いつかどこかで

2005/11/01(火)23:51

知らない単語がたくさんあると

ことば(126)

英語の長文読解を教えていて、いつも言うのです。 「知らない英単語がたくさんあると、暗い森の中を灯りを持たずに 歩いてるのと同じでしょ。不安だし、怖いし、逃げ出したくなるし。」 だから、英単語をしっかり確実に身につけていきましょう・・・という 話になるわけですが、 今日配信された城内先生のメルマガ 「続・心の豊かな賢い子供を育てる12章第65号」を読んでいて、 問題は、もっと根深いということを痛感しました。 先生は、国語が苦手、文章を書くのが苦手な中学生に、語彙力と作文力を つけさせる方法として、新聞の投書欄の書写と要約・感想を書かせている そうです。そして、知らない言葉、読めない漢字が出てきたら、アンダー ラインを引かせて、その言葉ひとつひとつを説明していくのだそうです。 (頭が下がります) 今回のメルマガに出ていた、中学生が「読めない、わからない言葉」 としてアンダーラインを引いた単語を、引用させていただきます。 衣食住・身を寄せる・悲惨・体中・不愉快・垂れ幕・批判・自営・生産・ その拍子に・心底・疑ってしまう・家路・意識・地区・一斉・悪臭・意識 ・負担・真剣に・済む・頼り・年を重ねる・衰える・心いやす・家族・ 骨折・泣きじゃくる・そんな矢先・情報・体罰・悔やむ・減少・優しい・ なんとなく・励む・出会う・いくつか・新た・資格・それぞれ・一人旅・ ふり返る・満ち足りる・技・得られない・ 上のような言葉が、普通の中学生に「読めない、わからない」言葉だと いうのです。 「これだけわからない言葉があったら、読む気になると思いますか? 辞書で調べる気になると思いますか?」 と先生は続けています。 これは一大事、と嘆くだけなら簡単ですが、先生はここからスタート して、子どもたちの本当の力を伸ばすための方法を書いています。 詳しくは、上のリンクからバックナンバーをお読みくださいね。 そうなんです。 「辞書を引きなさいよ、漢字を覚えなさいよ」というような問題より、 もっと根本的なことなんです。 言葉を知らないということは、その言葉が使われる状況を体験して いないということなんです。語彙力が落ちているという事実は、 生活が貧しくなっているということなんですよね。 つい、「単語覚えなさいよ~」と言うだけで済ませている自分を反省 しつつ、最近、高校生に英語を教える時間を、国語の時間にまわした ほうがいいのではないか、そう思うことが多々あるのも、もっともな ことだと思いました。 せめて英語を教えながら、言葉と生活と心の関係を、自分もしっかりと 考え、生徒にも考えさせてあげたい、そう思い直したメルマガでした。

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