコール依存、ギャンブル依存、鬱病、自殺などが見受けられていることも、公に報道されないのは、原発推進派の目に見えぬ圧力によるものなのだろうか、と邪推してしまう。 現政府の4閣僚で再稼動の決断を下す、というのは、まったくの愚挙愚行である。現在、福島はまだ、放射能汚染に晒されており、汚染地区の99%も除染されていないのである。それは、完全除染するノウハウを人類は持っていないからなのである。チェルノブイリの現状を見れば、それは明らかである。 これから、ゴールデン・ウィークになるが、原発被災者の気分はゴールドならぬ「鉛色」である。今、福島市内の花見所は桜が満開だが、その桜のとなりに設置されている放射能ポストは0.6の値を示している。これは通常値の数百倍の放射線量なのである。そのような状況に耐えられぬ人が、昨年、一年で、5万人も県外に脱出したが、逃げるに逃げれない人々は苦渋のなかで今日も暮らしているのである。 ノーモア・ヒロシマ ノーモア・フクシマ 原爆と原発の恐ろしさを、日本人は、もっと骨身にまで知らねばなるまい。 ゴールデン・ウィークには、ぜひ、津波で焼け野原のようになった被災地と、ガイガー・カウンターの針が振れる福島を訪れてみてはどうであろう。直接、肌身で体験されると、百万言の言説よりも骨身に浸みるはずである。そして、人生観が変わるやもしれない。 ちなみに、福島市内のツタヤでは、1週間無料で線量計のレンタルをやっている。