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テーマ:海外生活(7809)
カテゴリ:たべる
「動物の中で一番どう猛なのは人間だよ。
ジャガーでも、ピラニアでも、自分が食べるものしか殺さない。 食べもしないのに殺すのは、人間だけだからな。」 (あるブラジル人の老人の言葉) どう猛:(英語)savage (ポルトガル語)selvagem 南米ラプラタ河の上流に、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイにまたがる 大湿原パンタナールがあります。アマゾンのようなうっそうとしたジャン グルではなく、ただただ広がる水と緑の原野です。 ずいぶん昔のことですが、野鳥の研究をしている兄を案内して、このパン タナールを訪れました。世界のバードウォッチャーあこがれの鳥の楽園、 そして、世界の釣り人があこがれる魚の宝庫、パンタナール。 泊まったホテル(半分水上の小屋が並んでいる)に、ガイドというか運転 手というか、仕事をしてるんだかなんだかわからない、一人の老人がいま した。本名も、出身も、何もわからない。「でも、どうやら大学を出てい るらしい」と噂される謎の人物です。 こんな無口なガイドがいてもいいのか?というぐらい、いつも難しい顔を しているおじいさんでしたが、いつの間にかうちとけて、ぽつりぽつりと 話をしてくれるようになりました。 兄が鳥の写真を撮っている間、暇なもので、仕掛けを借りてドラードという 魚を釣りました。5kgとか7kgとか、けっこう大きいドラードが3匹も釣 れて(ビギナーズラック?)「これ以上は食べられないから、もう釣りは やめよう」と言った私にむかって、そのおじいさんが言ったのです。 「動物の中で一番どう猛なのは人間だよ。 ジャガーでも、ピラニアでも、自分が食べるものしか殺さない。 食べもしないのに殺すのは、人間だけだからな。」 毎日20kgとか30kgとか釣って、冷凍している釣り人たちを横目に、鳥 を眺めるだけの私たちを、たぶん、ほめてくれたんだと思います。 ドラード3匹は、当然食べきれる量ではないので、ホテルのコックさんに 頼んで、その日の夕食に出してもらいました。 「日本からおみえの、こちらのお客様からのプレゼントです。みなさま、 ドラードのグリルをどうぞ」という支配人の言葉に、宿泊客から大きな拍手 をもらいました。(いい気分でしたよ~) 採って、食べる。捕って、食べる。人間も動物です。生きる基本ですよね。 食べるために殺すのは、仕方ないと思う。でも、自然に向かって「ちょっと だけ下さいな」そう言って、食べる。そういう気持ちを忘れたくないと、 あのおじいさんの顔と声を思い出して、思うのです。 戦争については、言うまでもありませんよね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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